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ギリシャぶらり旅④

2024-12-27 | 旅行

12月12日 ギリシャ4日目

今日は、3泊したアパートNikis 20 Suite を離れ、バスでスパルタまでいき、オリンピアの手前ピルゴスまで行く。明日の夜には、またアテネに戻ってくるので荷物を預けることにする。コインロッカーのようなものはないが、荷物を預かってくれるBounceというサービスがあり、アプリで予約。バスが6時30分で、帰りが21時くらいなので、24時間受付のところを探す。すると、モナスティラキ広場の近くのホテルがヒットした。時差ボケが続いており、夜10時には寝てるので、4時ころ目が覚めた。なので、余裕で5時10分にシンタグマを出る。モナスティラキ広場まで15分くらい。場所は、Atene Safety Hotelで、なるほど24時間オープンのフロントがあるホテルがに有料預かりをしているのだ。支払いはアプリで行われ、1日4.5€、手数料3€で、2日で12€。便利かつリーズナブルである。フロントのおじさんとの受け渡しは簡単に終了。そして、バスターミナルに向かう。

アテネでは長距離バスは2つあり、どとらもオモニア広場から路線バスでいける。モナスティラキ広場からオモニアへは歩いても10分くらいだが、地下鉄で向かう。この地下鉄は1869年に開通した古いもので、モナスティラキモナスキ広場の駅は古代アゴラ遺跡があり、これをぶち壊して敷設されている。当時は、遺跡保護よりも近代化が優先だったのだろう。オモニア広場は、ガイドブックによると治安が悪いとか、麻薬中毒患者がふらついているとか、悪いことばかり書いてある。早朝、まだ暗いうちに歩くのは嫌だと思うが、実際行ってみると、明るい雰囲気はないが別に怖い感じはしない。ギリシャ経済危機のころはそうだったのかもしれないが今は普通に歩ける。

オモニア広場から数分のところにあるバス停で051番バスでキフィウス・ターミナル(ターミナルA)に向かう。15分くらい、地下鉄と合わせて1回分で乗車できる。アテネ市内の公共交通は、距離や回数でなくて時間制である。1回は1.2€で90分間は何度でも乗れる。券売機で購入して、切符にチップが組み込まれており、これを乗るとき(地下鉄は降りるときも)タッチする。すると、残り時間が表示されるのでわかりやすい。ちなみに、2回券、5回券、1日券などあり、空港は別区間とされる。なので、モナスティラキ広場から1回分でバスターミナルまで地下鉄とバスを利用してこれるのだ。

<早朝のオモニア広場近くの51番バス停付近>

バスターミナルは結構大きく、KTELというバス連合とでもいうべき発着場だ。しかし、これは地域ごとの会社であり、それぞれの会社が発券窓具とを開いている。スパルタへは、KTELオモニアでオンラインで予約できるのである。コピーを渡して発券してもらう。HPでは発車時刻は書いてあるのだが、到着時刻の記載はない。3時間くらいなのか4時間かかるのかわからない。また、スパルタからミストラのバスは時刻表はないし、スパルタから今夜の最終目的地ピルゴスへのどうやって行くのか、果たしてたどり着けるのか、現地に行かないと不明という未知の状態である。KTELのバスは、路線によっては毎日走っていないようだし、曜日によって変わるようだ。

