社長の主張

　中小企業の社長は、自分の会社について「うちの会社は、….」といいながら銀行に説明したり、従業員や仕入先に協力を求めたり、「うちの製品は…」とかいってお客様に説明したりしていますよね。
　
　よく見てみるとバランス・スコアカードでいうところの「四つの視点」ですよね。
　実際は、この「四つの視点」から社長は「自社の姿」を主張しているのです。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　社長は、各利害関係者が充分に理解できるように説明しなければなりません。
なぜって、銀行に融資を頼みに行っても、こういう理由で「設備が必要」だとか、「運転資金が必要だ」とか説明しなければなりませんよね。説明に不十分なところや曖昧なところがあったら、どこの銀行もお金を貸してくれません。
　だから社長は、「四つの視点」から自分の想いや考え方の曖昧さや未成熟なところを整理していくために使うといいのではないでしょうか。

「四つの視点」は、社長の想いや考え方を各利害関係者に対して、「訴える・語る・協力を求める」ものであって、主張するための道具となるのです。

　このようにバランス・スコアカードを見ていくと、よくバランス・スコアカードの教科書で、例えば「財務の視点」では、「株主のために自社はどうあるべきか」とか、「顧客の視点」からは、「顧客に対して自社はどのように行動すべきか」とかという記述がありますが、これは可笑しいなはなしではないでしょうか。