5人刺殺、被告が無罪主張「工作員が仕組んだ」
兵庫県・淡路島の洲本市で2015年3月、2家族の男女5人を刺殺したとして、殺人罪などに問われた平野達彦被告(42)の裁判員裁判の初公判が8日、神戸地裁(長井秀典裁判長)で始まった。
平野被告は「私は無罪です」と述べ、起訴事実を否認した。弁護側は刑事責任能力も争う姿勢を示した。
被告は罪状認否で、自ら用意した書面を読み上げ、「事件は工作員によって仕組まれたもので、完全な冤罪えんざいです」と述べた。
起訴状では、被告は15年3月9日午前4時頃、同じ集落に住む平野毅さん(当時82歳)方で、妻の恒子さん(同79歳)と毅さんをサバイバルナイフで多数回刺して殺害。約3時間後、近くの平野浩之さん(同62歳)方で、浩之さんの母・静子さん(同84歳)と浩之さん、妻の方子まさこさん(同59歳)も刺殺したとしている。
被告は殺人未遂容疑で現行犯逮捕され、「裁判まで何も話せない」と供述していた。
争点は、被告が犯人であるかどうかと、当時の刑事責任能力の有無。
被告は事件後に計2回、精神鑑定を受けた。冒頭陳述で、検察側は「被告は妄想性の精神障害があり、被害者らが工作員だと考えて殺害を決意した。犯行直後、警察官に『報復したんや』と話していた」と指摘。ナイフをインターネットで購入するなど準備をしていたとし、殺害の実行は妄想によるものではなく、完全責任能力があったと主張した。
弁護側は、被告が仮に犯人だとしても、妄想によるものであり、心神喪失か心神耗弱の状態だった、と述べた。
被告は10年12月、毅さんの親族をネット上で中傷したとして名誉毀損きそん容疑で逮捕されたが、精神障害のため強制入院(措置入院)した。退院後、兵庫県明石市内に住んでいたが、14年12月に洲本市の実家に戻った。毅さんや家族は事件直前まで計9回にわたり、洲本署に「被告に写真を勝手に撮られた」などの相談や通報をしていた。
審理は計11回行われ、判決は3月22日の予定。
(読売オンライン 2017年02月08日 )
「被害者は私。ブレインジャックされた」 平野被告が無罪主張 神戸地裁初公判
兵庫県洲本市で平成27年3月、男女5人が刺殺された事件で、殺人などの罪に問われた無職、平野達彦被告(42)の裁判員裁判の初公判が8日、神戸地裁(長井秀典裁判長)で開かれた。平野被告は「本当の被害者は私。工作員に脳を支配され、殺害するよう強制された。完全な冤罪(えんざい)だ」と起訴内容を全面否認。弁護側は「被告の言っている通りならば、病的妄想に支配されていることは明らか」と述べ、刑事責任能力を争う姿勢を示した。
公判は3月22日の判決宣告までに計12回開かれる予定。被告は精神疾患のため事件前に措置入院しており、責任能力を最大の焦点に、検察側と弁護側が全面的に争うことになる。
検察側は冒頭陳述で、平野被告が22年にインターネットの会員制交流サイトを利用して犠牲者の親類を中傷し、名誉毀損(きそん)容疑で逮捕されたことに言及。被告が「復讐(ふくしゅう)に一部成功」とネットに書き込むなどしていたことから、「正常な心理状態で殺害を実行した。犯行は精神障害によるものではなく報復によるものだった」と主張した。
これに対し弁護側は被告の主張に沿って犯人性を争うとともに、被告の鑑定を担当した精神科医の証人尋問を通じ、被告が事件当時、心神喪失か心神耗弱の状態にあったことを立証していくとした。
訴状によると、平野被告は27年3月9日午前4時~7時10分ごろ、洲本市中川原町中川原の自宅付近の住宅2軒を相次いで襲撃。平野毅さん=当時(82)=夫妻と平野浩之さん=同(62)=方の3人をサバイバルナイフで刺殺したとしている。
平野被告は殺人未遂容疑で現行犯逮捕された後、容疑を殺人に切り替えて送検。鑑定留置を経て、27年9月に起訴された。
(産経WEST 2017年2月8日)
淡路5人殺害事件
2015年3月9日午前7時過ぎ
兵庫県淡路島の洲本市中川原町中川原で男女5人が殺害された事件
「お前らは何十年も前から電磁波兵器で盗聴盗撮し脅迫強要を行っている。」平野達彦容疑者 2015年3月
淡路島5人殺害:容疑者、引きこもり生活送る 半年前帰郷
兵庫県洲本市の民家2軒で9日、計5人が刃物で刺され死亡した事件で、