とりあえず、朝一でスパルタに向かうことにする。バスターミナルでは、どこでもそうなのだが、カフェがあり、サンドウィッチやバケットサンドが売っているので、バケットを買って乗車する。朝6時30分発の便は、フェリーの乗客をピレトス港でピックアップし、ここからコリントスまで渋滞にはまった。途中のコリントス地峡で休憩はしっかりとって、ほぼ昨日のコースと同じ道を通り、ミケーネ遺跡を左側にあるなあと眺めつつ、アルカディアの中心地トリポリに9時過ぎに到着した。ここで15分くらい休憩して出発。アルカディアの岩稜地帯をスパルタへ向かう。アルカディアは牧神パンやニンフのいる理想郷として構成伝わるが、実際は、不毛な岩稜地帯で耕作に向かず、山羊などの放牧地帯であったためポリス間の争奪の対象にならず、牧神のいるののどかな土地といわれたようである。実際に、トリポリからスパルタまでの1時間は山や丘が連なった美しいのどかな美しい山稜地帯がずっと続くのである。理想郷とはこういうことを言うのか、と思うが、、やがて1時間ほどでスパルタへ、スパルタは数百メートルの山々に囲まれた緑豊かな小さな町であった。そのはずれのバスターミナルに10時30分頃到着する。さて、今日の予定をここで確かめなくてはならないが、KTELの発券所でピルゴスに行きたい、というが、わからんという。そして、他社のHPでトリポリ17時45分発のバスに乗りたいというと、15時15分発のチケットを発券してくれた。その先はトリポリで買えという。まあ、よくわからんが大丈夫だろう。次にミストラへのバスを尋ねると11時30分、帰りは14時30分であるという。これ一択である。ということは、スパルタには正味1時間弱しかない。レオニダスに会いに行かねば、と急ぐ。バスターミナルから古代スパルタ遺跡は、歩いて20分ほど。ぎりぎりの時間である。スパルタの町は小さく、ギリシャの田舎町、ここがかつてアテネとの覇権を争ったのかとは思えない。街の街路には、レオニダスの横顔をモチーフにしているものが街のあちこちにあり、英雄視されているのだな、とは感じられる。

スパルタ古代遺跡の近くに大きな武装したレオニダスの彫像が南東を向いてたっている。かっこいい。英雄である。銅像はテルモピュレイにもあるらしい。レオニダスの像はかっこいいのだけど、公園の真ん中とか、町の中心とかならいいのだけど、サッカー競技場のフェンスの前にポツンと。なんかな、重みがない感じ。サッカーは、今風の戦争なのかも。

<レオニダス王>

レオニダスの像を横目に、サッカー場脇を奥に向かうと5分ほどで古代スパルタ遺跡がある。遺跡は入場無料。かなり広範な遺跡ではあるが、スパルタの古代のアゴラ跡があり、石組みがわずかに残っている。ローマ時代の遺跡もちらほら。アテネの遺跡とくらべると、当時最強のポリスとして、市民たちが訓練に明け暮れ、自由闊達な議論を交わした質実剛健な強国スパルタ。それを感じさせる具体的な遺物はない。それがスパルタなのかもしれない。

<スパルタのアゴラ跡>

スパルタアゴラ

遺跡は小高い所にあり、東に西にまた北に山が見渡せ、豊かな緑に囲まれている。神殿跡が広がっている。紀元前4世紀の衰退期までここラコニアの地には一度も侵略されなかったスパルタ。その豊かさと強さ、この草ボーボーの地味な遺跡がスパルタを表しているようでもある。山並みは、当時となんら変わらないのだろう、いまは静かに草や土に埋もれているが、2500年前は活気と力と汗がほとばしる舞台だったことが風に乗って感じらるような気がする。飛鳥みたいなものかも、娘に報告するとそんな答えが返ってきた。確かに。

<スパルタの神殿跡>

スパルタ神殿跡

時間もないので、感傷に耽るのもそこそこにバスターミナルに急ぎ戻る。資料館が町中にあるのだが、寄っている時間がない。残念だ。やり残した。とすると、もう一度来なければならないのかもしれない。ここはよい。

急いでバスターミナルに戻り、11時30分発のミストラ行きのバスに乗る。途中、市内中心にある考古資料館前のバス停に停車した。どこを通るのかよくわからないが、それならば、資料館に15分くらい寄れたのに残念。バスは、スパルタの西に向かい、オリーブなどののどかな刃欠け道を通り、小さな集落で乗客はすべて下車し、乗客一人だけで山すその終点のミストラに15分ほどでつく。料金は片道2€。現金で払った。バスの案内とかはまったっくないが終点だし、運転手がミストラと教えてくれた。帰りのバスを運転手に尋ねるとやはり14時30分といっていたので、確かなのだろう。バスは、1軒しかないこぎれいなレストランの駐車場につき、ミストラまでは道路を10分ほど登っていく。

