事件のノンフィクションは当事者の記録が一番面白くワクワクすることは言うまでもありません。
特にこれ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/5f/0dd16495ad2428c7bceab5d4397b4fad.jpg)
武まゆみ様とゆーナイスな女性の書かれた名著、文体とか言い回しがノホホ~ンとしていて、かなりドロドロしている人間の愛欲主従関係が見事にエンタテーメントしまくっています。
表紙のセンスも抜群に良く、だいたいノンフィクションもんは固いデザインが相場なんですが、これ、モロ。武さんの化粧センスでその人となりをバッチリ説明していて、表紙を見るだけで大体の内容がわかってしまうとゆーさりげないカッコよさ!
事件のあらましは↓被告はもちろんヒーロー八木茂さん(当時50歳)です。
本件は、被告が武まゆみ、森田考子、アナリエ・サトウ・カワムラの三受刑者と共謀の上、佐藤さんをトリカブトを用いて殺害し、三億円余の生命保険金などを詐取した事案。
次いで、森田昭さん、川村さんの二人を高濃度のアルコールを摂取させるとともに風邪薬を大量に摂取させるなどして森田昭さんを殺害したが、川村さんについては未遂に終わった事案。および、被告が事件の容疑者としてマスコミに取り上げられていた当時、新聞記者の態度に腹を立てて顔面を殴り、傷害を負わせた事案から成る。
まず、トリカブト事件についてみると、被告は約二年間にわたって、武受刑者らに指示して、連日明け方まで飲酒させたりしたが、佐藤さんが一向に健康を害する気配を見せないことに業を煮やした。長野県の山中に出かけて猛毒のトリカブトを採取。
事前に共犯者との間で謀議を尽くした上、トリカブト入りあんパンを食べさせて殺害し、死体を利根川に遺棄。自殺と見せ掛ける仮装工作をして保険会社のみならず、捜査機関をも欺いて三億円余の生命保険金などを手にした。
犯行は多額の保険金を入手することを動機としており、殺害の態様も、長期にわたり衰弱させた被害者に致死量以上のトリカブトを仕込んだあんパンを食べさせた上、布団をかぶせて押さえつけ、苦しみ抜かせて絶命させるなど、極めて冷酷かつ残忍極まりない。
被告の店で飲酒することが数少ない楽しみの一つであるという孤独な境遇にあったために、保険金殺人計画の標的とされた被害者には何らの落ち度もない。元来、人のよい性格から被告らの術中に陥り、命を奪われた上、自殺に見せ掛けるよう利根川に投棄され、無残な姿で発見された被害者の味わった苦痛と無念さは筆舌に尽くしがたい。
被告は被害者の死後、遺族に偽の遺書を示し、借金と末期の胃がんから自殺したなどと信じ込ませ、平然と葬儀に参加するなどしており、最愛の息子の命を奪われた上、欺かれた遺族の怒りは極めて強く、被告に極刑を望んでいる。
風邪薬事件は、トリカブト事件で味を占めた被告が、独身で近くに身寄りのいない森田昭さん、川村さんの二人を新たな標的と定め、それぞれ森田考子、アナリエ両受刑者と偽装結婚させた。
受取人をこの二人とする多額の生命保険契約に加入する一方、病死に見せ掛けて殺害するため、一年近くにわたって連日高濃度のアルコールを摂取させるとともに、健康食品と偽って市販の風邪薬などを大量に服用させた結果、森田昭さんについては殺害に成功したが、川村さんについては同人が病院に駆け込み失敗に終わった。
誠に人を人とも思わぬ鬼畜の所業というべきだ。薬品関係の書籍を読みあさり、風邪薬やアルコールを凶器として使用し、じわじわと殺害しようと計画するなど、犯罪史上に例を見ない巧妙で悪らつな犯行。森田昭さんは被告らから勧められるまま連日これらを摂取し続け、徐々に衰退して低栄養状態に陥り、肺炎を起こして死亡した。
命を取り留めた川村さんも、連日嘔吐(おうと)を繰り返すなど苦痛を味わった揚げ句、コーヒーに覚せい剤を混ぜた物を飲まされるなどしたため、幻覚、幻聴の症状で警察に保護され、入院を余儀なくされたのであり、保護されなければ佐藤さん、森田昭さんと同様に命を落とす危険は高かった。
被告は犯行の手法を自ら発案。対象とする相手をも選定する一方、三人の女性共犯者には多額の分け前を餌に巧みに犯行に誘い込み、自らはほとんど手を汚すことなく、殺害行為の大部分を共犯者に行わせたもので本件の首謀者。被告の存在なくして本件が敢行され得なかったことは明らか。
