東京人 抜粋

●「「トキワ荘」という単語にロマンを抱く人の数は計り知れない。
1952年に建てられ、82年に解体されるまで豊島区南長崎に実在したトキワ荘は、手塚治虫、寺田ヒロオ、藤子不二雄A、藤子・F・不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫といった巨匠達が若い日に住み、明日を夢見て苦闘した場所である。藤子不二雄Aの代表作「まんが道」によってトキワ荘の青春を知り、漫画家になる事を決意した人、心が折れそうになった時に助けれらた人はどれほどいることか。トキワ荘は消えても、彼らが過ごした街は漫画の聖地なのである。
(東京人10月号より抜粋)

○金丸裕子・文
... フリーライター

1980年代より東京の街を断続的に観察し生活文化としての消費について調査レポートやルポを手がける。
日本経済新聞でコラムを執筆する。