
焼き芋みたいな
エッセイ・シリーズ (46)
「月を眺めたガリレオ」
多くの宇宙物理学者の間で囁かれているのは、
科学がどれほど進歩し、探究し尽くしたとしても、
この宇宙がどうやって生まれたのか、何で構成されているのか、
その答は永遠に得られない、わからないだろうという事らしい。

永遠にわからない・・それはじつに素敵なことに思える。
あのぽっかりと浮かんで輝いている月は、40億年以上もの間、
この地球の周りを一刻も休むことなく回り続けているらしいが、
そうだとすると、今日までにどれだけ多くの人が、
あの月を眺め不思議に思って来たことだろう。
何も言わず夜空にぽっかり浮かぶ月が、あまりにも不思議な存在なので、
人間は多くの物語を創作しそれを語り継いで来た。
もしも今、あなたがこれを読んでいるのが夜で、部屋の窓の向こうに
月が浮かんでいるのが見えたら、きっと何かを語りかけたくなるはず。

子供の頃、死んだ人の魂はあの月の方へ昇って行くと聞かされた。
月に行くの?と訊いたら、いや、月に行くんじゃない。
あの宇宙のどこかに溶け込むんだ。そこでしばらく睡眠をとって、
また元気になってどこかの星に生まれるんだと。
僕はすんなりと信じた。きっとそうなんだろうなと思えた。
やがていつか、この僕も、宇宙の謎の答えなど知ることもないまま、
不思議がったままで死んでいくのだ。でもそれは、素敵なことなのかも知れない。
どこかで目が覚めて、また不思議そうに、
神秘的な夜空を見上げているのだろうな。
星空Cafe、それじゃまた。
皆さん、お元気で!

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