「たにぬねの」のブログ

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textotext_13_ロケットとエレベータ_i

2021-03-21 12:03:35 | texto
リユースロケット@某超高層ビル@アジア超大国

 忌々しい建造物だと実行者は感じる。明後日位からは誰でも入れるらしいが昨日今日明日は新築超高層ビルのオープニングセレモニーの中でも特別期間とかで招待された人間しかビルの中には入れないそうだ。
 それでもビル街では大盤振る舞いなサービスを含んださまざまなイベントがセレモニー主催者側によって行われることもあり、今日みたいにビルに入ることができなくても見物、観光客でビル周辺および街全体は賑わっている。
 実行者はとても視力がいいのか、目など体のあちこちに何らかの細工をしているのか、その視線はアジアの超大国に建てられた高さ2000mを超える現・世界一の高さを誇る新築超高層ビルの天辺にあるロケットを視界にしっかり捉えていた。
 ビル屋上に存在するロケットとは昨日の午後、北米超大国から地上数百㎞にある熱圏を通って、やって来たリユースタイプのロケットだ。

 世界的IT企業の創始者が起業した民間の宇宙開発会社のロケットで、これまでに海上の大型船舶への発着陸、国際実験衛星への物資補給、同衛星の交替宇宙飛行士の運搬、役割を終えた人工衛星の大気圏突入誘導、北米超大国首都にある超高層ビル発着陸実験などなど、使い捨てでなく繰り返し使用ロケットとして100回を超える実績を積み上げてきた。
 今回、最後のご奉公として二超大国間をまたがる宇宙飛行を行い、今後は終点であるアジア側ビル屋上で民間宇宙開発のシンボルとして第二の役目を担う予定ということだ。
 今も外から眺めるに過ぎないにもかかわらず新築超高層ビルと永久着陸した有名リユースロケットを一目見ようと多くの人々が入れ替わりつつ、ビル周辺に集まっている。そのような周囲の盛り上がりとは真逆に実行者のイライラは募っているらしく、ロケットから視線を落とす。ロケット直下のやや出っ張った構造、高層建築物お約束の展望フロアだ。今日は朝からフロア全体で宇宙開発のシンポジウムが行われているらしい。

 派手さや華やかさのみならず、アカデミックな雰囲気を演出するイメージアップも欠かさない、したたかさに怒りに似た感情も上乗せし、実行者は展望フロアからさっさと視線を外すとピカピカの外装外壁に沿って視線を落としていく。やがて、特に特徴のない地上100m付近で視線をとめた。手をかざして、そのまま数分程度みつめると、この辺にミサイルでもぶち込んだら・・・・・・的な音にはならない唇の動きをした。
iiへつづく

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