鑑賞日時:11/19(土)10:40
鑑賞映画館:新宿バルト9
日本公開からとうに旬も過ぎたときにやっと観に行けた作品なので簡単な感想としたい。
評判が良くないと聞いていたが、とんでもなく面白かった。アーサーもジョーカーもその存在ぶり(実存)を堪能できた。やはり擁護しなければいけない作品。
法廷劇の最後で「ジョーカーはいない」と呟いたのは誰だったのか?ジョーカー自身ではなかったのか?つまりアーサーの中にジョーカーがいたのではなくジョーカーの中にアーサーがいたのだ。パドルズ(リー・ギル)のアーサーの方が良かったというような証言でジョーカーは不意に動揺してしまった。しかし世を忍ぶ仮の姿(アーサー)で社会をうまく過ごすことができていたのにどうせ仮の姿でも社会から疎外されるのだったら真の姿であるジョーカーのままの方がいい。そう解釈すれば冒頭のアニメシーンも衝撃のラストも納得がいく。(前作の『ジョーカー』だけではなく『ダークナイト』も合わせて振り返ってほしい)
作品の基底となるミュージカルパートが『ラ・ラ・ランド』(2016年)よりも楽しめた。歌がいい。ダンスがいい。選曲もいい。バート・バカラックの『Close to You』(カーペンターズ)をリー・クインゼル(レディ・ガガ)が歌う。ビージーズの『To Love Somebody』を二人が歌う。ビージーズとしての往年のギブ3兄弟の姿が思い浮かぶ。(もちろんリアルタイムではないけれど…)今はもう長男バリー・ギブしかいない悲しさ。つい映画作品の話しから逸れてしまった。
幕引きもいい。あれならヒース・レジャーの時のようなジョーカーが再度出現する可能性も残されているように期待ができる。