殺人未遂容疑で逮捕された平野達彦容疑者(40)は現場近くの自宅で父と祖母との3人暮らし。
近くの70代男性は「小中学校時代は弟思いで、機械いじりが好きだった。優しかった『たっちゃん』がなぜ」
と絶句した。
一方、近所の人によると、平野容疑者は引きこもりがちの生活をしていたという。
知人男性によると、平野容疑者は約半年前まで兵庫県明石市のアパートに居住。
昨年8月ごろ、「出て行かないといけない。ここには住めなくなった」と電話で連絡してきたという。
男性は「相手の目をじっと見て話し続けるなど、精神的に不安定な様子を感じた」と話す。
洲本市に戻ってから、近隣住民は平野容疑者が外出する様子をほとんど見ていない。
一方、平野容疑者は会員制交流サイトのフェイスブック(FB)やツイッターなどに本名で登録し、
被害者や近隣住民を批判する書き込みを繰り返していた。
今年に入って近隣住民への批判が増え、今月は1日50件以上書き込むこともあった。
今月5日には、事件で殺害された浩之さん家族の名前や自宅の地図、毅さんの名前や顔写真を掲載した上で中傷していた。
(毎日新聞 2015年03月10日)
<淡路島5人殺害>強い殺意持つ? 5人全員に複数の刺し傷
兵庫県洲本市の民家2軒で5人が刺殺された事件で、うち3人に対する殺人未遂容疑で県警に逮捕された平野達彦容疑者(40)の自宅から、血痕が付着した凶器とみられるナイフ1本が見つかったことが10日、捜査関係者への取材で分かった。このナイフで5人全員を刺したとみられ、県警は詳しく鑑定する。県警は同日、容疑を殺人に切り替え神戸地検に身柄を送った。
捜査関係者によると、県警は9日に平野容疑者の自宅を捜索し、ナイフを含む複数の刃物を押収。このうちナイフ1本に血痕が付着していたという。
また、5人の遺体全てに複数の刺し傷や切り傷があったことも判明。一部の傷は内臓にまで達しており、平野容疑者が強い殺意を持っていたとみて、遺体を司法解剖して調べる。また、神戸地検は今後、刑事責任能力の有無を調べる精神鑑定をするための鑑定留置を検討する。
一方、県警は10日、被害者の家族らから計10回にわたって平野容疑者の暴言や中傷などに関し、相談を受けていたことを明らかにした。最初の相談は2010年9月にあり、その後、今年2~3月にかけては相次いで9回の相談を受けていたという。
県警によると、今年2月14日、死亡した平野毅さん(82)の孫の30代男性が自宅近くで平野容疑者と口論になり、写真を撮られるトラブルがあった。毅さんの50代の娘は翌15日、自宅を訪れた署員に不安を訴え、その後も連日、駐在所を訪問。「写真を勝手にインターネットに掲載されたら犯罪になるのか」と相談するなどした。
その後も毅さんや娘、孫らが洲本署や駐在所をたびたび訪問。写真撮影やネット上の中傷行為について「人権侵害にならないのか」「事件化してほしい」と求めた。これに対し同署は「写真を撮られただけでは難しい」と応じ、付近のパトロールを強化するなどした。県警は一連の対応について「相談にはその都度対応しており、問題はなかった」としている。
(毎日新聞 3月10日)
前夜「あいさつ」めぐり口論か 洲本5人刺殺事件
兵庫県洲本市中川原町中川原の民家2軒とその周辺で、男女5人が刺されるなどして死亡した事件で、うち3人への殺人未遂容疑で兵庫県警に逮捕された近くの無職平野達彦容疑者(40)が事件前夜、死亡が確認された平野浩之さん(62)と口論になっていたとみられることが9日、捜査関係者への取材で分かった。
死亡したのは浩之さんのほか、妻方子(まさこ)さん(59)、母静子さん(84)の親子と、平野毅(たけし)さん(82)、恒子(つねこ)さん(79)の夫婦と確認された。
捜査関係者によると、浩之さんの親族の説明では、事件前夜の8日夜、浩之さんと平野容疑者があいさつをめぐって口論になったという。容疑者のものとみられる会員制交流サイトなどには被害者らを中傷する複数の書き込みがあり、県警が事件との関連を調べている。
県警によると、9日午前7時15分ごろ、家に入ってきた平野容疑者に刺されたという内容で浩之さんが110番。自宅から逃げ出した浩之さんの長女(32)が近くの民家に助けを求め、さらに通報したという。浩之さんは屋外、残る2人は屋内で見つかった。
