喜寿をむかえた男の遊々生活!

喜寿を迎えた老人の日々を日記に・・・

不思議パート1

2017-07-04 10:17:04 | 日記
 この時期になると思い出します。
それは2年前、宅建業を廃業した頃の 翌年の夏、神戸の司法書士とか
行政士測量士とかの総合事務所を営んでいる 知り合いの男と、大手建築業者の
顧問をしているかの男 二人が事務所へやってきて「広い土地はないか?」との
問いに「いかほどの土地?」と尋ねると、60000坪(約20ha)との返事。
「そんな大きな土地を 何に使用する」。と尋ねると「養鶏ファーム」と答える。
私は即座に「そんな嫌悪施設とも取れる用途に使うなら 断る」。と答えると
 「いや、その会社名はイセ食品と言い、国内では東京に本社を置き、茨城県
三重県、岡山県に大規模のファームを持っている。 ファームは昔の養鶏場の
ように不清潔な状態でなく、完全密閉を行っており、鳥インフルの件もあり
ネズミ1匹も入れないようになっている」。と 私は「だが、臭いはするだろう」。と
反論したが、多可町と大木町、野中町の共有林で大凡 平地部分で3万坪、周囲の低い
斜面を削ると6万坪は取れると言う山林を知っていたので、案内だけを行った。

 数日後、国内に数カ所の飼料会社を置く、大手会社の社長と、この件を一手に
引き受けた神戸の宅建業者の社長が来店。 聞くと「イセ食品は 関西では余り
知られていないが、国内は勿論、世界中に養鶏ファームをおいている この業界では
大手で、バックには豊田通商がついている」。との事。
また昨年には”卵サミット”なるものを開き、来賓に安倍首相、菅官房長官が列席
したとの事。

それから幾度となく、この某宅建会社の0氏が来店し、こちらも玉津に宅建会社を
置き、三宮に別会社(フォークリフトなど運搬機のリース会社)を置いておられ
たので その会社も一度見ておこうと 伺った。

 初秋の頃、イセ食品の幹部社員と思われる連中が茨城、東京本社から訪れる
事になり、私は内心 ”本気度を出してきたか”かに思われた。現地を案内し
て、私の事務所では狭いので 西脇旧駅前のアピカホテルのレストランへ行き
話合いを行った。 まず在する土地は多可・西脇市大木町と野中町の共有林で
有る事。無指定地域であること、1万㎡を超えるので国土法の届け出が必要な事。
一部 保安林指定が行われているので県知事の許可が必要な事。多可はじめ
3ケ町の同意が必要な事。 排水先の川下の同意が必要となる事。また、大規模
なので調整池を造る必要がある事 臭いの件については、周囲町民の同意を先に
取り付けなければならない事 等々を説明した。

 彼らが帰って、秋も深まるころ、イセ食品の 社内での権限を持つと言う
S副社長が 部下を伴って来店。 そして現地山林案内。副社長に案内しながら
「失礼ですが、養鶏と言えば 鶏卵は戦後の優等生と言われるほど 価格も安定
した品、当地でも昔から小規模で行っていた業者が居たが、全て高齢化や
採算性に乏しく 廃業してしまったが???」と疑問を投げつけた。
するとS副社長曰く「おっしゃる通り、ですが数ですよ。当社は 此処に実現
すれば200万羽を養鶏したい」と おっしゃる。そしてまた「雇用の件ですが
実現すれば180人~200人の雇用が見込まれます」。との事。
 これを聞き、後ろ向きだった私は 町民にも大義名分がたち、動く値打ちが
あるかと思った。

 神戸の宅建業者O社長と、知り合いの総合事務所の所長と私と 多可町役場へ
行き、副町長に出会い説明、その足で 西脇市役所へ行き、観光課かの
課長連中と 会社のパンフレットを示しながら 粗方の説明を行った。
戸田多可町長は用があり、笹倉副町長と超振興課の課長が相手に説明を行う。
西脇市役所は 片山市長はN議員から、既に”難しい”と言われていたのと
建物が建つ部分に西脇行政部分が少なく、固定資産税も増えないと思ったの
だろう。興味は示さなかった節がある。

 イセ食品本社からは「物件案内書が欲しい」と言うので 社法務局へ行ったり
市役所税務課や多可町役場の税務課へ行ったり、そして”このような事、未だ
秘密にしておいては 知られた時に不味いだろう。”と思い、一番の地権者で
ある曽我井の区長に出会い、そして大木町の区長、野中町区長に「どうなる
か分からない 実現できるか?流動的な話ではあるが、途中経過を述べた。

