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長岡鉄男語録を考察する。

2017-01-14 19:09:59 | オーディオ
現代に甦る、究極のオーディオ観音力 (ONTOMO MOOK)
音楽之友社



長岡鉄男語録を考察する。
参照元
https://twitter.com/hakobune_bot
括弧内は長岡発言

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「音楽とは音を楽しむことであるという主張がある。
オーディオマニアの中には音楽を聴かないで音を聴いてる人が沢山いる。
自然界の音。雷鳴、風、虫の声。
機械の音。SL、飛行機、騒音等。
多種多様の音を、どこまで忠実に再生できるかがポイント。
生の音と区別がつかなくなるのが目標である。」

実はこの事が最重要であるのだが、メーカー製は重い振動板のユニットを用いるので、原音忠実再生から乖離してしまっている。
さすがにメーカーもまずい事に気がついたのか、近年は小口径多連装という力技で過渡特性を確保する方向にある。

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「メーカーはなぜバックロードホーンを作らないのか。理由は明白である。
外形が大きすぎる、内部構造が複雑すぎる、ユニット構成が貧弱、ユーザーは20cmだったら2ウェイか3ウェイを要求する、音質は一般的なブックシェルフとはまったく異質である。
そこに自作の活躍の場がある。」

バックロードホーンは雷鳴や自然の音や爆発音の再生では圧倒的に優れているが、いかんせん内部構造が複雑過ぎる。
一方、メーカー製ブックシェルフ型は低音を稼ぐために重い振動板のユニットを往々にしてしようする。耐入力は高いのだが、低能率で音の鮮度が感じられない。
長岡BHに代わりうる物の存在として、1回折り返し共鳴管タイプの「ハイブリッドレゾナンス」が存在する。

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「メーカー製のスピーカーがたくさんあるのに、なんで自作スピーカーなのか。
制約が多くなりすぎるからだ。
外形、内部構造、経済寸法、製造工程、音質、価格等々、多くの点で標準を逸脱したものは会社が作らせてくれないからだ。」

自作も自作なりに制約がある。3✕6版の合板から切り出すので、無駄が出ないように板取しなくてはならない。その点、長岡先生はよく考えられて設計していた。
バックロードホーンはどうしても大きくなる。しかも奥行きが深くなる。市販しても一般家庭には置く場所が取れないので、売れないだろう。

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「未来の地球を支配するのはロボットかサイボーグか、クローン人間か、ミュータントかネズミか、ウィルスか、いろいろ空想されているが、一番可能性の高いのは情報だろう。情報が主人公で、手下としてコンピュータとロボットがいる。正に最強。人間は彼らの言いなりになるしかない。」

攻殻機動隊の世界の如く、意識をもった情報体がネットを駆け巡って人類を支配するようになるのではないか。ロボットが喧伝されているが、本当に脅威なのは人工知能だろう。

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「だんだんわかってきたのは、生演奏をそのまま収録したソフトはめったにないということ。最も生に近いソフトとして手元にあるのはDATでワンポイント収録して、CD-Rでコピーしたディスクだ。これを高忠実度のシステムで再生すると、マイクポジションで聴いているような感じになる。」

DATの生録を聞かせて貰ったが、本当に生々しい。市販CDは各楽器やボーカルにコンプレッションをかける。さらにミキシング後にも再度コンプレッションをかける。理由はボーカルが楽曲から浮かないようにする為だというが、生々しい感じは失われてしまう。日本のエンジニアがあまりに音をいじるので、海外では現場から外されてしまう事例もあるとか。

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「僕のリファレンススピーカーは特殊なものである。フルレンジに始まってフルレンジに終るという特殊なものである。多くのメーカーが我が家のBHに驚嘆した。高能率フルレンジを使ったBHの反応の鋭さ。ハイスピード、超高感度、プレーヤーやアンプのわずかな違いを拡大して突きつけてくる凄さがある。」

細かい音を聞き分けができるBHの方が、音楽や聞いたり、映画を見たりしていて楽しい。
巨額の費用をかけて、大口径の重い振動板のスピーカーを使っているユーザーを見ると可哀想に思う。

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お薦めは
Scan-Speak Discovery 10F/8424G00 10cm フルレンジ「8Ω」 もしくは 
Scan-Speak Discovery 10F/4424G00 10cm フルレンジ「4Ω」(バックロードホーン向き)を使った、BHかハイブリッドレゾナンス。

20cm級BHは大きすぎる。10cm級で十分だというのが定説になっている。


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