17歳でデビューして60年となったそうだ。だから77歳。
驚いた。その年にして、びっくりするほど声が会場いっぱいに響く。
しかも、2時間弱のコンサート中、しゃべりはわずか。
ほとんど歌いっ放しという状態で、その体力にも恐れ入った。
布施明のコンサートへ行ってきた。
久し振りのコンサート観賞、それもごひいき、今時は推しか、布施明だ。
何カ月も前にチケットを購入し、この日を待っていた。
福岡サンパレスホールは完売だったようだ。
客層はこちら同様、比較的高年齢層。それも夫婦連れが目立った。
デビュー曲の「君に涙とほほえみを」で始まり、
数曲後には軽快に「君は薔薇より美しい」だ。
その最後の部分『ああ、君は変わった』のすごいこと。
よく、あんなに声が伸びるものだ。
プロだからね、そういえばそうではあるが、いやいや恐れ入る。
コンサート中盤にはヒット曲がずらっと並んだ。
日本レコード大賞を取った「シクラメンのかほり」のほか、
「霧の摩周湖」「愛は不死鳥」など息つく暇もなく次々と歌い上げていった。
あの頃は若かったなあ。
これらがヒットしたかの日のことが思い浮かんでくる。
いよいよコンサートも終幕に近づいた。
すると、いきなり『慟哭』だ。
この曲はイタリアのLucio Dallaが作詞作曲した『Caruso』が原曲。
これをオペラ歌手などがカバーしており、布施明がどう歌ってくれるか
楽しみにしていた一曲だった。素晴らしい。期待にたがわなかった。
さらに今や布施明の持ち歌ではないかと思える『My Way』と続く。
拍手鳴りやまず。この82歳の爺さん、感極まり涙が1粒、2粒。
コンサートで涙なんて初めてのことだった。
4月の〝歌怪獣〟島津亜矢のコンサートのチケットもすでに買った。
聞きごたえのある歌手のコンサートに理屈はいらない。
良いなあ!