つらつら日暮らし

約300字で仏教(48)

以前、拙ブログでは天台智が記した『天台小止観』を参究したが、それはさておき、この著に気になる一節があった。

仏のごときは、功徳・智慧をもって衆生を度脱して涅槃に入らしむるを事となす。魔もまたかくの如く、常に衆生の善根を破壊して生死に流転せしむるをもって事となす。
    「覚知魔事 第八」


仏は、衆生を良い方向に導こうとして、常に精進してくれているのだが、同じように魔も衆生を悪い方向に導こうとして、常に精進しているということである。ヤツらも頑張っているのだ。天台智という方は、人間の本質に善と悪とが両方具有されているとしており、それは仏であっても例外はないとした。その観点からすれば、魔を知り悪を知ることこそ、仏を知り善を知ることになるのだろう。

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