Aがこの部屋に入ってから去るまで三粒のヒマワリの(殻が付いた)種を土の上からくわえて来た。
一粒目はイートイン、二つ目は手付かず、三つ目はテイクアウト。
それから、Aが手付かずで置いていく行動をBとCは過去に何度も目撃してるってことだろう。シンプルに考えるなら、何らかの理由で二粒目を食べるのを避けたってことだろうから避けた何らかをについて考察しろってことか・・・ここまで、考えて思いつくのが
「例えば、二粒目を美味しくなさそうって考えたら次の種に行くのも分かるかな・・・」
プレゼントには程遠い消極的な理由でCの用意したヒマワリの種にケチを付ける形になっていたかも(だからCは希望的観測って言ってたのか・・・)と口にしてから口ごもっていると
「気を使わないで。山雀の食の好み、好き嫌いなんて分からないよね。割る前だったら、殻の形状など割り易さによる選別とか考えられるけど。
むしろ、出入口一カ所の空間にヒトだらけだし、何かしら驚くことがあったのかもしれない。でも逃げるほどでもなかったから二粒目を単純に放棄したとか。
数学の問題を解いている途中に何か嫌なことが頭を過ったりしたら難易度に関係なく辞めちゃうこともあるじゃん。※さっきみたいに
とにかく、Aの気持ちなんてAに聞かないと分からないと思う。」
とC。
「あの鳥、山雀っていうんだ! 器用に殻を割って、中の実?種?を食べる様子に感動した。」
とD。Aが山雀という鳥の種類と分かった流れでA以外もたくさんの鳥が来るのか、手すりの止まり木や植木鉢に置かれたヒマワリの殻付き種など如何にCの部屋に野鳥たちが訪れるようになったかなど尋ねたい、その前にDがここ居る経緯を正直に話すチャンスだと喋ろうとしたら、しばらく黙っていたBが
「そっか! それよ、AはCが殻を割れないと思って、割ってってくれてたんじゃないかな(とか)」
それぞれ異なるニュアンスで呆気にとられ、リアクションできないCとDであったがDの手にある数学一式を指差したBは小卓にスペースを開け、ドア近くの板間部分に正座したままのDを手招き。呼応するかに立ち上がったCはカップを一つ持って戻って来た。
山雀の話やテスト勉強をする時間はたっぷりある。
(Dの)カップにお茶が注がれていると窓から屋内に影が走り、カタっと(大きくない)音が(した)。
(おしまい)
テーブルには温かい飲み物が入った三つのカップと勉強道具一式。食べ物は主にテーブル下C脇に移動している。
カタっと音がした窓から一羽の山雀が入ってきて、ヒマワリの種一粒をテイクアウトして部屋を後にした。
ずっと一羽を目で追っていたDに対して二人は一瞥しただけ。何事もなかったようにBがCにある数学の問題について説明を始めた。
開いている参考書やノートの流れから妥当である。あるが、
「山雀って鳥が部屋に出入りすることは珍しいことじゃないの?
『AはCが殻を割れないと思って、割ってってくれてたんじゃないかな』って説明はないわけ!
そもそも、私が一緒に勉強するに当たって、質問は?
私からは静かにってジャスチャーや座ってのジェスチャーに進んで素直に従っている間に尋ねたいことがたまっていく一方なのに・・・」
「学生の本分ってのも大きいけど、A以外の山雀はそれほど人馴れしてるわけじゃなくて・・・」
ってことで、累積しているDの尋ねたいことを中心に つづく
へtxetotextへ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます