死神
10.死神の涙
<1>
「あー…そゆこと。」
ちょっと気まずい。
そんなことがあると思ってなかった。
「そういう顔すんなって。」
迅はそう言って笑った。
まぁ彼的には気持ちもわかったからいいってこと?
軽々しく思ってた私がバカみたいじゃん。
「さて、と。んじゃ、死神にしてくれるんだよな?」
スッキリとした笑顔でルカに聞く迅。
それに対して、ルカはおそろしー笑顔を迅にむけた。
「バカ言ってんじゃないわよ、迅。」
「は?」
「理由聞いただけだし。」
てことは。
「死神にするかどうかは、あんたが決めることよ、ルリ。」
そうそう私…って、
「はぁぁ!?」
「…何?」
「何じゃない!なんで私っ?」
ルカは少し考えて、こう言った。
「…なんとなく!」
「ちょっとぉ!あんたのなんとなくのせいで私の苦労がやばい!」
ルカって本当にいい加減だと思う。
いいのかな?
「ルリ―――。早く決めて。」
迅まで…。
私の苦労はなんなわけ?
きっと私の苦労は水大さじ1ぐらいなんだろう、2人にとって。
小さじだとは思いたくない!
「あぁ…わかったよ、仕方ない。あんたらのために大さじ1は頑張ってやるんだから、感謝して。」
「…大さじ1?」
「気にすんな、ルカ。こいつたまにおかしくなる。」
ルカと迅の目がやけあたたかい。
私はそれに対抗するように柔らかく微笑んだ。
「やっぱ頑張るのやめよっか。」
「すいやせん。」
「謝る気0だね迅。」
すごい。
こんなに私が怒ったの久しぶりかも。
「つーかルカ!私は人を死神にする方法なんて知らないし!」
そう叫ぶ私に、ルカはしれっと言ってのける。
「あんたは決めるだけだし。」
「…あんたね、」
「OKってことね?ルリ。」
私の文句にかぶせてルカが問う。
私は一つ呆れのため息をついてこう言った。
「もちろん。」
「よし!」
迅がガッツポーズを取る。
ルカは呆れたように笑い、クイナが鎌になった。
「行くよ、迅。」
「…おう。」
いくらなりたいと言っても、緊張するようだ。
迅は心を静めるように目をつぶった。
ルカは魂の糸を一度切り、ショルダーバックから銀赤の糸を取り出す。
何あれ?
見たことも聞いたこともないし。
ルカが私の視線に気付いて少し顔を上げた。
「ルカ、それ…」
何?と聞く前にルカの顔を見ると…。
「……。」
呆れ、怒り…邪魔すんなって言ってる。
なんというか…邪魔したら殺すって感じの。
もう死んでるからいいんだけど。
で、その銀赤の糸と切った魂の糸を結び――――病室が、光に包まれた。
「銀赤の迅、ここに死神として目覚めたり。」
光の中で、どこか満足げなルカの声が聞こえた。
written by ふーちん
10.死神の涙
<1>
「あー…そゆこと。」
ちょっと気まずい。
そんなことがあると思ってなかった。
「そういう顔すんなって。」
迅はそう言って笑った。
まぁ彼的には気持ちもわかったからいいってこと?
軽々しく思ってた私がバカみたいじゃん。
「さて、と。んじゃ、死神にしてくれるんだよな?」
スッキリとした笑顔でルカに聞く迅。
それに対して、ルカはおそろしー笑顔を迅にむけた。
「バカ言ってんじゃないわよ、迅。」
「は?」
「理由聞いただけだし。」
てことは。
「死神にするかどうかは、あんたが決めることよ、ルリ。」
そうそう私…って、
「はぁぁ!?」
「…何?」
「何じゃない!なんで私っ?」
ルカは少し考えて、こう言った。
「…なんとなく!」
「ちょっとぉ!あんたのなんとなくのせいで私の苦労がやばい!」
ルカって本当にいい加減だと思う。
いいのかな?
「ルリ―――。早く決めて。」
迅まで…。
私の苦労はなんなわけ?
きっと私の苦労は水大さじ1ぐらいなんだろう、2人にとって。
小さじだとは思いたくない!
「あぁ…わかったよ、仕方ない。あんたらのために大さじ1は頑張ってやるんだから、感謝して。」
「…大さじ1?」
「気にすんな、ルカ。こいつたまにおかしくなる。」
ルカと迅の目がやけあたたかい。
私はそれに対抗するように柔らかく微笑んだ。
「やっぱ頑張るのやめよっか。」
「すいやせん。」
「謝る気0だね迅。」
すごい。
こんなに私が怒ったの久しぶりかも。
「つーかルカ!私は人を死神にする方法なんて知らないし!」
そう叫ぶ私に、ルカはしれっと言ってのける。
「あんたは決めるだけだし。」
「…あんたね、」
「OKってことね?ルリ。」
私の文句にかぶせてルカが問う。
私は一つ呆れのため息をついてこう言った。
「もちろん。」
「よし!」
迅がガッツポーズを取る。
ルカは呆れたように笑い、クイナが鎌になった。
「行くよ、迅。」
「…おう。」
いくらなりたいと言っても、緊張するようだ。
迅は心を静めるように目をつぶった。
ルカは魂の糸を一度切り、ショルダーバックから銀赤の糸を取り出す。
何あれ?
見たことも聞いたこともないし。
ルカが私の視線に気付いて少し顔を上げた。
「ルカ、それ…」
何?と聞く前にルカの顔を見ると…。
「……。」
呆れ、怒り…邪魔すんなって言ってる。
なんというか…邪魔したら殺すって感じの。
もう死んでるからいいんだけど。
で、その銀赤の糸と切った魂の糸を結び――――病室が、光に包まれた。
「銀赤の迅、ここに死神として目覚めたり。」
光の中で、どこか満足げなルカの声が聞こえた。
written by ふーちん