一九七九年十二月四日、火曜日_上_図書室の魔法 ジョー・ウォルトン 東京創元社
今回、私が皆様にご紹介したいのは、 ジョー・ウォルトンの図書室の魔法です。5分という限られた時間で、しかもビブ(リオ)バト(ル)に不慣れな人間にこの本の魅力を語れるとは思いません が、ご心配に及びません。本作品は不遇といって差し支えない状況下にありながら前向きな女性モリ(モルウェナ)がつけている日記の中の(1975年5月1 日と15歳時の)1979年の9月5日~1980年の2月20日の抜粋という形がとられており、この紹介では12月4日火曜日付けの(日記)部分についてお話 するつもりなので短い時間でもきっと大丈夫でしょう。ということで紹介する一冊は図書室の魔法の上巻です。
(79年の)9月から寄宿学校に通っている主人公は12月になって町の図書館で行われるSFの読書クラブに誘われるます。9月からの新生活における彼女 の読書歴から来週のクラブに是非参加してほしいとのタイミングでしたが、今週のテーマこそ、今更図書館でそのテーマに関連する本を借りる必要がないくらい 大好きなテーマが扱われることも分かり、モリは誰にも悟られることなく心の中で残念な気持ちになります。何かアクシデントが一つでもあれば、来週の参加す ら怪しくなるので準備(というか手続き)を粛々と進めますが本音の所では今週のクラブに参加できることを期待せずにはいられない。成績優秀故に滞りなく手続きは 行われ、あっさり来週の会には間に合いそうな状況にはなります。そう、順調にことが運んでいるだけに伸びしろはあまりないはずで今週についてはあきらめ ムード。
基本、彼女は努力を惜しまないし、行った努力に対して結果が伴わなくても冷静に受け止めます。常に変わらぬ潔いその姿・態度に私だけでなく多くの読者が モリに好感を抱くことでしょう。賢い子というのは概して聞き分けが良いものなのでしょうが、大人からすると聞き分けが良すぎる様子を目の当たりにすると素 直に感心している場合でない気がしてくるものです。とは申しましても賢い子を愚かな大人が出し抜くなんてことは大概できなかったりするものでもあります。 モリもその例外に漏れず、子供らしい彼女をみることはなかなかありません。繰り返しになりますが結局、今週の参加に白旗をあげた潔いモリがいます。
何か、勿体ぶった言い回しをしてしまいましたが、というか、したにもかかわらずあっさり結論を告げる感じになりますが、私がこの日の日記を特に紹介したいのは子供らしいモリを窺い知れるからです。この日も物分かり良く日記をしたためていると保護者の署名入りの外出許可証が(今週に)間に合わなかったことを確認した学校の図書室の司書ミス・キャロルが(諸々を確認した上で)保護者代理で今週の読書クラブに付き添いの提案をにっこり笑って申し出てくれました。
モリの記述をそのまま引用致しますが
『不意に優しい言葉をかけられると、わたしは驚きのあまりバカになってしまう。』
なんて、なんてかわいらしいでしょう。普段がクールなのでキャロルさんから、資格審査をされているのとか・素直に喜んでもらえると思ったのに、なんて言われてしまい必死に弁解する様子がこれまた微笑ましい。
つづく
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図書室の魔法 上 (創元SF文庫) | |
ジョー・ウォルトン | |
東京創元社 |
今回、私が皆様にご紹介したいのは、 ジョー・ウォルトンの図書室の魔法です。5分という限られた時間で、しかもビブ(リオ)バト(ル)に不慣れな人間にこの本の魅力を語れるとは思いません が、ご心配に及びません。本作品は不遇といって差し支えない状況下にありながら前向きな女性モリ(モルウェナ)がつけている日記の中の(1975年5月1 日と15歳時の)1979年の9月5日~1980年の2月20日の抜粋という形がとられており、この紹介では12月4日火曜日付けの(日記)部分についてお話 するつもりなので短い時間でもきっと大丈夫でしょう。ということで紹介する一冊は図書室の魔法の上巻です。
(79年の)9月から寄宿学校に通っている主人公は12月になって町の図書館で行われるSFの読書クラブに誘われるます。9月からの新生活における彼女 の読書歴から来週のクラブに是非参加してほしいとのタイミングでしたが、今週のテーマこそ、今更図書館でそのテーマに関連する本を借りる必要がないくらい 大好きなテーマが扱われることも分かり、モリは誰にも悟られることなく心の中で残念な気持ちになります。何かアクシデントが一つでもあれば、来週の参加す ら怪しくなるので準備(というか手続き)を粛々と進めますが本音の所では今週のクラブに参加できることを期待せずにはいられない。成績優秀故に滞りなく手続きは 行われ、あっさり来週の会には間に合いそうな状況にはなります。そう、順調にことが運んでいるだけに伸びしろはあまりないはずで今週についてはあきらめ ムード。
基本、彼女は努力を惜しまないし、行った努力に対して結果が伴わなくても冷静に受け止めます。常に変わらぬ潔いその姿・態度に私だけでなく多くの読者が モリに好感を抱くことでしょう。賢い子というのは概して聞き分けが良いものなのでしょうが、大人からすると聞き分けが良すぎる様子を目の当たりにすると素 直に感心している場合でない気がしてくるものです。とは申しましても賢い子を愚かな大人が出し抜くなんてことは大概できなかったりするものでもあります。 モリもその例外に漏れず、子供らしい彼女をみることはなかなかありません。繰り返しになりますが結局、今週の参加に白旗をあげた潔いモリがいます。
何か、勿体ぶった言い回しをしてしまいましたが、というか、したにもかかわらずあっさり結論を告げる感じになりますが、私がこの日の日記を特に紹介したいのは子供らしいモリを窺い知れるからです。この日も物分かり良く日記をしたためていると保護者の署名入りの外出許可証が(今週に)間に合わなかったことを確認した学校の図書室の司書ミス・キャロルが(諸々を確認した上で)保護者代理で今週の読書クラブに付き添いの提案をにっこり笑って申し出てくれました。
モリの記述をそのまま引用致しますが
『不意に優しい言葉をかけられると、わたしは驚きのあまりバカになってしまう。』
なんて、なんてかわいらしいでしょう。普段がクールなのでキャロルさんから、資格審査をされているのとか・素直に喜んでもらえると思ったのに、なんて言われてしまい必死に弁解する様子がこれまた微笑ましい。
つづく
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