12月10日に「ミューズの方舟」主催自作スピーカーコンテスト 2017が行われた。
例年、品川区立中小企業センター3階レクリエーションホールで行われている。
レギュレーションは「Scanspeak 5F/8422T01」か「5F/8422T03(Stereo 誌 2013 年 8 月号付録)」一発である。
一般的には5cmユニットと言われているが、6cm級だと称する人もいる。
とは言え、従来では自作派の下限はFostexのFE83系と考えられており、5cmユニットでは十分な低音が出ないと考えられてきたが、外見からは想像もできないほどの低域再生能力を持っている。
一般的なコーン紙型スピーカー振動板はドーナツ型の振動板にセンターキャップを接着する。しかし、5F/8422-T03の振動板は一体成型である。接着面がないので強度が保てる事と、均一の紙厚による振動板としての特性利点がある。
5F/8422T03なら、音楽之友社の方で先日2700円(税込・ペア)で再販されている。
型番:5F/8422-T03
マグネット:ネオジウム
インピーダンス:8Ω
最低共振周波数:118Hz
出力音圧レベル:80db
最大入力:50w
振動質力:1.67g
Q0値:0.53
バッフル穴口径:44mm
ボイスコイル口径 26mm
幾つかの作例についての私の感想や出品者さん達のコメントから重要だと思ったポイントをまとめてみたい。
○内野さん、5F/8422-T03の磁石が取れた。後にエポキシで固定した。それが原因かどうかは不明だがビリつきが出た。(磁石が取れる事例については音楽之友社の方でも把握しているそうだ)
○低能率故に大音量再生をするとかなり発熱するので磁石の後ろに放熱フィンを付けた、という人がいた。
○バッフルに直接固定するのではなくて、四角の板に後ろ側からユニットを押し当てて貫通ネジで固定して、その後に四角の板をスピーカーエンクロージャに固定する方式を取った。(カノン5Dさん)
○「普通のスパイラルホーン」は低域が伸びやかで低域全体が充実していた。2巻+4分の1と、あまりホーンの長さを欲張らなかったのが好結果に繋がったのでは、との評価があった。
○「FLAT-5」という直管共鳴管+屏風型スピーカーは計算値では61Hzだが、実測で63Hzにピークがあり、十分な低音を再生した。
(やはり直管形の低音再生効率は高い。共鳴管の場合、折り返し回数が増えると1倍音の能率が低下していく)
○「ラミ壱号」バッフルとリアバッフルは8mm のアクリル板を使用。シナアピトン合板を円形にくり抜き、積層させてトラスタッピングネジ取り付けている。これが音質賞を受賞した。音はいわゆる美音系である。同じユニットを使った作例の中で、どういうわけだか、他のと比べて美しい音がした。
理由としては、キャビネット素材がアクリルとシナアピトン積層合板という事で、3種類用いられており、素材の持つ固有の響きの複合化や、それぞれの素材の共振点の違いからの減衰率の高さなどが考えられる。
スパイラルダクトによる、バスレフ型固有のポート共振風切音の抑制や、背面からの中高音の漏れの減衰などにより、前面及び背面の音での打ち消し合いが少ない。
などなど様々に考えられる。アクリル単体使用のキャビネットよりも「+シナアピトン」の方が明らかに美音である。
かつてStereo紙が各種木材に内部損失率の計測をしていたが、シナアピトンについて他の木材よりも減衰率が高かった。硬いアピトンと柔かいシナの積層化が美音?に結びつくと考えられる。
追記:エンクロージャー内が円筒形になっている事により、定在波の発生を抑制している、と推測される。キャビネット内の定在波抑制については、斜めに板を渡して設置する方式などの提案がなされてきた経緯がある。
○「来年も5F/8422T03のレギュレーションでコンテストを!」という声が出品者や複数の人から上がる程、5F/8422T03の音声再生能力は高い。
ネットの反響
(参考)
今年のミューズの方舟コンテストのレギュレーションは5F/8422T03または5F/8422T01
http://blog.goo.ne.jp/takaomorimoto/e/3179b98e246c6737224f8fed8fc3adde
Stereo2013年8月号付録スキャンスピーク製スピーカーユニット
http://d.hatena.ne.jp/Takaon/20140603
Stereo誌付録ScanSpeak 5cmを使ったスピーカーシステム視聴体験記
http://d.hatena.ne.jp/Takaon/20140224
例年、品川区立中小企業センター3階レクリエーションホールで行われている。
レギュレーションは「Scanspeak 5F/8422T01」か「5F/8422T03(Stereo 誌 2013 年 8 月号付録)」一発である。
一般的には5cmユニットと言われているが、6cm級だと称する人もいる。
とは言え、従来では自作派の下限はFostexのFE83系と考えられており、5cmユニットでは十分な低音が出ないと考えられてきたが、外見からは想像もできないほどの低域再生能力を持っている。
一般的なコーン紙型スピーカー振動板はドーナツ型の振動板にセンターキャップを接着する。しかし、5F/8422-T03の振動板は一体成型である。接着面がないので強度が保てる事と、均一の紙厚による振動板としての特性利点がある。
