死神
5.死神の平和
<3>
そういえば、大事なことを忘れていた。
「あの、世話ってどうするんですか?」
「いらんよ。」
ガイラの即答に、私は目を丸くした。
それに対してガイラは再び笑う。
「いらん。この子らは本当は鎌なんだ。だが、鎌のまま持っていると人に姿を見せる時、不便だろ?だから少し改良してこの形になった。話して念じれば武器になってくれるぞ。」
「そうなんだ…。」
ルカもそこまでは知らなかったらしい。
「すごいですねぇ…。」
ガイラは得意げにまだ笑っている。
「あんたも、そうやって生まれたんだね。クイナ。」
「クイナ?ルカも話せたんだ!良かったじゃん。」
私が少し驚いていると、ガイラが言った。
「じゃ、もう帰りたまえ。心配事ができたら、ここの裏口にくればいい。アディオス!」
そうして、私達は外に放り出された。
訳が分からず、ルカに聞く。
「ね、ルカ。アディオスってどういうこと?」
「あ~っと、どこだかの国でいう『さよなら』だったと思う。」
『ルリ、表のお客さんがきたからだよ!』
リィがバックから頭を出していった。
ルカのインコ、クイナも伝えたらしく、ルカは納得したように頷いた。
「ま、それなら仕方ないよね。行こ、ルリ。」
「うん。――何あれ?」
「え?」
上を見ると、そこには紙でできた鳥が。
こちらに降りてくるのをルカがはしっとつかみ、折り鶴(?)を丁寧に開いた。
どうやら手紙っぽい。
またか…とルカのため息が聞こえる。
『ルリとルカへ
パートナーは見つかったようだな。
あと、制服も気に入ってくれたか?
君たちには少しの休みを与える。
十分にパートナーと心を通わせること。
だが、休みの期間でも指令を出すかもしれないから、
決して気を緩ませるな。
それだけだ。 アディオス!
龍牙』
少しの沈黙が続いた。
「ね、ねえルカ…アディオスってはやってるの?」
「さ、さあ…。」
何はともあれ、不定期な平和が訪れた。
written by ふーちん
5.死神の平和
<3>
そういえば、大事なことを忘れていた。
「あの、世話ってどうするんですか?」
「いらんよ。」
ガイラの即答に、私は目を丸くした。
それに対してガイラは再び笑う。
「いらん。この子らは本当は鎌なんだ。だが、鎌のまま持っていると人に姿を見せる時、不便だろ?だから少し改良してこの形になった。話して念じれば武器になってくれるぞ。」
「そうなんだ…。」
ルカもそこまでは知らなかったらしい。
「すごいですねぇ…。」
ガイラは得意げにまだ笑っている。
「あんたも、そうやって生まれたんだね。クイナ。」
「クイナ?ルカも話せたんだ!良かったじゃん。」
私が少し驚いていると、ガイラが言った。
「じゃ、もう帰りたまえ。心配事ができたら、ここの裏口にくればいい。アディオス!」
そうして、私達は外に放り出された。
訳が分からず、ルカに聞く。
「ね、ルカ。アディオスってどういうこと?」
「あ~っと、どこだかの国でいう『さよなら』だったと思う。」
『ルリ、表のお客さんがきたからだよ!』
リィがバックから頭を出していった。
ルカのインコ、クイナも伝えたらしく、ルカは納得したように頷いた。
「ま、それなら仕方ないよね。行こ、ルリ。」
「うん。――何あれ?」
「え?」
上を見ると、そこには紙でできた鳥が。
こちらに降りてくるのをルカがはしっとつかみ、折り鶴(?)を丁寧に開いた。
どうやら手紙っぽい。
またか…とルカのため息が聞こえる。
『ルリとルカへ
パートナーは見つかったようだな。
あと、制服も気に入ってくれたか?
君たちには少しの休みを与える。
十分にパートナーと心を通わせること。
だが、休みの期間でも指令を出すかもしれないから、
決して気を緩ませるな。
それだけだ。 アディオス!
龍牙』
少しの沈黙が続いた。
「ね、ねえルカ…アディオスってはやってるの?」
「さ、さあ…。」
何はともあれ、不定期な平和が訪れた。
written by ふーちん