同居人は化け猫!
第8章 のほほんな日々
2.幸せの証 ―義経・柚葉―
相変わらず元気な冬夜を見て、『義経』こと桐川 柚葉(きりかわ ゆずは)は、笑い泣きのような顔をした。
たった半年とちょっとの間に、大きくなったなぁと思う。
その成長する時を見れなかったのが残念だ。
聞けば、春海ちゃんも尾崎に入ったようで。
たぶん冬夜を追っていったんだろう。
彼女は一途だから。
で、あの化け猫ちゃん――鈴蘭もきっとそうなんだろうなぁと思ったりして。
「好かれてるねぇ、冬夜。」
「…は?」
笑いながら冗談を言ってみたけれど、冬夜は素っ頓狂な返事を返すだけ。
この様子じゃ絶対にわかってない。
羚歌さんも言っていた通り、ニブかった。
ごめんと春海&鈴蘭に心の中で謝る。
柚葉は本当に自分の息子だなぁと思った。
自分も寄せられる好意にさっぱり気付かず、一方的なケンカの相手になってもらったりして。
一時期『戦姫(いくさひめ)』とも呼ばれたっけ。
当時女と見られるのが嫌いだったため、そう呼んだ人は笑顔で殴り飛ばしてきた。
冬夜は父親――すばる譲りの優しさがあるから、三角関係で悩むかもしれない。
おっと、その前に気付くかどうかが問題か。
でも、教えるとかしないよ?
柚葉はなぜか鈴蘭に追いかけられている冬夜を見て思った。
だって、そうやって追いかけられているのが冬夜達の幸せの証だと思うから。
…*おまけ*…
「くしゅっ!」
春海は自分の大きな(?)くしゃみで目を覚ました。
昼寝中だったのに…。
誰かに噂されてるのだろうか?
も、もしや冬夜とか……!
実家に行っている冬夜を考えて、ぽつりと呟く。
「冬夜…今、何やってるかな…。」
恋する乙女は、おちおち眠っていられなかった。
もちろん、宿敵が冬夜と一緒にいるとも思っていないが。
written by ふーちん
第8章 のほほんな日々
2.幸せの証 ―義経・柚葉―
相変わらず元気な冬夜を見て、『義経』こと桐川 柚葉(きりかわ ゆずは)は、笑い泣きのような顔をした。
たった半年とちょっとの間に、大きくなったなぁと思う。
その成長する時を見れなかったのが残念だ。
聞けば、春海ちゃんも尾崎に入ったようで。
たぶん冬夜を追っていったんだろう。
彼女は一途だから。
で、あの化け猫ちゃん――鈴蘭もきっとそうなんだろうなぁと思ったりして。
「好かれてるねぇ、冬夜。」
「…は?」
笑いながら冗談を言ってみたけれど、冬夜は素っ頓狂な返事を返すだけ。
この様子じゃ絶対にわかってない。
羚歌さんも言っていた通り、ニブかった。
ごめんと春海&鈴蘭に心の中で謝る。
柚葉は本当に自分の息子だなぁと思った。
自分も寄せられる好意にさっぱり気付かず、一方的なケンカの相手になってもらったりして。
一時期『戦姫(いくさひめ)』とも呼ばれたっけ。
当時女と見られるのが嫌いだったため、そう呼んだ人は笑顔で殴り飛ばしてきた。
冬夜は父親――すばる譲りの優しさがあるから、三角関係で悩むかもしれない。
おっと、その前に気付くかどうかが問題か。
でも、教えるとかしないよ?
柚葉はなぜか鈴蘭に追いかけられている冬夜を見て思った。
だって、そうやって追いかけられているのが冬夜達の幸せの証だと思うから。
…*おまけ*…
「くしゅっ!」
春海は自分の大きな(?)くしゃみで目を覚ました。
昼寝中だったのに…。
誰かに噂されてるのだろうか?
も、もしや冬夜とか……!
実家に行っている冬夜を考えて、ぽつりと呟く。
「冬夜…今、何やってるかな…。」
恋する乙女は、おちおち眠っていられなかった。
もちろん、宿敵が冬夜と一緒にいるとも思っていないが。
written by ふーちん