その後、近くの毅さん方で、刺し傷があり、血を流した状態の夫婦の遺体が見つかった。2人には死後数時間で現れるとされる硬直が始まっていたことなどから、毅さん宅が先に襲われた可能性があるとみられる。
県警は今後、容疑を殺人に切り替えるとともに、毅さん夫婦の死亡にも関与したとみて調べる。
住民によると、平野容疑者は父と祖母の3人暮らしという。
(神戸新聞NEXT 3月10日)
「すぐに来て!」「お父さんたちが刺された」静かな集落、切り裂く悲鳴
淡路島5人殺害
「お父さんとお母さんが刺された」。淡路島中部にある山間の集落に、悲鳴が響き渡った。兵庫県洲本市中川原町中川原で9日朝、民家で次々と人が刺され、5人が死亡した事件。逮捕された自称無職、平野達彦容疑者(40)の自宅は、現場のすぐ近くにあり、親同士の近所付き合いも盛んだったという。「一体何が起きたのか想像もつかない」と住民らに衝撃が広がった。
「家の中に2人、もう1人が外に倒れている。すぐに来て」
女性から110番があったのは同日午前7時10分ごろ。その後、駆けつけた兵庫県警の警察官らが近くの別の民家の室内でも、血を流して倒れている男女を発見した。
地区の住民らによると、家族3人が殺害された家の娘が命からがら現場を逃げ出し、親類宅に「男が入ってきて、お父さんたちが刺された」と助けを求めたという。
事件が起きた民家は屋根にブルーシートが張られ、県警の捜査員が鑑識作業を進めた。周囲には規制線。10台以上のパトカーがとまっていた。一帯に点在する家々を出入りする人影はほとんどなく、通りがかった人たちが車を止め、緊迫した現場の様子を不安げに見守った。
逮捕された男は、被害者宅の隣に住んでいた。男の親は、いずれの被害者家族とも親交があったという。同じ地区の無職男性(74)は「隣近所同士、仲はすごく良かったはずだ。トラブルなど聞いたことがない」と驚いた。一方で、容疑者については「どういう生活をしていたのか、全然知らない。父親は世話好きで、ボランティア活動にも積極的ないい人だが、(平野容疑者と)同居していたのも知らなかった」と話した。
別の住民は男が自宅に引きこもり、インターネットで他人を中傷していた、と明かした。近所の60代主婦も「顔は知っているが、最近はほとんど姿を見かけない。地元の人間はみな、(平野容疑者の)子供のころしか知らない」と語った。
周辺は農家が多く、外部からの移住者は少ない。現場近くの中川原保育所では午前中は園庭で遊ぶ時間帯だが、門に鍵をかけて室内で子供たちを遊ばせた。所長は「(現場は)子供たちもよく散歩に出掛ける場所なので、驚いています」とショックを受けていた。
淡路島5人殺害 娘に「逃げえ」 深手の傷負いながらも父 のどかな集落に動揺
「逃げえ」。深手を負った父は、娘に向け声を振り絞った。兵庫県・淡路島の山あいで9日、男女5人が刺され死亡し、すぐそばの平野達彦容疑者(40)が逮捕された事件。普段はのどかな集落の動揺は激しく、小学校では下校時、児童が不安な表情を浮かべ、保護者がしっかりと付き添った。
「お父さんが刺された」。住民によると、午前7時すぎ、平野浩之さん(62)の娘が、付近の民家に駆け込んだ。「逃げるように言われた」と続け、自ら通報した。
捜査員が駆け付け、刃物で襲われた浩之さんら3人の傷は深く、ほどなく死亡が確認された。
現場に近い県洲本市立中川原小では午後、わが子を迎えに保護者が次々と姿を見せた。母親の顔を見つけた1年の女児は「怖かった」とぽつり。別の母親は「小さな集落でみんなが知り合いのようなものなのに。とてもショックだ」と硬い表情で話した。
淡路島5人殺害 死亡5人の身元判明
兵庫県洲本市の民家2軒で男女5人が死亡した事件で、兵庫県警洲本署は9日、最初に倒れている状態で発見された3人について、平野浩之さん(62)、方(まさ)子さん(59)夫婦と、静子さん(84)と確認。後で遺体で見つかった2人について、平野毅さん(82)、恒子さん(79)夫婦と判明したと発表した。