5F/8422T03なら、音楽之友社の方で先日2700円(税込・ペア)で再販されている。
型番:5F/8422-T03
マグネット:ネオジウム
インピーダンス:8Ω
最低共振周波数:118Hz
出力音圧レベル:80db
最大入力:50w
振動質力:1.67g
Q0値:0.53
バッフル穴口径:44mm
ボイスコイル口径 26mm
幾つかの作例についての私の感想や出品者さん達のコメントから重要だと思ったポイントをまとめてみたい。
○内野さん、5F/8422-T03の磁石が取れた。後にエポキシで固定した。それが原因かどうかは不明だがビリつきが出た。(磁石が取れる事例については音楽之友社の方でも把握しているそうだ)
○低能率故に大音量再生をするとかなり発熱するので磁石の後ろに放熱フィンを付けた、という人がいた。
○バッフルに直接固定するのではなくて、四角の板に後ろ側からユニットを押し当てて貫通ネジで固定して、その後に四角の板をスピーカーエンクロージャに固定する方式を取った。(カノン5Dさん)
○「普通のスパイラルホーン」は低域が伸びやかで低域全体が充実していた。2巻+4分の1と、あまりホーンの長さを欲張らなかったのが好結果に繋がったのでは、との評価があった。
○「FLAT-5」という直管共鳴管+屏風型スピーカーは計算値では61Hzだが、実測で63Hzにピークがあり、十分な低音を再生した。
(やはり直管形の低音再生効率は高い。共鳴管の場合、折り返し回数が増えると1倍音の能率が低下していく)
○「ラミ壱号」バッフルとリアバッフルは8mm のアクリル板を使用。シナアピトン合板を円形にくり抜き、積層させてトラスタッピングネジ取り付けている。これが音質賞を受賞した。音はいわゆる美音系である。同じユニットを使った作例の中で、どういうわけだか、他のと比べて美しい音がした。
理由としては、キャビネット素材がアクリルとシナアピトン積層合板という事で、3種類用いられており、素材の持つ固有の響きの複合化や、それぞれの素材の共振点の違いからの減衰率の高さなどが考えられる。
スパイラルダクトによる、バスレフ型固有のポート共振風切音の抑制や、背面からの中高音の漏れの減衰などにより、前面及び背面の音での打ち消し合いが少ない。
などなど様々に考えられる。アクリル単体使用のキャビネットよりも「+シナアピトン」の方が明らかに美音である。
かつてStereo紙が各種木材に内部損失率の計測をしていたが、シナアピトンについて他の木材よりも減衰率が高かった。硬いアピトンと柔かいシナの積層化が美音?に結びつくと考えられる。
追記:エンクロージャー内が円筒形になっている事により、定在波の発生を抑制している、と推測される。キャビネット内の定在波抑制については、斜めに板を渡して設置する方式などの提案がなされてきた経緯がある。
○「来年も5F/8422T03のレギュレーションでコンテストを!」という声が出品者や複数の人から上がる程、5F/8422T03の音声再生能力は高い。
ネットの反響
昨日は、ミューズの方舟自作スピーカーコンテストで発表してきました。バタバタで製作した「サムシング」でしたが、まずは無事に鳴ってくれて一安心です。そして、いろいろな方ともお話ができ、とても楽しいコンテストになりました♪ pic.twitter.com/BdGxNtt9mA
— カノン5D @ オーディフィル (@audifill) 2017年12月11日
ミューズの方舟スピーカーコンテスト行ってきました!レゴで作ったバックロードホーンが良い音出していて驚きましたね。バスレフ多段共鳴管+YST回路のカノン5Dさんの作例も低音までしっかり出ていて良かったです。各人の工夫も面白かったですが、今回のユニット、5F/8422T03は結構素が良さそうです
— 工藤 慎之輔 (@amptube6L6) 2017年12月10日
ミューズの方舟 自作スピーカーコンテストに行ってきました。皆さんの力作を楽しませて頂きました。100人くらいの会場で5cmフルレンジ。結構いけるもんですね。素晴らしい。 pic.twitter.com/GM5kqjCVm8
— 荒谷@XperienceStore (@xperience_inc) 2017年12月10日
ミューズの方舟のSPコンテスト
— 太田博之 (@hiro4pikaia) 2017年12月12日
紹介されました!
結果も見れます!https://t.co/xKdzMz9xQ2
(参考)
今年のミューズの方舟コンテストのレギュレーションは5F/8422T03または5F/8422T01
http://blog.goo.ne.jp/takaomorimoto/e/3179b98e246c6737224f8fed8fc3adde
Stereo2013年8月号付録スキャンスピーク製スピーカーユニット
http://d.hatena.ne.jp/Takaon/20140603
Stereo誌付録ScanSpeak 5cmを使ったスピーカーシステム視聴体験記
http://d.hatena.ne.jp/Takaon/20140224
【国内正規品】Scan-Speak スピーカーユニット Discovery 5cm フルレンジ 8Ω ペア 5F8422T01 | |
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