
千葉一家4人殺傷
自らの誕生日名目に居酒屋予約
容疑の元千葉市議、執拗に父母切り付けか
千葉市稲毛区の居酒屋で13日夜、同区に住む一家4人が切り付けられ、幼稚園児の高木彩友美(あゆみ)ちゃん(6)が死亡した事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された母親(42)の兄の元千葉市議、小田求(もとむ)容疑者(46)が自身の誕生会を名目に個室を予約し、犯行に及んだことが15日、関係者への取材で分かった。13日は小田容疑者の誕生日で、会に呼び出した一家をバッグに隠し持った包丁で襲ったとみられる。千葉県警は当時の状況や経緯を調べている。
重傷を負った地方公務員の父親(44)と全治2~3週間のけがをした同じく地方公務員の母親に刃物による複数の傷があることも、捜査関係者への取材で判明。父親には明らかになっている太もも以外にも母親をかばおうとしてできたとみられる上半身の傷があり、母親の手や腕にも防御創のような外傷があった。母親がおんぶしていたとみられる次女(1)も額に軽傷を負った。
彩友美ちゃんの背中の刺し傷は肺に達していたことが既に判明しており、県警は4人を執拗に襲った疑いがあるとみている。
県警は15日、彩友美ちゃんの母親に対する殺人未遂容疑で小田容疑者を送検。ひげを生やしTシャツ姿で千葉西署を出た小田容疑者は報道陣に気付くと、笑みを浮かべながら捜査車両に乗り込んだ。
(2018.5.16.産経新聞)

小田容疑者は平成21年10月の千葉市議補選(稲毛区選挙区、欠員2)に民主党から出馬して初当選を果たし、市議を2期務めた。鉄道会社と同じ読みの「おだきゅう」が愛称だった。
桐朋学園大音楽学部卒。市議選出馬に当たっての報道各社の取材には自身の職業をバリトン・オペラ歌手と答えていた。市議在任中の24年には市内の公民館や四街道市のキリスト教会で開かれたチャリティーコンサートに出演。歌手としても活発に活動していた。
ただ、議会活動では初当選から約1年後の22年11月に「(21年9月に誕生した)民主党政権を受け入れることができない」として同党を離党し、無所属に。2期目途中の25年3月には、父親=当時(66)=をスチール製の棒で殴り、左腕などに全治3週間の打撲を負わせたとして県警に傷害容疑で逮捕され、その後起訴猶予になっている。
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