事件を警察に通報した女性(32)は、浩之さんの長女。同署は、殺害された5人と、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された無職、平野達彦容疑者(40)との関係を調べている。
2人殺害後に3人襲撃か…数時間空け、次々
兵庫県洲本市(淡路島)で9日朝、民家2軒の男女計5人が刺殺されて見つかった事件で、2軒のうち、1軒で発見された男女2人には、死後数時間で始まるとされる死後硬直があったことが、捜査関係者への取材でわかった。
県警洲本署は、現場近くに住む無職平野達彦容疑者(40)(逮捕)が、この2人を先に殺害し、その後、もう1軒の3人を襲ったとみている。
発表では、平野容疑者は2013年10月頃まで同県内の病院に入通院し、妄想性障害と診断されていた。神戸地検は、刑事責任能力の有無や程度を調べるため、鑑定留置を検討している。
同署などによると、死亡したのは、洲本市中川原町中川原の無職・平野毅(たけし)さん(82)と妻の同・恒子さん(79)。北約100メートルの民家に住んでいた同県嘱託職員・平野浩之さん(62)と妻・方子(まさこ)さん(59)、母で無職の静子さん(84)。
(読売新聞 3月10日)
妄想性パーソナリティ障害(英語: Paranoid personality disorder ; PPD)
何ら明確な理由や根拠なく人から攻撃される、利用される、陥れられるといった不信感や疑念を抱き、広く対人関係に支障をきたすパーソナリティ障害の一類型
この症状は、拒絶・憤慨・不信に対して過剰な感受性を示すとともに、経験した物事を歪曲して受け止める傾向に特徴がある。普通で友好的な他人の行動であっても、しばしば敵対的や軽蔑的なものと誤って解釈されてしまう。本人の権利が理解されていないという信念に加えて、パートナーの貞操や貞節に関する根拠の無い疑いであっても、頑固に理屈っぽく執着する。そのような人物は、過剰な自信や自己指示を誇大にする傾向がある。
兵庫・洲本市5人殺害 容疑者の責任能力の有無など焦点か
兵庫・淡路島の洲本市で9日朝、男女5人が次々と刺され死亡した。警察は、近くに住む40歳の男を現行犯逮捕した。
洲本市は、淡路島の南東部にあり、淡路島の中でも比較的大きな市。
その市の中心部から、車で15分ほど山あいに来ると、田園風景が広がるのどかな場所で、今回の事件が起きた。
事件があったのは、洲本市中川原町の平野浩之さん(62)の自宅で、午前7時すぎ、「お父さんとお母さんが刺された」と、女性の声で警察に通報があった。
警察が駆けつけると、平野浩之さん、方子さん(59)、静子さん(84)の3人が刺されて倒れていて、その後、全員の死亡が確認された。
近所の人は「(娘さんが)お父さんに『逃げろ』と言われて、駆け込んできたと。こんなところでこんなことが起きるとは、びっくりしているだけで」と話した。
警察が、現場の近くで、衣服に血がついた平野達彦容疑者(40)を見つけ、事情を聴いたところ、犯行を認めたため、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕した。
そして、すぐ近くにある平野 毅さん(82)の住宅でも、毅さんと恒子さん(79)の2人の遺体が見つかった。
平野達彦容疑者の自宅は、毅さん宅のすぐ裏手にあり、警察が関連を調べている。
警察の調べに対して、達彦容疑者は、「弁護士が来てから話します」と供述をしている。
今のところ、犯行動機に関しては、警察にくわしいことは話していないという。
ただ一方で、警察は、精神疾患があるということを発表している。
近所の人に聞いても、かなり長い間、達彦容疑者は、家の中にひきこもりだったという。
今後は、犯行動機、あるいは責任能力の有無といったことを調べる、このあたりが焦点になってくるとみられる。
被害に遭われた人たちの名字が皆、「平野」さんだが、どうやら近しい親戚ではないとみられている。
近所の人は、何代か前をたどっていくと、遠い親戚にあたるのかなということを話していたが、現在、警察からもそういう発表はなく、今のところは、親戚だということはいえない状況となっている。
フジテレビ系(FNN) 3月9日
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