ノーベル化学賞を受賞した島津製作所の田中耕一フェローらのグループは8日、わずか血液1滴からさまざまな病気の早期診断ができる技術を開発
がんや生活習慣病などの病気になると、特定のたんぱく質(抗原)が血中に流れるが、微量でも漏れなく捕まえる抗体をつくることに成功した。3年以内を目標に臨床研究の実施を目指すという。
抗体もやはりたんぱく質で、抗原と結合して免疫反応を起こす生体内のアンテナのような役割。従来の抗体は、ほぼ固定された腕の部分に抗原が結合するのを待つような仕組み。田中さんらはバネ状の人工物(ポリエチレングリコール)を組み込み、前後左右に腕が伸びて抗原を幅広く捕まえるよう設計することに成功した。
この結果、多くの抗原をしっかり捕まえることができるようになり、抗原と抗体の結合力も高まった。アルツハイマー病の発症にかかわる抗原を捕まえる抗体にこのバネを組み込むと、従来の100倍以上の結合力を示したという。
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