I~これが私~

風の吹くまま,気の向くまま,ありのままの自分で。

『同居人は化け猫!』第9章-1

2012-03-24 13:44:58 | 小説『同居人は化け猫!』
同居人は化け猫!

第9章 春海、風邪をひく!

1.ため息

冬夜は一つため息をついた。
空を見上げる。
「………見事だ。」
そうほめたくなるほどの、青一つない空。
続いて、冬夜は地面を見た。
「今年は雪が多かったなぁ…。」
真っ白な雪、ではなく。
「冬夜、なんだこれ!?歩きにくいぞ?」
溶け始めてぐちゃぐちゃの雪だ。
空といい地面といい、気が滅入ってくる。
「鈴蘭、これは仕方がないことなんだ。」
顔をしかめる鈴蘭に言う。
心底不思議そうに返された。
「冬夜は嫌じゃないのか!?」
「…嫌に決まってる!」
当たり前だ。
鈴蘭の問いに答え、冬夜はもう何回目かわからないため息をついた。
今年はすごかった。
もううんざりだ。
降っては溶け、降っては溶けを繰り返す雪。
そして尾崎中限定『一年間の総まとめ・追い上げ&おさらいテスト』。
これについて嫌な点をいくつか言おう。

①テストの名前が長い。
②結果とコメントは非常に頭を使う暗号でかかれている。
③予告なし。抜き打ちで一日中。
④休み時間のおさらい、見直しも禁止。教科書やノートは没収される。
⑤先生方の「できて当然だ」という顔が腹立つ。

などなど。
それらがすべて重なり、しかも雪もあって、冬夜はストレスがたまっている。
そして、天地がひっくり返るような出来事も起きた。

いわく、春海が風邪をひいたらしい。


written by ふーちん


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