被告はトリカブト事件で入手した約三億円もの生命保険金について、根拠不明の貸金と相殺するなどと欺き、共犯者らに百万-三百万円程度の分け前を与えたにとどまり、共犯者にすらこうかつな態度を取っており、反社会的性格や犯罪性向は著しく、刑事責任は共犯者らと比較して格段に重い。
被告は犯行がマスコミに取りざたされるようになるや、厚顔にもマスコミ関係者を、経営する飲食店に集め、連日、有料で記者会見して無実を訴えるなどし、さらに共犯者が公判廷で犯行状況を子細に証言し、犯行が明らかになった今日においても被害者、遺族に対する被害弁償はおろかひと言の謝罪の言葉すら口にしていない。
トリカブト事件では、被害者は利根川に飛び込んで自殺したなどと弁解。虚言を呈しあくまで刑事責任を回避しようと画策しており反省、悔悟の情はみじんもうかがうことはできない。
刑事責任はあまりにも重大で罪刑の均衡、一般予防の見地からも被告を極刑に処することはやむを得ない。(共同通信)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/9f/acffb8d92770157ffbccc9bd4d1e5eec.jpg)
なんてね、事件自体はたいしたこた~ない保険金殺人だったんですが、役者が超一流ぞろいで、当時の報道番組に皆様釘づけになっていたことでしょう。この頃のニュースを全てDVD化して頂きたい!この殺人の全てをい指示したといわれる八木さんの様々なパフォーマンスが心に深く残っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/10/e48be7b4bc86b4548dea25d0a6d2c84d.jpg)
事件の真相は定かではありませんが、この名著は文学界の金字塔であることだけは確かです。
私は斎藤さんにトリカブト入りお菓子と、トリカブトの葉っぱ煮出しコーヒーを毎日与えていたわけですが、その中で、斎藤さんが死にそうになるというハプニングが2回ありました。2回とも、トリカブトが原因で、私がトリカブトの根っこの量の加減を間違ったためでした。その1回目のハプニングのときのことですが、私は本当に斎藤さんが死んでしまうのかと思って、自分が殺人犯になってしまうと思って心底怖くなりました。私は、自分がとんでもない猛毒を使っていること、そしてそのときの八木のうろたえぶりや焦りの言葉から、トリカブトがちょっとの量でも間違ったら、簡単に人が死んでしまうほどの物凄い毒であることを実感したのです。八木のそのときのうろたえぶりは半端じゃなかったし、そんな八木の物凄い形相も見たことがなかった私は、本当にびっくりしてさらに固まってしまったのです。そのときに八木が、異常なくらいに焦ってうろたえていたのは、「どうすんだよ。今死なれちゃ困るんだ。まだ早い、これじゃ保険が下りない。トリカブトが出たらどうすんだよ、トリカブトが出たら困る、これで死なれたら困るんだ。俺の計画なんだから、ちゃんと俺の言うとおりにやれ!」と私に物凄く怒ったことで、わかりました。八木と私は、“びびっているところ”が違う、と感じました。そのときの斎藤さんは、水をかぶったように汗びっしょりで、唇がたらこのように腫れて紫色になって、唇の上下が左右にずれていて、まるで100メートルを全力疾走したかのようにハァハァして、息切れしていました。それでも、そのときは何とか助かって斎藤さんは死なずにすみました。――(本文より)
第1章 16歳から始まった三角~五角愛人関係
第2章 自殺に見せかけたトリカブト殺人
第3章 八木の喜びは私の喜び、2人目の殺人
第4章 びびったガサ入れ
第5章 逮捕、苦しかった否認
第6章 取調室 いいえ事件――そして自白へ
第7章 やっぱり死刑は怖い……
第8章 八木との訣別、そして
特にこれ
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武まゆみ様とゆーナイスな女性の書かれた名著、文体とか言い回しがノホホ~ンとしていて、かなりドロドロしている人間の愛欲主従関係が見事にエンタテーメントしまくっています。
表紙のセンスも抜群に良く、だいたいノンフィクションもんは固いデザインが相場なんですが、これ、モロ。武さんの化粧センスでその人となりをバッチリ説明していて、表紙を見るだけで大体の内容がわかってしまうとゆーさりげないカッコよさ!
