情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

読売が、日米政府の辺野古新飛行場断念を大きく伝える~マスメディアは謝罪しないのか?

2011-01-08 08:31:07 | メディア(知るための手段のあり方)
 本日、読売新聞が3面で大きく、日米政府が辺野古飛行場の新設を棚上げにすることを報道している(ネットには未掲載?)。冒頭の記事がそれだ。「日米同盟立て直し」というキーワードのもと、普天間の切り離し・決着先送りをすることを決めたという内容だ。えっ、「普天間の辺野古移設」が遅れたら、日米同盟が亀裂するのではなかったのか?同盟立て直しのために普天間・辺野古問題を先送りするってどういうこと?…と嫌味の一つも言いたくなる。マスメディアは、2009年秋から2010年初夏までの間、日米関係維持のためには辺野古飛行場新設が不可欠と何度も繰り返し、報道してきたが、それが誤りだったことを認めた。だったら、謝れよ!…本当に腹立たしい。

 結局、辺野古新設が日米関係において決定的に重要だなんていうのは、単なる絵空事にすぎず、それよりも重要なことがたくさんあったというわけだ。だからこそ、普天間・辺野古問題を棚上げすることによって、「日米同盟立て直し」ということになるわけだ。

 ちなみに、先日、普天間・辺野古問題の早期解決が必要だと繰り返してきたマスメディアがいかにして、方針転換を図るか、というメディアリテラシー設問をしましたが(※1)、答えは、「日米同盟立て直し」というキーワードだったようです。

 毎日新聞も、社説に「日米外相会談 同盟立て直しの一歩に」というタイトルをつけ、【普天間問題については沖縄の負担軽減策の具体化を進めることを確認した。解決の見通しは全く立っていないが、この問題が同盟深化協議の妨げにならないよう双方の賢明な対応を求めておきたい】と述べている(http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20110108k0000m070115000c.html)。

 まぁ、呆れて口がふさがらない。普天間問題が日米関係の死活問題であるかのように騒ぎ立て、鳩山政権を退陣に追い込んだのは自分たちマスメディアではないか?

 上記毎日社説は、【鳩山前政権下では沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題がこじれ、米軍の役割や自衛隊のあり方に関する論議を深めることができなかった】とまで書いているが、こじれさせたのは、あなたがたでしょう?

 一言、辺野古問題を過大視しすぎたことについて謝罪があってもよいのではないか?ここで自分たちの誤りを認めることこそが信頼回復の鍵だ。

 各紙の紙面検証委員会は、ぜひ、この問題を取り上げ、ジャパンハンドラーに操られた紙面展開をしたことについてきちんと、社会で反省をしてほしい。

 日米関係で日本がアメリカに借りがあるかのような書き方をすることによって、日本が米国に思いやり予算やグアムへの移転費用を支払うことが当然のような世論を作り出したことは、国益に反する。亡国的な記事だったということになる。

 他の国では、米国が基地を本国に持って帰る際、基地建設費用を支払ってあげるなんていうことは、考えられないことだろう。日本がアメリカの言いなりになっているという象徴のようなもんだ。



 ところで、マスメディアの中でも比較的主流ではない、時事通信と産経新聞は、いまだに、ジャパンハンドラーに操られて、読み違いを続けており、【複数の日米関係筋によると、クリントン長官は、合意履行の時期的なめどを早期に明確にするよう求め、すれ違いに終わったという】(http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011010700868)、【普天間移設の速やかな履行、集団的自衛権の行使容認、非核三原則の見直しなどがそれにあたる。菅政権はこれらを着実かつ速やかに進めることが先決だ】(http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/110108/plc1101080247001-n1.htm)などという報道を続けている。

 この時事と産経と同じ様な報道をほとんどのマスメディアが繰り返していたわけだ。

 いかに歪んだ報道がなされていたのか、よくわかる。

 マスメディアは、自らが歪んだ報道をしてしまったことをきちんと反省しないと市民がどんどん離れていきますよ。

 いまはまだマスメディアに誘導される人が多数を占めていると思うが、菅首相の党内抗争路線に対するネットにおける批判のすさまじさを読み違えてはいけない。



 ところで、菅首相は、自分が頑張っていることを理解してもらえず、萎えているそうだ。しかし、本当に市民が欲することを頑張っているのか?人権に関する条約について個人通報制度の批准をするのは、簡単なはず。なぜ、そういう市民が待ち望んでいることをしないのか?

 鳩山前首相は、日米関係を見直すという裸踊りを演じてくれた。菅さん、あなたはどんな踊りを見せてくれるのか?


