『三樂録』

「善樂」「健樂」「長樂」の探究軌跡。時は満てり、これでいいのだ。

青森行

2024年09月29日 | 探訪記

青森行 9月8日(日)から9月10日(火)列車の旅 津軽と下北の二大半島を巡る

第一日目、常磐線水戸駅AM9:19発「ひたち3号」で仙台へ。初めての列車の旅、ゆったりと過ごすことができた。水戸駅で駅弁「常陸牛と山の恵み弁当」購入、車内昼食で郷土の味を堪能。仙台駅からは、東北新幹線13:53発「はやぶさ23号」で新青森駅まで、15:29予定通り着。

 

ここからは陸路バスで津軽半島「龍飛岬」へ。灯台へ着いたのは17:00を過ぎ、日本海に夕日が沈み始めていた。天気良好で、北海道の函館も見え、海峡を一望する絶景。

秋の暮れ、龍飛灯台では、影が長かった。

 

今宵の宿は、灯台から五分もかからない龍飛崎温泉「ホテル竜飛」。

夕飯はホタテ料理が多い。

 

第二日目も天気良好、むつ湾フェリー蟹田(かにた)港から乗船し、下北半島の脇野沢(わきのさわ)港へ。すぐにチャーター遊覧船に乗り換え秘境仏ヶ浦(ほとけがうら)上陸。

 

極楽浄土を思わせる神秘的な世界。白緑色の奇岩が約2㎞にわたり連なる。大自然が作り上げた巨大な奇岩群の圧倒的なスケールと美しさ。佐井(さい)港で下船。

 

大間へ。

今回の旅の一番期待。本州最北端の地での昼食は、絶品大間マグロ丼と陸(おか)マグロ(大間牛)のすき焼き。

食後は近くの大間崎へ。本州最北端の碑の前で、北海道箱館山の展望台まで見える絶景を収め、「まぐろ一本釣の町おおま」のモニュメントの前で記念撮影。

 

日本三大霊場「比叡山」「高野山」そして「恐山」。「恐山 心と見ゆる湖を 囲める峰も 蓮華なりけり(桂月)」と詠まれる「恐山」へ。エメラルドグリーンの絶景の宇曽利湖(うそりこ)を中心に八峰がめぐり、あたかも花開く八葉の蓮華(れんげ)。

空は高く 夕日傾き たくさんの石積みの供養

 

呼び込まれるように 声が聞こえそうな恐山

 

太陽が沈みかけるなか、今宵の宿、本州の北端名湯斗南(となみ)温泉「むつグランドホテル」へ。

ホテルの廊下には歴史が掲示。1868年(明治元年)、戊辰(ぼしん)戦争で朝敵の汚名を着せられ廃藩。所領をすべて没収、会津松平家は松平容保(かたもり)の子である月、容大(2歳)を藩主として家名存続を許された。 28万石から3万石まで格下げされ、新領地として斗南(となみ)の地(現在の三戸、上北、下北の3郡と岩手県の一部)が与えられ、斗南藩となった。大変厳しい処分であり、明治3年5月、藩士や家族17,000人の移動。長い年月を費やして斗南の地に降り立つ、入植した藩士たちの生活は困窮を極めた。

会津藩について学び、斗南藩には興味があり、訪れてみたいと思っていた地なので、うれしかった。天皇家からは大変信頼をされていた松平容保。時の流れで朝敵となり、想像を絶する境遇にまでおとしめられた。時勢(じせい)とは怖いものだ。

 

「けいらん」は、秋仕舞いのごちそう。椀の蓋を開けると、白い卵形の団子が浮かんでいる薄味のすまし汁、団子が鶏の卵のように見えることから「けいらん」の名。

斗南温泉は美人の湯と称され、肌にやさしくぬるっとした泉質で、女性に人気のアルカリ性単純泉、朝日を浴びた妻はとてもまぶしかった。

 

最終日も天気良好。尻屋崎(しりやさき)灯台へ、途中寒立馬(かんだちめ)に遭遇。


尻屋崎の岬の先端に広がる秋の原に 潮風に晒される寒立馬

 

帰りの新幹線乗車駅「八戸」へ。昼食は「八食センター」で海鮮丼。八戸港で水揚げされた新鮮な魚介類や、生鮮野菜、県南地方の物産やおみやげなどがそろう巨大市場。全長170mのビッグストリートに、約60店舗が軒を連ねる。

お土産は、ホタテと生イカ。

 

八戸駅発15:06はやぶさ32号で仙台駅へ。仙台からは18:02発ひたち30号。車内で仙台駅で購入の駅弁「牛タン弁当」。話の種に「ずんだシェイク」、冷たくてとてもおいしかった。旅を締めくくるのにふさわしい夕食となった。

水戸駅には21:26着。

三日間好天に恵まれ、高き碧空の下、初秋を楽しんだ旅に感謝。

 

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