映画と渓流釣り

苦役列車

 微妙な時代の重複があり、感情移入の濃さも微妙です。

劇中、主人公達は昭和42年頃の生まれで現在19歳という事なので、時代は正しく昭和末期。わたくしは社会人3年~4年あたりをウロウロしていた頃です。世の中はバブル景気にまっしぐらであり、暗く閉ざされた時代背景ではありません。主人公は全共闘時代を彷彿させる貧乏で無軌道な生き方をしてますが、唯一の友人はマスコミを目指すあの時代に多くいたススンダ彼女がいる優しい男の子でした。そんな海水と真水が交わるような空間も時間もあったのがあの頃なんだなぁと関心いたした次第です。
そんな時代のそんな若者をさりげなく切り取って魅せることが出来るのは、さすが山下監督ですね。
原作は未読であるため、あまり穿ったことは言えませんが、作者ご本人に限りなく近いのだろうと思われます。何のこと無い毎日の、だらしない男の子を描いて、心の底に寂寥感を感じさせることの出来る感性は矢張りただものではありません。
専門家の評論にも書かれてますが、前田敦子はあの当時の女の子そのものでした。
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