事件のあらましは↓被告はもちろんヒーロー八木茂さん(当時50歳)です。
本件は、被告が武まゆみ、森田考子、アナリエ・サトウ・カワムラの三受刑者と共謀の上、佐藤さんをトリカブトを用いて殺害し、三億円余の生命保険金などを詐取した事案。
次いで、森田昭さん、川村さんの二人を高濃度のアルコールを摂取させるとともに風邪薬を大量に摂取させるなどして森田昭さんを殺害したが、川村さんについては未遂に終わった事案。および、被告が事件の容疑者としてマスコミに取り上げられていた当時、新聞記者の態度に腹を立てて顔面を殴り、傷害を負わせた事案から成る。
まず、トリカブト事件についてみると、被告は約二年間にわたって、武受刑者らに指示して、連日明け方まで飲酒させたりしたが、佐藤さんが一向に健康を害する気配を見せないことに業を煮やした。長野県の山中に出かけて猛毒のトリカブトを採取。
事前に共犯者との間で謀議を尽くした上、トリカブト入りあんパンを食べさせて殺害し、死体を利根川に遺棄。自殺と見せ掛ける仮装工作をして保険会社のみならず、捜査機関をも欺いて三億円余の生命保険金などを手にした。
犯行は多額の保険金を入手することを動機としており、殺害の態様も、長期にわたり衰弱させた被害者に致死量以上のトリカブトを仕込んだあんパンを食べさせた上、布団をかぶせて押さえつけ、苦しみ抜かせて絶命させるなど、極めて冷酷かつ残忍極まりない。
被告の店で飲酒することが数少ない楽しみの一つであるという孤独な境遇にあったために、保険金殺人計画の標的とされた被害者には何らの落ち度もない。元来、人のよい性格から被告らの術中に陥り、命を奪われた上、自殺に見せ掛けるよう利根川に投棄され、無残な姿で発見された被害者の味わった苦痛と無念さは筆舌に尽くしがたい。
被告は被害者の死後、遺族に偽の遺書を示し、借金と末期の胃がんから自殺したなどと信じ込ませ、平然と葬儀に参加するなどしており、最愛の息子の命を奪われた上、欺かれた遺族の怒りは極めて強く、被告に極刑を望んでいる。
風邪薬事件は、トリカブト事件で味を占めた被告が、独身で近くに身寄りのいない森田昭さん、川村さんの二人を新たな標的と定め、それぞれ森田考子、アナリエ両受刑者と偽装結婚させた。
受取人をこの二人とする多額の生命保険契約に加入する一方、病死に見せ掛けて殺害するため、一年近くにわたって連日高濃度のアルコールを摂取させるとともに、健康食品と偽って市販の風邪薬などを大量に服用させた結果、森田昭さんについては殺害に成功したが、川村さんについては同人が病院に駆け込み失敗に終わった。
誠に人を人とも思わぬ鬼畜の所業というべきだ。薬品関係の書籍を読みあさり、風邪薬やアルコールを凶器として使用し、じわじわと殺害しようと計画するなど、犯罪史上に例を見ない巧妙で悪らつな犯行。森田昭さんは被告らから勧められるまま連日これらを摂取し続け、徐々に衰退して低栄養状態に陥り、肺炎を起こして死亡した。
命を取り留めた川村さんも、連日嘔吐(おうと)を繰り返すなど苦痛を味わった揚げ句、コーヒーに覚せい剤を混ぜた物を飲まされるなどしたため、幻覚、幻聴の症状で警察に保護され、入院を余儀なくされたのであり、保護されなければ佐藤さん、森田昭さんと同様に命を落とす危険は高かった。
被告は犯行の手法を自ら発案。対象とする相手をも選定する一方、三人の女性共犯者には多額の分け前を餌に巧みに犯行に誘い込み、自らはほとんど手を汚すことなく、殺害行為の大部分を共犯者に行わせたもので本件の首謀者。被告の存在なくして本件が敢行され得なかったことは明らか。
被告はトリカブト事件で入手した約三億円もの生命保険金について、根拠不明の貸金と相殺するなどと欺き、共犯者らに百万-三百万円程度の分け前を与えたにとどまり、共犯者にすらこうかつな態度を取っており、反社会的性格や犯罪性向は著しく、刑事責任は共犯者らと比較して格段に重い。