 それ以前、N県会議員と神戸の総合事務所を営んでいる男とが幼馴染で心安い
という事で”それは心強い”と ある日 アポを取って事務所で出会った。
この議員の親とは 少なからず縁が有った。と言うのも、二十歳頃 柔道を
教えてもらっていたから、そんなわけで相談することで味方に付いてくれる
と思っていたのだが、数日後 私の携帯に直接電話が・・・「増田さん 例の
件ですが、無理ですねぇ~、以前 和布町で保安林が絡んだ案件が有って
要件をクリアするのに大変でした。 ましてあの地域は保安林に囲まれているので」と
の返事。私は「色々と骨を折って貰いありがとうございました」。と返事した。

 この件を 神戸の宅建業者社長に言うと「そんな可笑しい事。地域の貢献に
繋がるのに・・・そしてこの件については 井戸知事も”力を貸す”と言って
くれている」。と、井戸知事とはプライベートでも心安いとの話だったが・・・

そして大手建設会社の社長も「それは可笑しい。県会議員如きが・・・
ワシが大物議員に相談する。」と言い出し、携帯から電話し始めた。相手は
聞くところによると鴻池国会議員だったようである。
まぁ ご本尊の”イセ食品が当地に決めた”と一声を投じなくては始まらない
話である。

 私が行っていた宅建業は”信義誠実”がモットーである。 だが、悲しいことに
そんな連中ばかりではない。なかには悪質な業者もいるが、この社長 大変 信頼
するに値する人物だった。
向こうも私の事を信頼してくれた。 彼は「総事業費は50億円は下らないだろう。
何せ 天下の豊田通商がバックについているのだから・・・」と、また飼料会社の
社長もJA全農が神戸から資料基地を引き上げ岡山に持って行く事に ビジネス拡大
チャンスと捉えていて、イセ食品の一説にはワンマンとも言える会長と話が進んで
いた節がある。
 どうやら私達二人は 悪意がないものの飼料会社の社長が先走りをしていたのでは
と私は 憶測で考え始めた。

 イセ食品の福社長は昨年 夏に、もう一度 私宅の事務所を訪れた。東京名物の
養鶏会社からか?”東京ひよこ”を手土産に・・・
そして再度 現地案内。 
その後の返事は なしのつぶてである。 神戸の宅建業者O氏も「ワシにも訳が
解らない。東京へも上京し、会長にも”よろしく頼む”と頼まれた。一度 そちらへ
伺い 先日 訪れた区長宅等、誤りに行きたい」。と言い、区切りをつけるべく
 来店された。
どうやら井戸知事に忖度をして貰う以前の話だったようだ。( ´艸`)

 不信に思う事もある。多可町の土地には50年もの地上権を付けられている。
そして それを条件に 大金を町が貰っている。
今 支配しているのは 県の天下り先である独立行政法人。県は”みどり条例”
とかで、兵庫県民一戸当たり500万円を森林保護の名目で徴収。
そしてその金は”みどり公社”とやらへ落ちる仕組みだ。
 その金員を里山造りとか檜や杉の枝打ちを森林組合に安い金を支払い行って
いる訳だ。 森林組合と言っても素人集団。枝打ちにしても荒っぽいもので
ある。

 当然のことながら 檜や杉材は 今では用材とならない。 行く先は、チップ
にして紙にするか、ペレット状にして燃料にするか、いずれにせよ、採算性は
乏しく、伐採、搬出に掛かる費用の方が高くつくと言うのだから 不思議な世に
なったと思う次第。

 そういえば 大手ハウスメーカーなどは檜や杉材を使わず、使用するのは
もっぱら集成材ばかり、その方が加工もし易く歪みも少ないと言う。
また、現在の家は 床の間や仏壇と言うものが無くなってきたと言うのも
一因のようである。

 まぁいずれにせよ、前述の裏の話までは分からないし、知ろうとも思わない。
私も 村人を相手に説得作業は この歳になると荷が重い。
宅建支部で 氷上会員を相手に”丹波の森公苑”だったかに行き、説得するのに
大変だった作業を思い出す。

 これを機に 刺激されたのか?曽我井区長は自分が持つ山林を その後 伐採、
そして2億円近い事業費を借入れ ソーラー発電に着工、今ではその山林全体 
ソーラーで埋め尽くされている。
何年で採算がとれるのか? おそらく自分の代ではペイできないであろう。
私は あの声さえかけなければ・・・と 思いもしますが( ^ω^)・・・

 そして神戸の宅建業者 社長からは「増田さん。このような事になり申し訳
ない。必要経費を請求してほしい」と言われるので、「宅建業者は成功報酬主義
今では宅建業を廃業しているので、申し訳ないが 使った費用だけ支払って貰えば」と
言い、実費として10万円だけ頂いたが・・・
 一番の被害者は このO社長であろうと思う次第。
そして この話は 闇から闇へと 時間の経過とともに忘れ去られようとしています。