〇 間違いだらけの液晶ディスプレイの拭き方、ティッシュペーパー・アルコールはNG。
液晶ディスプレイはほこりや指紋が付きやすく、汚れたままだと画面が見にくいし不快だ。汚れが目立つ前に掃除をしよう。その際に注意したいのはやり方だ。誤った方法だと、かえって見にくくなってしまう。
やりがちな失敗はティッシュペーパーで拭くこと(図1)。ティッシュは繊維が硬いため、ディスプレイを拭くと表面を傷付けてしまう。アルコールで拭くのも基本的にはNG。アルコールが付着するとコーティングが剥がれたりシミが残ったりすることもある。
図1、液晶ディスプレイは繊細なので、掃除の方法も注意が必要だ。ティッシュペーパーのように繊維が硬い紙で拭くと、表面に傷が付く恐れがある。水道水を含ませた布で拭くと拭き跡が残るので、かえって汚くなってしまう。アルコールが付着した布で拭くと汚れは落ちるが、液晶表面のコーティングを剥がしてしまう。
このようにディスプレイの掃除は制限が多くて厄介だ。ここで正しい方法を身に付けよう。
ディスプレイの静電気がほこりを吸いよせる。
まず掃除の基礎知識として、液晶ディスプレイが汚れやすい理由を知っておこう。ディスプレイの表面は常に静電気を帯びている状態で、空気中のほこりを吸い寄せる性質がある。ほこりが水分を含むと固まってしまい、簡単には落とせなくなる。たばこのヤニやスプレーの水滴、油などもディスプレイを汚す原因になる(図2)。
Θ 液晶ディスプレイが汚れやすい理由。
図2、液晶ディスプレイは表面が常に静電気を帯びた状態であり、空気中のほこりを吸い付けてしまう。たばこのヤニやアルコールスプレーの水滴なども付きやすい。誤って手で直接触れた場合は手の脂や指紋が付着する。
正しい拭き方は図3の通り。汚れの度合いによって対策が異なる。軽度な汚れはエアダスターと布での乾拭きで落とし、重度の汚れにはクリーナー液を使った本格的な掃除をする。
Θ ディスプレイの正しい拭き方5カ条。
図3 ディスプレイを拭くときは5つの約束事がある。汚れ方に合わせてその1~その4までを順に試すとよい。アルコールで拭くとディスプレイを傷めるので使用は避ける。
日ごろのお手入れにはエアダスターを使い、ディスプレイ全体に吹きかけてほこりやちりを落とす。その後にクリーニングクロスなどで指紋を拭き取る(図4)。クリーニングクロスがなければ、不織布やコットン、マイクロファイバーのタオルでもよい。
図4、ディスプレイに付着したほこりを取り除くなら、市販のエアダスター(またはブロアー)を使って吹き飛ばすとよい。エアダスターは1本500円程度で購入できる。液晶ディスプレイは、柔らかく乾いた布で軽く拭く。不織布やコットン、クリーニングクロスなどを使うとよい。
水拭きをする場合は精製水をクリーニングクロスなどに含ませて拭く(図5)。精製水は特別な方法でろ過した純度の高い水で、不純物を含まないので拭き跡が残らない。精製水を布に含ませて固く絞ってから拭く。
図5、図4の方法で汚れが落ちないときは精製水を使った水拭きをしよう。クロスなどを少し湿らせて固く絞ってから拭き、ディスプレイに残った水滴を乾いた布で拭き取る。精製水は500mlが120円程度で購入できる。
頑固な汚れには中性洗剤 市販品なら界面活性剤を使う。
頑固な汚れを落とすには薄めた中性洗剤が効果的だ。中性洗剤は家庭用の洗剤を精製水で100倍程度に薄めればよい(図6)。市販のクリーニング液を使うなら主成分に注目。「界面活性剤」が含まれている製品を選ぶ(図7)。界面活性剤は中性洗剤にも含まれる成分で安全性が高い。
Θ 中性洗剤は薄めて使う。
図6、図5の方法で汚れが落ちないときは、家庭用の中性洗剤に精製水を加え、100倍程度に薄め。
Θ クリーニング液を使うときは注意。
図7、市販のクリーニング液を使うときは、成分に「界面活性剤」が含まれているものを選ぶとよい。これは中性洗剤に近い成分の溶液で危険性は低い。なお、液はディスプレイではなくクロスに吹きかけて使う。
きれいになったディスプレイのアフターケアも大切だ。市販の除電ブラシを使って静電気を除去する(図8)。液晶保護フィルムを貼ればディスプレイをきれいなまま維持できる(図9)。
Θ 仕上げは静電気の除去。
図8、ディスプレイの汚れを落としたら、帯電防止機能がある除電ブラシを使ってたまった静電気を取り除く。ほこりの再付着を抑制できる。
図9、ディスプレイがきれいになったら液晶保護フィルムを貼るのも手だ。ほこりや指紋が付きにくくなる。