 ミストラ遺跡へは、車で行くと頂上近くまで上がれるようで、下から行く人はあまりいない。入場料は冬季割引の6€。見上げると、遺跡は3段階になっており、入り口から山の斜面に多数の教会や建物、それらを囲むレンガがめぐっており、中腹には王宮がでんと構え、教会も見える。標高差300mはある頂上には要塞のような城壁がめぐらしてあるのがわかる。山一帯が要塞都市のようになっており、その規模は写真とかでは表せないくらいだ。ここは、ビザンチン帝国の頃、12世紀ころから街がつくられ、交易で栄え、王が統治していたそうだ。往時には数千の住民が住んでいたようだ。街の入り口にはいると、すぐに修道院がある。いまは、このミストラ遺跡、一つ残っている女子修道院を除いて住民はいない。しかし、19世紀にオスマントルコ支配下のアルバニア兵によって破壊され、それ以降は無人になったらしい。それからまだ200年くらいの経過であり、当時の様子がよく残されている。

<ミストラの入り口から遺跡を臨む>

入り口に入ってすぐの一番下のエリアは、商店街や工房など庶民が暮らしていた区画、道路が残されている。町のあちこちにビザンチンの様式のギリシャ教会が多数建っている。

<下層の居住エリア>

特に、一番奥のオディギトリア教会に入る。エヴァンゲストリアス、アギオス・テオドロス教会と教会が町中に立っている。それぞれの内陣にはキリスト受難や聖人の生涯など、聖母マリアなどのイコンが全周を取り囲み、天井のドームにはイエスキリストが見下ろすという構図である、フレスコ画であるが、色彩もよく残されており、ギリシャ正教会らしい厳かな空間である。いまは教会として使われていないため、写真撮影を禁止されてはいない。遺跡のどこからでも眺められるが、教会はが斜面にそびえていることが多く、そこからスパルタを中心としたラコニア平原を見渡すことができ、絶景といえるだろう。ビザンチン帝国は、オスマントルコの圧力を感じ、この要塞都市を作ったのがわかる。

<オディギトリア教会の内陣>

さらに、上に登っていくと2段目の王宮エリア、王宮は大きな建物であるが、現在修復中なのか内部は見学できない。この周辺にも教会がいくつか建っており、この団の一番上はアギヤ・ソフィア教会というコンスタンチノープルと同じ名前の立派な教会が建っている。

<王宮>

<アギヤ・ソフィア教会>

その上に、一般の駐車場につながる入口があるが、そちらにいかず、頂上を目指しさらに上っていく。頂上には、堅固な城壁をめぐらした要塞がそびえており、その城壁から下を眺望すると、結構な高度感がある。オスマントルコの勢力拡大に備えたのだろう。堅固な要塞である。

<最上層の要塞>

ミストラ入り口までは300m、スパルタまでは400mはあるだろう。晴れてさわやかに見渡せる。また、地域一帯を広く見渡すことができ、古代からの歴史の舞台、スパルタ地域が一望できる。ここまで1時間を要した。バスの時間までの2時間半は時間を持て余すかと思ったが、教会の内陣でたたずみ、眺望に感じ入り、のんびりと坂道を登ればこれくらいはかかるものだろう。

