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I~これが私~

風の吹くまま,気の向くまま,ありのままの自分で。

『死神』

2011-03-29 23:15:04 | 小説『死神』
死神

4.死神の決心

<3>

「ーん?何これ。」
コンビニから帰ってきて、部屋を見た私は首をかしげた。
「ちょっと、ルリ!急に止まんないでよ!」
私は目の前にある段ボール箱をただ眺めていた。
ルカが不思議そうに覗き込む。
やや間があってルカがぼそっと言った。
「支給品。」
「ん?」
「支給品?」
私達は顔を見合わせた。
2つ仲良く並んでいるこの箱は、支給品?
「どうする?ルリ。」
「開けて…みよっか。」
「よぅし。」
ガムテープで止められている。
何となく慎重にはがしていった。
「…手紙だ。」
先に開けたルカの箱には、手紙が入っていたようだ。
私の方は、それらしき物がない。
「ね、何て書いてんの?」
手紙を覗き込むと、こんな内容が書いてあった。

『ルリとルカへ

 仕事の件はご苦労だった。ルリは初めての事で特に大変だっただろう。
 そんな君たちにご褒美もかねて支給品だ。
  ・新品の黒ローブ
  ・女性死神用の制服
  ・ショルダーバッグ
  ・黒百合のブローチ
 以上の物が入っている。
 ブローチは1人に1つしか与えないので、なくさないように注意すること。
 あと、パートナーは町はずれの手芸屋へ行け。そこに何体かいるはずだ。
 では、君たちの幸運を祈っている。

          龍牙』

ルカはその手紙を置くと、段ボール箱の中をあさり始めた。
「ル、ルカ?」
「ルリ、これは死神のえら~い人からの贈り物よ。特にこれ!」
そう言ってルカが指さしたもの。
「黒百合のブローチ?」
「そう。実をいうと今回の仕事が私2回目だったの。1回目の時は、なりゆきで認められなかったの。これは、1人前のしるしなの!」
1回目…私の時か…。
何があったのかよく分からないが、まずこっちが先だ。
「その他も、全部認められたってことだから。さ、着替えよ。」
「~ん~?」
いまいち訳が分からないまま。
とにかく、段ボールの中身を出してみた。
「えっと…これが黒ローブで…。ショルダーバッグでしょ?女性死神用の制服…って何これ!?」
白と黒で、黒が主の色。
白のフリルが「はぁ?」というほどついていて、スカートの丈は膝上。
「ゴスロリだ…。」
ゴシックロリータ、通称ゴスロリ。
東京のアイドルとかが着ていそうなアレがなぜここに。
思わず、固まってしまった。


written by ふーちん


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