山口拓夢・「短歌で読む」シリーズ紹介

哲学者かつ神話学者・山口拓夢の著書を紹介します。

「短歌で読む哲学史」から数首④

2025-02-14 08:00:12 | 哲学の短歌
◆あるということ、つまり「存在」をどうとらえるか

ここでは、ハイデガーとニーチェを見比べて、「有るとは」説
を考えてみましょう。
 ニーチェの場合
「万物はみな自らを乗り越えて より強くなる意志を備える」
これは、「力への意志」説と呼ばれて、ニーチェの主要な教説です。

ニーチェは、未完の主著「力への意志」という本で、
「存在の本質は、力への意志である」と言い切っています。

ハイデガーは、ニーチェを最後の形而上学者、と呼んだり、
存在を人格化するミスをおかしている、など結構、
悪口を言っていました。
その実、ニーチェの著作を熱心に読み、
その後継者を自認していたことは、ハイデガーを読めばわかります。

 ハイデガーの場合
「ものごとを立ち現わせる 在るという はたらきに目をじっと凝らそう」
ハイデガーは、自分で考える存在者が、どう生きるべきか
主著「存在と時間」で描き出し、実存思想で一世風靡しました。
その後、「存在論」にくりかえし挑戦し、ものごとは、「ある」という開けた場所で、
ようやく成り立つ、と説明しました。

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