子どもに病気を作り、かいがいしく面倒をみることにより自らの心の安定をはかる、子どもの虐待における特殊型です。加害者は母親が多く、医師がその子どもに様々な検査や治療が必要であると誤診するような、巧妙な虚偽や症状を捏造します。
加害者は自分が満足できる結果がでて、処置をしてもらえるまで「その」状態を続けるため、必要のない検査が延々と続くことになります。加害者が医療者の注意を十分に引きつけることができないと、子どもの症状がどんどん重篤になり、致死的な手段もいとわなくなることがあるので、十分注意が必要です。しかし、医療者が疑いを持つと、急に来院しなくなったり、別の医療機関を受診したり、これまでに学習した知識を基に、さらに巧妙な症状をつくりだすこともあります。一般的に加害者は、医師に熱心な母親である、という印象を与えます。「この母親が虐待などするはずがない」と、思わせることがまれではないため、何か「おかしい」と MSBP を疑うことが大切です。
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