※1日米政府は、辺野古米軍飛行場新設を諦めたもよう~マスメディアは「日米関係が破綻」と書かないのかな?
http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/eebfab42382b257401e11e3e3c30e61a


【追記】
朝日新聞が7日夕刊で直接的な記事を専攻して掲載していたのを見落としていました。記録にとどめておきます。

 
 




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Okinawa and a lot of Japanese oppose the transfer of the Futenma base to Henoko


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辺野古棚上げ本決まりの模様~前原、クリントンを前に「沖縄の理解」強調!

2011-01-07 22:50:49 | 有事法制関連
 前原外務大臣がクリントン国務長官との会談後の会見で、「普天間の移設の問題、5月28日の共同声明に基づいての移設を進めるということは大事なことでございますが、これは沖縄の理解というものを得て行うということでございます」と発言し、沖縄の理解なしには辺野古新飛行場建設を行わないと「宣言」した。クリントン大統領を前にしてこのように明確な発言をする以上、辺野古新飛行場建設について棚上げにすることが合意された模様だ。

 前原大臣に対する質問と回答( テープ起こしは末尾)のビデオはこちら→http://www.state.gov/secretary/rm/2011/01/154069.htm
 

 4分25秒当たりから朝日新聞が質問を開始。この質問は事前に知らされていたようで、前原大臣は、ときおり、原稿を見ながら読んでいる。冒頭の画像のように。

 ということは、この回答は、日米間で折り合いがついている、ということになる。

 米国が早期決着に固執しているなら、前原大臣が沖縄の理解ない限り辺野古新飛行場をつくらないと明言するはずがない。

 しかも、御丁寧に、【5月28日の共同宣言に書かれた中身について前に進められることについてはしっかりと前に進めるということについてもお互いが確認をしているわけであります】(テープ起こし参照)と、できることとできないことがあることも明言しているわけだ。


 一度書いたように、昨年末から新年にかけて、この棚上げについては、各新聞社がさまざまな形で伝え始めている。

参照→【米政府は、辺野古米軍飛行場新設を諦めたもよう~マスメディアは「日米関係が破綻」と書かないのかな?】(http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/eebfab42382b257401e11e3e3c30e61a)

 さらに、【国民新党の下地幹郎幹事長は5日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設と、在沖米海兵隊のグアム移転、嘉手納基地以南の基地返還をパッケージで定めた2006年の日米合意を見直し、基地返還を先行して進めるよう、菅直人首相に求める考えを示した。同飛行場の辺野古移設については昨年11月の県知事選で「県民は県外・国外移設を決めた」と述べ、県内移設に反対する考えを強調した】という動きも出ている(http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-01-06_13428/)。

 このように舞台が整えられつつある中での、前原発言の意味は大きい。

 しかし、ここで安心をせず、じゃぶじゃぶ、グアム移転に日本の市民の税金をつぎ込んだりさせないよう、しっかりと見守りましょう。

 ところで、普天間は、実際に、グアムに海兵隊が移転すれば、沖縄に残る部隊はごくわずかとなり、事実上ほとんど使用されない状態となるでしょう。そうなったら、改めて要否について議論をするべきでしょう。



■ ■ ■前原大臣に対する質問と回答 テープ起こし 開始■ ■ ■

4分25秒

【鶴岡朝日新聞記者】
普天間飛行場の移設問題についてうかがいます。
まずさきほどクリントン長官から御紹介があった2+2での合意というのは普天間の移設先を決定する合意になるんでしょうか。
また前原大臣は国内で普天間問題の期限を区切らないというお考えを示していますけれども、会談ではどのような説明をされたのでしょうか
クリントン長官は日本側の期限を区切らないという考えに理解を示されているんでしょうか

【前原】
 しかるべき時期に2+2を行うということについてわれわれは合意をしております。そして、5月28日の共同宣言に書かれた中身について前に進められることについてはしっかりと前に進めるということについてもお互いが確認をしているわけであります。

 大事なことは、もちろん、普天間の移設の問題、5月28日の共同声明に基づいての移設を進めるということは大事なことでございますが、これは沖縄の理解というものを得て行うということでございます。

 北朝鮮のさまざまな挑発行為、あるいは、変化する我が国あるいは地域周辺の戦略環境にどう対応していくのか。そのために、アメリカのプレゼンスというものは極めて今後も重要でありますし、その核となっている在日米軍というものの維持をしっかり行っていくことが何よりも大事だということで、われわれとしては沖縄の基地負担軽減とアメリカのプレゼンスに基づく抑止力の維持というものを両立させる努力を今後もしていきたいと考えております。


■ ■ ■前原大臣に対する質問と回答 テープ起こし 以上■ ■ ■



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フリージャーナリストの畠山理仁さんが総務大臣会見を記者クラブに無断Ust配信~何の支障もないようだが…

2011-01-05 18:05:01 | メディア(知るための手段のあり方)
 裁判が公開でなされるのはなぜでしょうか?法廷でメモをとることを認めたレペタ訴訟の最高裁判決は、裁判公開原則の趣旨を「裁判を一般に公開して裁判が公正に行われることを制度として保障し、ひいては裁判に対する国民の信頼を確保しようとすることにある」としている。記者クラブ主催の会見、特に、放送行政を担当する総務省の記者会見については、記者クラブ加盟社と総務省側の慣れ合いが懸念されるため、両者の関係の公正さを明確にするためにも公開されなければならないのではないだろうか?

