犯罪にあったと気づかない、「だまされた」子どもたち
例えば、「ハムスターを見せてあげる」「カブトムシがいるよ」などと声をかけて、女児を団地の階段に誘い込み、わいせつな行為をしていた男がいた。この男は、逮捕後に約50件の余罪を自供したという。
その手口は巧妙そのものである。
「虫歯を見てあげる」と言って女児の口を開けさせ、舌をなめていたのだ。おそらく、被害にあった子どもたちは、自分が犯罪の被害者だとは認識できなかっただろう。この犯人を「虫歯を治してくれた親切な人」と思っていたに違いない。だからこそ親にも告げず、その結果、50件もの事件が発覚しなかったのである。
また、こんな信じ難い事件もあった。
「子ども用の風邪薬を作るから、つばをくれないか」「ジュースはのどに悪いよ。つばをちょっと見せて」などと話しかけ、女児につばを吐き出させた男がいた。この男は、その様子をビデオカメラで撮影し、さらには吐き出させたつばを持ち帰り飲んでいたという。この犯人は、17年間に約500人の女児からつばをもらったと供述している。
このように、事件の多くは、だまされたケースだ。しかし、この事実は、ほとんど知られていない。「だまし」を用いる犯人は、慎重に行動し、「捕まりそうにない場所」でしか子どもに声をかけず、その結果、なかなか捕まらないからだ。捕まらなければニュースになりにくく、事実を知ることもできない。
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