映画と渓流釣り

矢口監督どうしたの?

 三浦しをんの傑作を矢口監督が映画にするって聞いていたので、とても期待しておりました。

原作は神去村(集落)のまったりした息遣いが新鮮で、心癒される素敵な作品です。
わたくしの父親は林業で生計を立てておりましたので、山村で生きることの良いところも辛いところも他の人に比べればかなり理解していると思います。
小学校に通う頃には、否応無く手伝いとしてわたくしも山に分け入ったものです。
未明に山奥へ踏み込まなければならない恐怖や、谷底に架かる心もとない丸太橋を渡る時の緊張感が今も鮮明に思い出されます。
それと同じくらいに思い出深いのは、朝日が山肌を照らす神々しい美しさや、昼家族で食べる弁当の旨さ。
チェインソウの破壊音が止んだ瞬間に山全体が奏でる無音の音。
梅雨時の下草刈り、雪積もる斜面の凍てつく冷たさ、春の若葉の匂い、秋の枯れ沢での岩魚獲り。
炭焼きの煙が立ち上る風景が嫌でサラリーマンになりました。
林業に従事したいとは思いませんが、山村の生活が不便なだけのものでないことも確かなことです。

前置きが長くなりましたが、矢口監督らしくない中途半端な作品になってしまいました。
「ハッピーフライト」以降、どれもが消化不良です。
面白い題材にあたらないと能力を発揮できないのかな?
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