陸自・日野基本射撃場で3人撃たれ2人死亡…
18歳の候補生を逮捕
(2023/06/14 読売新聞オンライン)
14日午前9時10分頃、岐阜市日野南にある陸上自衛隊「日野基本射撃場」で、隊員が突然、ほかの隊員に向けて小銃を発射し、3人が撃たれた。防衛省によると2人が死亡、1人がけがをした。岐阜県警は自衛官候補生の男(18)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。
発表によると、男は射撃場内で殺意を持って、男性自衛官(25)に対して銃を発射した疑い。県警の調べに、銃を発射したことを認めているという。
捜査関係者によると、同射撃場では訓練が行われており、隊員たちが整列するため並んでいたところ、男は突然、隊員たちに向けて小銃を発射したとみられる。撃たれた3人は20歳代が2人、50歳代が1人で全員男性という。指導員に向けて発砲したとの情報もある。
自衛官候補生は、自衛官になるために基礎的な訓練を受ける隊員。18歳以上33歳未満の男女が受験でき、訓練を受けた後、陸海空自衛隊の2士になり、約2~3年の任期を務める。事件当時は、新隊員教育の一環で実弾射撃訓練が行われていた。
陸自によると、男は今年4月に中部方面総監部直轄の教育隊に入隊し、名古屋市の守山駐屯地で勤務していた。射撃の訓練は大型連休後に始めたという。
日野基本射撃場は陸自第10師団(司令部・名古屋市守山区)の施設で、全長300メートル超の建物内部で射撃訓練ができる。岐阜市中心部から北東約5キロの山際に位置するが、周辺には住宅なども並んでいる。民間人への被害は確認されていない。
警察関係者によると、自衛隊施設の敷地内で起きた事件は原則として自衛隊の警務隊が捜査する。ただ、双方の協定により、事件の内容によっては両者の協議の上で警察が捜査することもできる。今回の事件では現場の鑑識作業などが必要で、岐阜県警が捜査の一部を担うとみられる。
死亡の52歳、胸に2発被弾
逮捕の候補生、狙ったか
他の2人は1発ずつ・陸自小銃発砲
陸上自衛隊日野基本射撃場(岐阜市)で3人が死傷した小銃発砲事件で、死亡した52歳の隊員が、自衛官候補生の男(18)=殺人未遂容疑で現行犯逮捕=から胸部を2発撃たれていたことが15日、捜査関係者への取材で分かった。
候補生の男は計4発発砲し、他の2人は1発ずつ銃撃を受けていたことも判明。岐阜県警などは52歳の隊員を狙った可能性があるとみて、詳しい経緯を調べている。
県警は同日午前、殺人容疑に切り替えて送検した。今後は、自衛隊の警察に当たる陸自の中部方面警務隊が取り調べを引き継ぐ。
県警によると、死亡した25歳の隊員に対する容疑について、男は発砲の事実を認める一方、殺意を否認している。
捜査関係者によると、52歳の隊員は胸部に2発被弾し、大量に出血していた。
亡くなった25歳の隊員は脇腹を、重傷を負ったもう1人の隊員は左太ももを1発ずつ撃たれていた。
銃撃回数や負傷部位から、男は52歳の隊員を狙った可能性が高いという。
事件のあった14日は4月入隊の候補生教育のうち、4回ある実弾射撃訓練の最終日で、技能を判定する「検定」中だった。
撃たれた3人は射撃の指導役で、いずれもヘルメットはかぶっていたが、防弾チョッキは着用していなかった。
陸自3人死傷、複数被弾の隊員も 候補生、取り押さえ時さらに発射
岐阜市の陸上自衛隊射撃場の自動小銃発射事件で、死傷者3人の中に複数被弾した隊員がいることが15日、関係者への取材で分かった。殺人未遂容疑で現行犯逮捕された自衛官候補生の男(18)は取り押さえられた際にも発射し、現場の壁などに当たっていたことも判明。男は訓練で射撃が始まった直後に銃を撃ったとみられ、県警と陸自警務隊は発射した回数など当時の状況を調べている。県警は15日、容疑を殺人に切り替えて送検するとともに、射撃場の家宅捜索と現場検証を実施した。今後、岐阜県内にある男の実家も捜索する方針。
男は14日午前9時10分ごろ、「89式5.56ミリ小銃」を指導役の陸曹3人に向けて発射した。このうち52歳隊員は胸部、25歳隊員は脇腹をそれぞれ負傷し、運ばれた病院で死亡した。もう1人も左脚にけがを負った。 捜査関係者によると、男は52歳隊員に叱られたという趣旨の供述をしている。死亡した25歳隊員への殺意は否定し、発射を妨げようとしたから撃ったという話もしている。
教官に叱られたと自衛官候補生 小銃発射、事件前のトラブル捜査
岐阜市にある陸上自衛隊射撃場で男性隊員3人が自動小銃で撃たれ、2人が死亡、1人がけがを負った事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された自衛官候補生の男(18)が死亡した52歳の教官に叱られたという趣旨の供述をしていることが14日、捜査関係者への取材で分かった。もう1人の死亡した25歳隊員を狙ったわけではなく、発射を妨げようとしたから撃ったという話もしている。25歳隊員への殺意は否定。岐阜県警と陸自は教官が標的だった疑いもあるとみて、トラブルの有無や当時の状況を調べている。
陸自によると、死亡した52歳隊員が胸部、25歳隊員が脇腹をそれぞれ負傷していた。もう1人は左脚にけがを負った。
発射されたのは「89式5.56ミリ小銃」。入隊時に各隊員に貸与されるもので、単発と連発の切り替えが可能だ。射撃訓練は全5回で、うち4回は実弾を使う。14日は最後の訓練で候補生約70人と、教官ら指導役の隊員約50人の計120人が参加。隊員が銃を装備する上で必要な検定を実施することになっていた。
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