〇 パソコンが熱くなる症状、CPUの温度を測って使用場所や設置方法を見直そう。
パソコンの症状。
パソコンが熱くなったり、CPUファンの回転が速くなったりする。
CPUは、動作すると発熱し、高温になり過ぎると壊れてしまう。CPUはそれを防ぐためサーマルスロットリングという機能を持つ。仕様で定められた温度まで上昇すると、CPUの性能を落とし温度を下げる仕組みだ。
この機能が有効になると、パソコン本来の性能を発揮できない。そこで、CPUの温度を細かくチェックし、吸排気口の状態を確認しておこう。
CPUの温度を計測する。
CPUの温度は「CoreTemp」というフリーソフトで確認できる(図1)。「Tj.Max」の値は、サーマルスロットリングが有効になる温度。最大温度がその付近まで達していたら、サーマルスロットリングが機能し、性能が低下していると考えよう。
Θ CPUの温度をフリーソフトでチェック。
図1、「CoreTemp」は、動作中のCPUの温度を表示するフリーソフト。現在の温度や最大温度を記録して表示する。また、CPUの設計上の限界温度「Tj.Max」(Tjunction Max)の温度も分かる。
多くのパソコンは冷却ファンでCPUのヒートシンクに風を当てつつ、熱を排出する。設計上、通常の利用方法では問題ないが、パソコンの底面や側面、背面などにある吸排気口をふさいでしまうと、内部に熱がたまる。結果、CPUの温度も上昇しやすい。そのため、クッションや布団の上など、吸排気口をふさぐものの上での使用は厳禁。満足な性能を発揮できない。試しに吸排気口をふさいだところ、2割以上もCPUの性能が低下した(図2、図3)。
Θ CPUが高温になるとどうなる?
図2、パソコンの吸排気口を養生テープでふさぎ、ベンチマークソフト「Cinebench」でCPU性能を測定した。
図3、吸排気口をテープでふさぐと、CPUの最大温度がTj.Max付近まで上昇した(左)。そのため、ベンチマークの結果は2割以上も下がった(右)。
吸排気口にゴミやほこりが詰まっていると、冷却効率が下がる。吸排気口はこまめに掃除しよう(図4)。また、スタンドを使いパソコンの底面を持ち上げるのも有効。吸排気に十分なスペースが生まれ風通しが良くなり、冷却効率がアップする。
Θ パソコンの吸排気口の状態に気を配る。
図4、吸排気口が詰まっていると、効率良く冷却ができない。定期的に掃除しよう(左)。スタンドなどを使い底面を浮かし、空気の流れをスムーズにするのも効果的だ(右)。