被告は犯行がマスコミに取りざたされるようになるや、厚顔にもマスコミ関係者を、経営する飲食店に集め、連日、有料で記者会見して無実を訴えるなどし、さらに共犯者が公判廷で犯行状況を子細に証言し、犯行が明らかになった今日においても被害者、遺族に対する被害弁償はおろかひと言の謝罪の言葉すら口にしていない。
トリカブト事件では、被害者は利根川に飛び込んで自殺したなどと弁解。虚言を呈しあくまで刑事責任を回避しようと画策しており反省、悔悟の情はみじんもうかがうことはできない。
刑事責任はあまりにも重大で罪刑の均衡、一般予防の見地からも被告を極刑に処することはやむを得ない。(共同通信)
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事件の真相は定かではありませんが、この名著は文学界の金字塔であることだけは確かです。
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私は斎藤さんにトリカブト入りお菓子と、トリカブトの葉っぱ煮出しコーヒーを毎日与えていたわけですが、その中で、斎藤さんが死にそうになるというハプニングが2回ありました。2回とも、トリカブトが原因で、私がトリカブトの根っこの量の加減を間違ったためでした。その1回目のハプニングのときのことですが、私は本当に斎藤さんが死んでしまうのかと思って、自分が殺人犯になってしまうと思って心底怖くなりました。私は、自分がとんでもない猛毒を使っていること、そしてそのときの八木のうろたえぶりや焦りの言葉から、トリカブトがちょっとの量でも間違ったら、簡単に人が死んでしまうほどの物凄い毒であることを実感したのです。八木のそのときのうろたえぶりは半端じゃなかったし、そんな八木の物凄い形相も見たことがなかった私は、本当にびっくりしてさらに固まってしまったのです。そのときに八木が、異常なくらいに焦ってうろたえていたのは、「どうすんだよ。今死なれちゃ困るんだ。まだ早い、これじゃ保険が下りない。トリカブトが出たらどうすんだよ、トリカブトが出たら困る、これで死なれたら困るんだ。俺の計画なんだから、ちゃんと俺の言うとおりにやれ!」と私に物凄く怒ったことで、わかりました。八木と私は、“びびっているところ”が違う、と感じました。そのときの斎藤さんは、水をかぶったように汗びっしょりで、唇がたらこのように腫れて紫色になって、唇の上下が左右にずれていて、まるで100メートルを全力疾走したかのようにハァハァして、息切れしていました。それでも、そのときは何とか助かって斎藤さんは死なずにすみました。――(本文より)
第1章 16歳から始まった三角~五角愛人関係
第2章 自殺に見せかけたトリカブト殺人
第3章 八木の喜びは私の喜び、2人目の殺人
第4章 びびったガサ入れ
第5章 逮捕、苦しかった否認
第6章 取調室 いいえ事件――そして自白へ
第7章 やっぱり死刑は怖い……
第8章 八木との訣別、そして
以前、再現vかなんかでこの事件を知り
アマゾンで購入して読んでみました
率直な感想は、主観面では
八木に愛されたいがためで
客観的には、だから殺し続けてしまったということ
でしょうか
八木さんの方からも無罪というような本も出てますが
個人的には、拘置所などでかかる曲で
八木を思い浮かべたという冒頭を見ると
もうすでに八木の洗脳は解かれたとしつつも
単に八木への愛に酔ってただけと思えてしまいました
でも、総合的には全体像が分かるので
面白かった部分はあります。
この手記は あまり賢ばっていないので
なかなか面白いリィアルなゴロンとした感じがありまして良かったですね
宮崎勤君の往復書簡みたいなのも 面白い言葉のリァリティがありました 未読でしたらぜひ
手記ものおもしろいなあ。
また、いいのがあったら紹介してください。
貴重な情報ありがとうございます
それにしても八木さん、女3人を調教できたんだから結婚詐欺だけでも十分だったんじゃないんかな~。