第35期電波法規第1章 総則
(1)電波法の目的
赤紫色 の文字は、法規の用語解説
のページを参照して下さい
今日から2025年2月期向けの電波法規のお話しを
始めます。
当講座は、試験に出題される事が多い範囲からお
話しを始めていますので、講座開設の当初は、「
無線局の運用」からお話しをしていましたが、「
無線局の免許」を先にお話しした方が、無線局の
運用を開始する事の大変さをご理解頂く事が出来
ると判断致しまして「無線局の免許」を先にお話
をする様になりました。
しかし、無線従事者試験の最高峰である 第1級陸
上無線技士の受験指導では、「総則」から講義を
始めています。
その理由は、「総則」に電波法の理念が書かれて
いるからです。理念を理解した方がその後の各章
でお話する内容が理解しやすくなるためです。
以上の理由により、当講座も総則からお話をする
事と致しました。
又、各期で出題される問題の内、”無線局の運用”
の範囲から50%以上出題されている事から ”無線
局の運用”でお話する内容を2021年迄の講座の 2
倍に致しています。
今までは、受講生の方の積極的な自習に委ねてい
た部分です。
それでは、総則のお話を始めます。
1.総則とは?
これ迄、何度か、総則と言う言葉が出て来ま
したが、何の事だろうとお思いの方が多いと
思います。
総則とは、あらゆる規則の最初の章です。
総則は、以下の2つで構成されています。
(以下、大変重要な概念です。)
(1)総則が書かれているその規則の目的
(2)総則が書かれている規則に出てくる
用語の説明
(1) は "何の為に制定したものか" と " その適
用範囲"が書かれています。学生の皆様の場合
、校則があると思います。 昔の事で忘れまし
たが、 生徒手帳を観ますと 一番最初の部分に
何の為の校則であるか その目的が書かれてい
ると思います。それが 総則です。
(2)は、その規則を読む人の全てが同一の解釈
が出来る様に用語の説明がされています。
2014年に ある研究所の 一職員が虚偽の研究
発表をした事がありましたが、 その問題に 関
して研究者と法律家の間で議論した時 、 議論
がかみ合わなかった事が ありました 。
その理由は、人によって 出て来る用語の解釈
が違った為でした。 ある事を それぞれの専門
家により 議論をする際、 議論の対象となる分
野に出て来る専門用語は、 参加者の間で 共通
でなければならないのです。
電波法は、 用語の定義がされた 初めての法律
だった様です。
電波法は、電波に関わる基本法ですので 基本
となる事は、書かれていますが 社会や 技術の
進歩により法律自体が合わなくなる事がありま
す。その為、詳細は、電波法施行令等や電波法
施工規則等の政令や規則に詳細を定めています
。ただし、それらの政令や規則は、電波法から
外れたものであっては、それらの政令や規則の
根拠がなくなりますので、効力がなくなります
。全ての法律は、憲法をよりどころとしていま
す。憲法の趣旨に反する法律は、 効力が無いと
言う事です。
2.電波法制定の背景
日本は 第2次世界大戦を機に封建的な国から民
主的な国家に形を変えました。
民主的な国になった戦後まもない昭和25年に今
の電波法が制定された為に 民主的な法律である
事を強く意識され 今でも群を抜いて民主的な法
律と言えると思います。
よって、民主的な法律である事を 頭に 入れてお
くと 電波法が 理解しやすくなります。
これが、電波法を面白い読み物に 変えられる手
がかりとなる法律が出来た"背景を 知る" 事にな
ります。
3.総則
それでは、総則を見てみます。 総則は、一条か
から三条で成り立っています。
(目的)
第一条 この法律は、電波の公平 且つ能率的な
利用を確保 することによつて公共の福祉を増進
することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律及び この法律に基づく命令の
規定の解釈に関しては、 次の定義に従うものと
する。
一 「電波」とは、 三百万メガヘルツ以下の 周波
数の電磁波をいう。
二 「無線電信」とは、 電波を利用して 符号を送
り、又は受けるための通信設備をいう。
三 「無線電話」とは、 電波を利用して、音声 そ
の他の音響を送り、又は、 受けるための通信
設備をいう。
四 「無線設備」とは、無線電信、無線電話その他
電波を送り又は 受けるための 電気的設備をい
う。
五 「無線局」とは、無線設備及び無線設備の操作
を行う者の 総体をいう。 但し、受信のみを目
的とするものを含まない。
六 「無線従事者」とは、無線設備の操作又は、そ
の 監督 を行う者であつて、郵政大臣の免許を
受けたものをいう。
※郵政大臣は、今の総務大臣と読み替えて下さい。
(電波に関する条約)
第三条 電波に関し条約に別段の定があるときは
、その規定による。
今回は、タイトルの通り、 (電波法の目的) について
お話しをし、次回、(定義) と(電波に関する条約) に
ついてお話しを致します。
それでは、(電波法の目的) の意味をお話します。
電波法は、公平
これは、電波が、国のものでなく 国民共有の財産と
位置付けられ民主国家となった事により 電波 (周波
数) の割当が その時、その時の政権の意向によらな
い事とする為 の縛りになっています。
昨今、放送法の解釈を政治家がしていますが 先進国
では、政治的公正を担保し、時の政権により 解釈が
変更されない様に 第三者機関が解釈と監視を行って
います。
日本も、 先進国に近づいてもらいたいものです。
電波の能率的な利用の確保
周波数は、限られている為、 各無線局への周波数の
割当や運用許容時間等を定めることで 電波を能率的
に利用できる様にする事を 国に 求めています。
この様に 電波法は、国民だけを規制するものでなく
国をも規制している点が 民主的な法律である所以で
す。国民を拘束しても 政治家は、拘束しないどこか
の国と違っています。
電波法は、公共の福祉を増進
公共の 福祉の増進とは、電波を通じて教養や娯楽等
の提供や スマフォ等電波を利用して国民生活に便利
さを与える事を、目的としています。
つまり、電波法は、 ”公共の福祉の増進” の為に制定
された法律(国民の為の法律)なのです。
今回は、ここ迄と致します。
次回は、総則の(定義)からお話しを致します。
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