オンナの映画です。
怖いオンナしか出てきません。そうじゃなくてもオンナは怖いと思っていますから、こんな映画観せられたら完全不能者になってしまいます。この映画の一つ目の罪です。
ズルイ男が多すぎます。
貞淑な妻から堕ちてゆくオンナを神楽坂恵が演じますが、タダならいい女お金とるのは変な奴みたいに描かれます。神楽坂恵ならお金出してもいいけれど、とか言うことではなく、男セコイですね。ズルイです。罪です。
物語はいつものようにある程度破綻してます。だからそのことを言い始めても何にもなりません。この映画はオンナが描かれていればいいのだと思うのです。大学の助教授でありながらファザーコンプレックスのはけ口を、夜の下級娼婦になることで体現する富樫真が秀逸でした。本当に怖かった。彼女のお母さん役のおばあちゃん。輪をかけてすごかった。逃げ出したくなりました。前作「冷たい熱帯魚」の時はへたくそだった神楽坂恵の、すさまじい開花振りに目を見張る思いです。裸だけではない武器を手に入れました。園監督との婚姻は肯ける結末です。大変魅力的に撮られています。
この作品、最大の罪は水野美紀だったと思います。何の前知識も無しで観たから、あの水野美紀の喘ぎから始まり全裸まで披露してくれるとは思いませんでした。こりゃまたどうなっちゃうんだろうとワクワクいたしましたが、それきり尻つぼみのまま。描きたいことは良く分かりますが、水野美紀では魅せきれません。富樫の怪演、神楽坂の熱演に比べるとなんとも物足りなさを感じてしまいます。こんな絡み方なら無いほうが物語がすっきりして締まりが出たと思います。
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