1位『NO.10』
アレックス・ファン・ヴァーメルダム監督
鑑賞日時:4/28
鑑賞映画館:新宿シネマカリテ
鑑賞したことを黙っておくべき作品がベストとなってしまった。それは観たことを後悔したのとは全く違う。過去に映画を観た後に後悔した作品だとパゾリーニのリバイバル上映鑑賞くらいしか思い出せない。
主人公である平凡な舞台役者が劇団全体で芝居の稽古をしている。やがて劇団仲間の女性との不倫の顛末が物語として静かに進んでいく。途中からおかしな伏線が次々と張られてきたなと気づく。さらに怪しげな人物たちが絡んできたあたりから徐々にサスペンスの様相を呈してくる。そして終盤からとんでもない展開となり、特にラストは観てて開いた口が塞がらないくらいの衝撃で終わってしまう。もうここまでしか話せない。やはり黙っておくほかない。
…それならばともう少し抽象的な解釈表現が許されるならば、この作品の要諦とは、様々なメタファーに彩られた物語前半では無神論者に原罪を背負わせ、通過儀礼を熟成させる。時間をかけてしっかりと仕込みを施し、後半ラストのガラガラポンでカタルシスが一気に放出される。この映画監督はただものではないと改めて再認識をした。
それではなぜベストムービーなのか?信じられないかも知れないけど鑑賞後の不思議な爽快感が凄まじくて、今でも余韻として生々しく蘇ってくるのだ。再鑑賞したい。
外国映画を振り返れば最大のトピックは『デューン砂の惑星』が更新されたこと。スケールのデカさでは今のところ21世紀
一番ではないだろうか。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品は追っていきたい。以下5位までを書き記しておく。
2.デューン砂の惑星PART2 ドゥニ・ヴィルヌーヴ
3.ジョーカー フォリ・ア・ドゥ トッド・フィリップス
4.シビル・ウォーアメリカ最後の日 アレックス・ガーランド
5.コット、始まりの夏 コルム・バレード