多摩爺の「時のつれづれ(文月の29)」
参院選、勝敗を分けたポイント
なんと・・・ 参議院議員選挙の推計投票率が約52%だというから、
前回と比べて約3ポイント上がっている。
全有権者の半分ちょいだから、けっして誉められた値ではないものの
僅かであっても、国民の足が投票所に向かったということは・・・ 悪いことではない。
とはいえ・・・ 元総理の狙撃(殺人)事件を、メディアが取り上げ続ければ、
結果に影響を与え、投票を促したことは間違いないだろう。
投票日の前々日に、元総理が凶弾に倒れてしまい、
経済対策、安全保障対策、さらには双方にかかる財源の問題などで、
活発な論戦が期待された参院選挙に急ブレーキがかかり・・・ 冷や水を浴びせられたが、
このことが、投票行動に繋がったと捉えれば、
元総理の訴えていたことが、結果として国民の心に刺さったということなのかもしれない。
選挙期間中に起こった、あまりにもショッキングな事件だったことから、
与野党ともに民主主義への冒涜であり、挑戦であると・・・ 一斉に語気を強めたが、
翌日以降の報道を見れば・・・ 個人的な思い込みによる逆恨みであって、
狙撃(殺人)そのものが、テロではないかと問われれば、その返答には窮してしまうが、
思想信条などに基づき、政変や国家の転覆を狙った、俗に云うテロ事件とはちょっと違うことから、
これをテロ事件として、一括りにして論じるには・・・ 無理があると思っている。
正直なことを云えば・・・ 元々注目度が低い参院選だったと思っていた。
序盤は、ロシアのウクライナ侵略に絡んだ国防費で、各党の意見がすれ違ったかと思えば、
すぐさま物価高に争点が切り替わり、今度は財源問題で・・・ 各党の意見は大きくすれ違った。
意見がすれ違うと言うことは・・・ 基本的に二択だから、
選挙の争点となり、選挙戦が盛り上がらねばならないのだが、
中盤に入ってからは・・・ 梅雨が明け、想定外の猛暑、酷暑で電力問題に注目が移り、
終盤になると、台風の影響による豪雨で、メディア注目がそちらを移ったところで、
元総理の暗殺事件だから・・・ 「あれっ、終わっちゃったの?」という気がしないでもない。
結果は・・・ いわゆる秒殺であった。
メディアの各局が、政権与党(自民・公明)が、過半数を大きく超えるとしたのだ。
単的に言えば「消費税を下げろ。」といった野党の訴えが、有権者の心に刺さらなかったことだろう。
仮に、消費税を一時的に下げた場合、
その使途となっている社会保障の財源を、いったいどうやって確保するのかという問いに対し、
野党は国債を出せば良いと言っていた。
「ちょっと待ってくれ。」
一時的な経済対策の確保に、国債を使えというのなら分るが、
恒久的に必要な社会保障の財源にするために、目的税化して増税したのが消費税である。
にも拘わらず、社会保障の財源に、国債を発行して賄えということは、
恒久的な財源として、目的税化した考え方そのものが、
そもそも間違っていたと云うことになると思うが・・・ 如何なものだろうか?
だから政府や与党は・・・ 一時的な経済対策に、新たな補正予算(国債の発行)を組み、
なんとかして、この経済危機を凌ごうとしているのである。
お金に色がついてるわけじゃないので、
国債の1万円札も、消費税の1万円も、同じ1万円札であって、違いなどあるはずはない。
屁理屈を言うつもりはないが・・・ 一般的な感覚では、
一時的な経済対策の財源には、国債を発行して一時的な対応を行い、
恒久的な社会保障の財源には、目的税(消費税のアップ分)化して、継続的して対応するのは、
ある意味で当然の判断だと思うが・・・ 間違っているだろうか?
そういった、なんかしっくりこない財源問題に対する不自然さが、透けて見えたこともあって、
国民の多くが、いかにも耳障りの良い「消費税」を減税するというキャッチコピーを、
批判のための批判と受けとめてしまい、支持に繋がらなかったのではなかろうか?
あくまでも個人的な主観になるが、選挙結果を詳しく分析するまでもなく、
その一点で、おおよその勝敗が決まっていたところに、
元総理の暗殺事件が、弔い合戦の様相を呈し、
このような結果として表れたと言っても・・・ けっして間違いではないだろう。
ひらたく云えば、今回の参院選で、勝敗を分けたポイントは、
野党の経済対策(財源の根拠)が、
トンチンカンだったということに尽きると思うが、如何なものだろうか?
経済対策として一時的に必要な財源と、社会保障として恒久的に必要な財源を、
キチンと区別して、どうやって確保するのか、
その視点の違いが・・・ 結果を分けたと思うが、如何なものだろうか?
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6月22日(水)公示 ~ 7月10日(日)投開票
第26回 参議院議員通常選挙 [投票率 52.05%(前回比 +3.25ポイント)]前回48.80
※ 無所属には諸派を含む。
自 民 公 明 与党計 立 憲 共 産 社 民 れいわ 維 新 国 民 NHK 野党計 無所属 合 計
選挙区 45 7 52 10 1 0 1 4 2 0 18 5 75
比例区 18 6 24 7 3 1 2 8 3 1 25 1 50
計 63 13 76 17 4 1 3 12 5 1 43 6 125
非改選 56 14 70 22 7 0 2 9 5 1 46 7 123
合 計 119 27 146 39 11 1 5 21 10 2 89 13 248
公示前 111 28 139 45 13 1 2 15 12 1 89 15 243
増 減 +8 -1 +7 -6 -2 0 +3 +6 -2 +1 0 -2 +5
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