「日本の物づくり」と言われて久しいが、最近あるYoutube を見てその原点がどこにあったのか見えたような気がした。
私は20台の頃アメリカにいて、よく耳にしたのがホンダ、ダットサンの誉め言葉であった。そしてつい最近まで中国で17年間生活したが、そこで日本は凄い、車、電子機器、炊飯器そしてウォッシュレット等など凄い凄いと言われていた。
そんな日本の物づくりが何故すごいのか、あまり考えてことがなかったが、先日見たYoutubeのビデオは、200年の古民家を買って、改築するものだが、番組を見てふっと思った。
その方は大工を専門とする方であったが、古い廃材を使って削って、ホゾあけ、柱を組立る伝統構法だった。家のレベルが傾いていると石場構法と言うのだろうか、土台の石の面に合わせ柱を立てた。そして寸法通り切った材木を組み立てるとピシャっと綺麗にはまる、まるでマジックを見ているような気さえ覚えた。彼のやっている技術は伝統構法で薬師寺、東大寺へさかのぼるものだ。勿論最近の在来工法と組み合わせたハイブリット工法ではあるが。
彼の、今ある材料で改築を進める発想の豊かさと、その仕事への集中力は建築素人の私をすっかり魅了した。そして思ったのは、彼の仕事ぶりは、仏教伝来から始まる社寺仏閣の建設から受け継がれるもので、日本文化の中で育まれたDNAではないかと思った。だから日本人の血の中には、働く場所が異なっても仕事への集中力、改善、努力を黙々と進める血が流れているのだろう。
例を挙げれば種子島の銃、二次大戦のゼロ戦、新幹線、車等など、日本の小さい物づくりの会社から大会社まで、補足するが町のラーメン屋さんも、このYoutube 中のような人たちが支えているのではないかと思った。
日本の仏教の普及率は低いが、この社寺仏閣の建設を通じて培われたDNAは今でも広く日本人の体を流れているのではないかと思った。