ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

M★A★S★H

2008年03月24日 | 誰も逆らえない巨匠篇
ここまで戦争を不真面目に扱った映画も珍しい。朝鮮戦争における移動野戦病院(MASH)で働く外科医たちのお話であるが、このドクターのみなさんやる気があるのかないのかさっぱりわからない。マティーニは飲むわ、のぞきはするわ、ゴルフはするわ、芸者遊びはするわ、アメフトはするわ。重傷を負った兵士たちの手術シーンが途中に挿入されても、緊張感というものがまるで感じられない。手術途中でも帰国命令が出るやいなやメスを放り出してしまう無責任ぶりにはもうあきれるしかない。もしも戦争経験者がこの映画を見たら、きっと怒り出すにちがいない。

戦争の憂さを忘れるためわざとふざけているような殊勝な演出ではなく、はなっからマジメにやるつもりのまったくないドクターたちは、ここが戦場であるという意識が頭からすっぽり抜け落ちてしまっているのだ。おふざけの最中にMASHに担ぎ込まれてくる重傷の兵士や、戦意を高揚させるため?のふざけたプロパガンダ映画予告、そしてFM東京で流される場違いな歌謡曲。どこもかしこも見ている方が申し訳なくなるぐらいのブラックネタでおおいつくされ、「こんな戦争マジにやるだけバカらしいぜ」というアルトマンの声が聞こえてきそうなとんでもない反戦映画である。

監督 ロバート・アルトマン(1970年)
〔オススメ度 

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 誘惑のアフロディーテ | トップ | ファストフードが世界を食い... »
最新の画像もっと見る