ドル円と対米ドルのチャートには滅多にお目にかかれない程の長い髭が残されている。
トランプ氏勝利の場合には、リスクオフ方向に大きく動くと想定されていた。
ドル円で言えば、少なくとも数時間の間、何回かに渡って100円割れ、95円に向けた下攻めがあると多くのアナリスト(私も)は想定をしていた。
確かにリスクオフの動きにはなったが、想定外だったのは、当確の前後からV字回復をしてしまった事。
振り返ってみれば、例えばシカゴ先物投機筋に代表される通貨取引の建て玉はパンパンに円ロングに傾いた状況の中で選挙を迎えていた。
トランプ勝利によって追加で円ロングが造成されたものの、更なる資金投入は限界に達し、むしろ、利食いの動きによってストップを巻き込んで急騰した…、という事であろう。
「トランプ氏の新政策への期待感から相場は回復した…」、とアナリスト達は一様に解説しているが、それは後出しジャンケンである。
先週のシナリオでは、トランプ氏勝利の場合はドル円100円台から買い場、ユーロドルは1.1139越えから売り場探しを計画していた。
ユーロドルは売れたが、ドル円は買い損ねた。
重要な分岐点でのV字回復により、相場は反転した可能性が高くなった。
但し、ここからの高値追いはいつ梯子を外されるか分からない状態にあり、トレードとしては神経を使う。
スイングでは十分な値幅調整を待ってから仕込みたい。
14日はスーパームーンで、いつになく大きな変動や地震には注意が必要。
USDJPY (日足)
エリオット波動ではC波(上昇)が既にスタートしているという公算が益々強くなった。
但し、チャートは壊れているのでトレードするには難しい。
このレベルから更に買い進むには、急落への恐怖が常に伴う。
当面は短期トレードで回転を効かすしかない。
スイングロングは十分な値幅調整を待って買い場を探したい。
下値目途は、101.18からの上昇時に付けた押し安値レベル104.95-105.00、半値押しの104.00-05、
窓上103.72、押し安値102.99、11/3安値102.54と76.4%押しが重なる102.50レベル。
一方、目先の上値目途は106.93-107.00、前回高値107.48。
107.00をブレイクしても買いは超短期トレードとし、むしろ試し売りにチャレンジする価値はあるかも。
下落に加速がつくと予想外の値動きをしかねないので十分に注意が必要だ。
EURJPY (日足)
日足ベースでは、トライアングル(赤点線)を上方向に抜け出し、前回高値116.36にタッチしている。
様子見。
EURUSD (日足)
注目していたライン②、ライン③、ライン1.1121が重なる重要ポイントを一旦は大きく上抜けたが直後に失速し、結果的にダマシになった。
その反動で、先月安値1.0851を下抜けるまで急落して越週。
これほど相場が荒れてしまうと、先行きの展開が読みづらい。
スイングでは、充分な戻りを待ってから売り場探しをするしかない。
下降トレンドライン②までの戻りがあれば安心して売れるが、果たしてそのレベルまで戻してくれるのか?
下方向には強いサポートゾーン1.0777-1.0822があり、一挙に下抜けることはできない。
ボラティリティが大きい間は、短期回転のトレードが有効と考える。