I~これが私~

風の吹くまま,気の向くまま,ありのままの自分で。

ハッピー・メリークリスマス!3

2010-12-19 22:21:29 | 小説『ミゼットな楽園』
ハッピー・メリークリスマス!

3.ソフィアの宝物

「父様!これなにっ!?」
イスフィールは壊れかけの扉をすごい勢いで開けた。
一応言っておくが、別にイスフィールは怪力ではない。
「んー?…お、懐かしいねぇ…。」
そこにいるのは平和すぎるオーラをまとったユニゾン。
ハーブティ~の匂いでますます穏やかな空気を醸し出していた。
「え…父様、知ってるの?」
イスフィールは思わず不思議な薄紫のガラス玉を落としかけた。
あわてて、持ち直す。
「…うわ、ここの扉も壊れかけだなあ…。」
ふと声がして、扉の方を見ると、さっき手伝ってくれなかった護衛の2人。
レイアースとセイレーンだ。
「で?何の話?」
「…父様、これって何なの?」
イスフィールはレイアース達の問いかけを綺麗に無視して、ユニゾンにまた聞いた。
「ソフィアの宝物の1つだよ。」
護衛の2人に入るように目で示した後、ユニゾンはハーブティーを飲み干しながら言った。
「母様の…宝物…?」
イスフィールが確認したその時、部屋の中で強い風が吹く。
「な…!どうしたんだ?」
「壊れた場所でも…ってイスフィールはここにいるし…。」
「失礼ね!セイレーンだってぶっ壊してるじゃない!」
まあ、自分もだけど。
よくよく見ると、玉から吹いている。
「うそぉっ!」
そのとたん、イスフィールと護衛の2人は玉に吸い込まれた。
「全く…なんでこんな物が宝物なんだろう?」
ユニゾンは新しく作ったハーブティーを注ぎながら言った。


written by ふーちん


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