クロマチックハーモニカ、、
音域の広さゆえの嬉しい悩み。
先日のスタジオ録音で渡された譜面で
途中でト音記号とヘ音記号が入り乱れてきます。
こう言った譜面を見ることは滅多に無いので
最初びっくりしました。
あまりにも読みにくいので
赤ペンで書き込みを入れました。
何故アレンジャーがこのように書いたのか
最初はその意図がわかりませんでした。
虐めかなとも思いました(笑)
しかし、よくよく考えてみると
64タイプのハーモニカは
4オクターブと2音という信じられないほどの
広いレンジ(音域)を持っています。
アレンジャーはこの広い音域を最大限活用して
演奏するように編曲してくださっていたのです。
ただし、この広い音域を
ト音記号の譜面だけで表記しようすると
ハーモニカの一番左の「点の一番穴」のドは
5線の下に下線を4本書いて、その下に位置します。
そこから音はどんどん上に上がって行き、
4オクターブと2音上がった最高音の「12番穴」のレは
5線の上に上線が6本(これが最高音のレ)必要になってきます。
私の読譜力では5線の下に3本、上に4本が限度です。
それ以上の音符は指で線を押さえながら
数えないと直ぐには読めません。(汗、、、)
そこでアレンジャーは
親切にト音記号とヘ音記号を使って読みやすい?様に
書いてくださっていたのです。
しかし実際は
ト音記号からヘ音記号に、
ヘ音記号からト音記号に変わって行く瞬間に
次の音符の高さがわからなくなるのです。
言ってみれば
次はどの穴を吹けば良いの?って感じ。
吹いている自分が
「ここは何処?私は誰?」って感じの
パニックに陥るのです。
そこで私は
無い頭を絞って考えました。
このような超低音域を初見で読みやすく、
演奏しやすくするにはどう書けば良いか、、、
その結論は
音符を全てト音記号で1オクターブ上で表記して、
実際の演奏は1オクターブ下げて演奏すると言う
記号8vaを音符の下に書いておくと言うことです。
そうすることによって
5線の下に下線が一杯出てくることがなくなります。
(下線1本が超低音のドです。)
一般の譜面を見ていると
1オクターブ上げて演奏して欲しい時に
8vaを音符の上に書いて有るのをよく見かけますが、、
1オクターブ下で演奏して欲しいって言うのは
あまり見かけないので
なじみが無いのかも知れません。
でも今回のスタジオ録音は
色んな意味でとっても良い勉強になりました。
今日の曲は
64タイプのクロマチックハーモニカの魅力の
超低音の「点の一番穴」から「12番穴」の
超高音までの4オクターブと
2音の全ての音域を駆使しての
ムード曲「ダニーボーイ」です。
♪ ダニーボーイ(YouTube) ♪