そう、ひそかに思っていました。
一度、自分の不徳もかえりみず、天に祈ったことがあります。
「意識がもどらないという病人でも、治してあげれるようになりたいのです。
そうなるためには、具体的に何をすればよいのですか?」
それは難しいなぁ
こればかりは、その人の資質にかかわってくるのだよ
治したいと思っても、そのものに資質がなかったら、だめなのだ
思うだけではだめ
本来、持って生まれたものがあるかによって決まる
お前には、お世辞にもあるとは思えん
私はすこし、腹をたてていました。
「私はずっと(何年も)、意識のもどらないかたのため、天に祈っていました。
でも、そのかたの意識がもどることはありませんでした。
そのうちに、あきらめの気持ちが出てきてしまいました。
人は誰もが強いわけではないでしょう?
いや、弱い人間のほうが多いはずでしょう?」
どんな立場にいるものでも、ひとりの人間であることには変わりない
万能ではない
できないことがあって、あたりまえなのだよ
ただ、やっていること(天に祈ったこと)に、無駄(むだ)はないのだ
それは、今は目に見えなくても
いつか、違う何かの形となり
いつか、「あー、こういうことだったんだ」と思う時がくるから
自分を、天(神)を、信じるのだ
いつか、わかる時がかならずくるのだから…