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月を眺めたガリレオ

2021年03月29日 | 焼き芋みたいなショートエッセイ

     焼き芋みたいな
     エッセイ・シリーズ  (46)

    「月を眺めたガリレオ」

                       
      多くの宇宙物理学者の間で囁かれているのは、

      科学がどれほど進歩し、探究し尽くしたとしても、
      この宇宙がどうやって生まれたのか、何で構成されているのか、
      その答は永遠に得られない、わからないだろうという事らしい。

                       

      永遠にわからない・・それはじつに素敵なことに思える。     
      あのぽっかりと浮かんで輝いている月は、40億年以上もの間、
      この地球の周りを一刻も休むことなく回り続けているらしいが、                 
      そうだとすると、今日までにどれだけ多くの人が、
      あの月を眺め不思議に思って来たことだろう。


      何も言わず夜空にぽっかり浮かぶ月が、あまりにも不思議な存在なので、
      人間は多くの物語を創作しそれを語り継いで来た。
      もしも今、あなたがこれを読んでいるのが夜で、部屋の窓の向こうに
      月が浮かんでいるのが見えたら、きっと何かを語りかけたくなるはず。

                             

      子供の頃、死んだ人の魂はあの月の方へ昇って行くと聞かされた。
      月に行くの?と訊いたら、いや、月に行くんじゃない。
      あの宇宙のどこかに溶け込むんだ。そこでしばらく睡眠をとって、
      また元気になってどこかの星に生まれるんだと。
      僕はすんなりと信じた。きっとそうなんだろうなと思えた。
      やがていつか、この僕も、宇宙の謎の答えなど知ることもないまま、
      不思議がったままで死んでいくのだ。でもそれは、素敵なことなのかも知れない。

      どこかで目が覚めて、また不思議そうに、
      神秘的な夜空を見上げているのだろうな。

 
               

             星空Cafe、それじゃまた。
               皆さん、お元気で!

  

             















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