<要塞からスパルタを臨む>

さて、要塞でのひと時を楽しんだのち、唯一の住民であるバンタナサ女子修道院に向かう。修道院の手前で、猫を3匹連れているシスターにあう。まわりにはこぎれいな花が咲いており、レンガと緑の中に、猫がふらふら歩いているのんびりとした優しい空間だ。数百年変わらぬ光景のかな。修道院の周辺や内部は、きれいにされており、また10人ほど住んでいるというシスターの宿舎に洗濯物が干してあったりと、生活臭がするのでなんとなくホッとできる空間である。内陣にはいってみた。ほかの遺跡とは違い、イコンは美しく磨かれ、花に囲まれ香りのただよう落ち着きがある。内陣は、信仰の対象であり写真撮影は禁止であるのはいうまでもない。

<バンタナサ女子修道院>

さらに、フレスコ画が美しいというぺリヴレプトス修道院跡は工事中でいくことはできず、遺跡の入り口にあるショップをのぞく。お土産物はほとんどなく、商売っ気がないのか訪れる人が少ないのか、英語版の解説本をかっておいた。

バス停に戻るが、バスの発車まで30分以上あるので、バス停横のきれいなカフェレストランに立ち寄る。まだ2時だけど、寒くなるから外のテラス席は片づけられたので、中のテーブルに座る。朝、バスの中でバケットサンドを食べてだけだが、時間もないので、レアチーズケーキとカプチーノを注文。ケーキのでかいことと言ったら、、、。日本の2個分くらいはあり、濃厚なケーキをいただいた。まあ、おいしい。あわせて12€。こんなもんかな。

バスの時間が近づいたのでバスを降りたところで待つが、なかなか来ない。15時15分発のバスでトリポリに行くので焦るが、15分遅れで14時45分頃に到着。料金はやはり2€、15分でバスターミナルに戻った。

トリポリ行きのバスは、アテネ行きのバスであり、途中で降車可能なのだろう。料金は5€。来た道と同じのどかな山道をへてアルカディアの中心地トリポリにつく。トリポリのKTELバスターミナルでピルゴス行きのチケットを15.5€で買う。出発は17時45分発の予定。16時20分頃についたから1時間半は待つことになる。ピルゴス行きのバスは、アテネから来るのでなかなか来ない。心配そうに強いると、チケット売り場のお兄さんがバスが来るたびにバスを見に行ってあれではないと教えてくれる。ようやく1時間遅れで18時45分頃に到着。お兄さんがあれだと教えてくれた。アテネとピルゴスの間は、一日に数本出ているがトリポリ経由は朝と夕方の2本だけ。結局、このバスステーションに2時間半も待っていたことになった。カフェもあるのでよいとはいうものの、寒い寒い。バスはトリポリから西へ向かい海辺に出る。その間、ほとんど集落の明かりは見られない。この辺りは昔も今も変わらずの相当な岩稜の広がる田舎なのだろう。アルカディアだし。

海岸沿いを北上し、ピルゴスには21時過ぎに到着。なんとかたどり着いたという感じ。ピルゴスのバスターミナルは、市街地にあるが、もう遅い時間なのでレストランに入るのもおなかに悪そうなので、ローカルカフェでギロをテイクアウトだな。ギロはうまい、炭焼きの肉にポテト、トマト玉ねぎなどいれてピタパンで包むファーストフード4€くらいかな。ピルゴス駅前でギロを求めに入ると、店のおじさんがいて、どこから?と聞かれ、日本と答えると、日本は良い、京都が、云々と、ごきげん。顔は彫刻のようで鼻が高くあごひげはやして体格いいから、なんか怖いのだけど、結構、親切でやさしい。ギリシャ人は笑顔がないからか、東洋人と比べてそっけない印象を受けるが実際は優しかったりする。おじさん、気にいってくれたのか、初見の登用の旅人にギロをおごってもらった。さんきゅ、とハグしてホテルに向かう。

<ピルゴスのギロ>

ホテルは、バスターミナルから5分くらいのギリシャ国鉄駅前のHotel Marilyに宿をとった。素泊まりで41€。こじんまりした家庭的なホテルで一晩寝るには十分である。暖房の音が激しくて最終的には切らざるを得ないくらいだった。

 

 


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