 ということで、1年にわたって、フリージャーナリストが総務省の記者会見の生中継を求めてきたが、記者クラブ側がペンディングしてきたため、ついに、フリー側が実力行使に出た。許可なく、記者会見を生中継したのだ。

 冒頭の画像は、その一部。
ビデオはこちらから→
コピぺ→http://www.ustream.tv/recorded/11824836
クリックのみ→http://www.ustream.tv/recorded/11824836

 20分30秒当たりで畠山氏がクラブの開放度について大臣への質問を開始し、26分ころに、現に動画配信中であることを暴露した。その後、幹事社とのやりとり…。

 そして、会見終了後には、記者クラブ加盟社との交渉も収録されている(1時間1分30秒あたりから)。

 記者クラブ加盟社以外のジャーナリストの取材に関する問題、みなさんは、どう考えますか?

 私は、裁判の公開原則と同様に、記者会見が公正に行われていることを保障するために、原則としていかなる者に対しても公開しなければならないし、生中継も特段の支障がない限りは制限するべきではないと考えます。

 具体的な支障がない限りオープンにするべし、という意見に対しては、クラブ側は正面から反論できないはずだ。

 そこで、会見をオープンにしてもフリージャーナリストの出席は少ないのではないか?とか、面白いところだけ聞きに来るのではないか?という批判をしたりするわけだが、ここがまさにポイント。

 裁判の公開だって、大多数の事件は関係者が来るだけで、傍聴人がいるわけではない。

 しかし、だからといって、非公開にしていいっていうわけではない。いつでも見に行ける、という制度になっていること自体が重要なわけだ。

 記者会見だって同じこと。いつでもフリージャーナリストが行けて、生中継をすることができるという運用があって、はじめて、公正さが保障されるわけだ。

 くだらない質問で会見の時間が奪われるっていう反論もあるだろうが、一定程度質問についてはクラブ加盟社が優先されるようにすればいいだけのこと。

 それにもかかわらず、クラブ側がフリージャーナリストの要望を1年間も放置(※1)したために起きた抵抗権の行使! 海老蔵氏の事件よりもよほど重大な事件だったと思うが、この無断放送事件は、いまのところ、大手メディアでは報道されていないようだ。

 あなたは、クラブ側、フリー側どちらを支持しますか?


 ※1 http://kaikennow.blog110.fc2.com/
 

 
 



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小沢辞職を迫る菅首相の言葉をそのまま伝えるメディアは、犯人視報道自粛違反だ!

2011-01-05 08:07:30 | メディア(知るための手段のあり方)
 【菅直人首相は4日の年頭記者会見で、民主党の小沢一郎元代表が強制起訴された場合は離党や議員辞職を含む出処進退を自ら判断するよう求め、昨年末からの「小沢切り」姿勢を一層強めた】(http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110105ddm002010030000c.html)ことをマスメディアは当然のように報道している。しかし、その報道姿勢は、犯人視報道をしないという各媒体の指針に反するのではないか。

 たとえば、新聞テレビ各社が加盟する新聞協会は裁判員裁判が開始されるのを機に次のような指針を発表している。

【これまでもわれわれは、被疑者の権利を不当に侵害しないなどの観点から、いわゆる犯人視報道をしないように心掛けてきたが、裁判員制度が始まるのを機に、あらためて取材・報道の在り方について協議を重ね、以下の事項を確認した。
  ▽捜査段階の供述の報道にあたっては、供述とは、多くの場合、その一部が捜査当局や弁護士等を通じて間接的に伝えられるものであり、情報提供者の立場によって力点の置き方やニュアンスが異なること、時を追って変遷する例があることなどを念頭に、内容のすべてがそのまま真実であるとの印象を読者・視聴者に与えることのないよう記事の書き方などに十分配慮する。
 ▽被疑者の対人関係や成育歴などのプロフィルは、当該事件の本質や背景を理解するうえで必要な範囲内で報じる。前科・前歴については、これまで同様、慎重に取り扱う。
 ▽事件に関する識者のコメントや分析は、被疑者が犯人であるとの印象を読者・視聴者に植え付けることのないよう十分留意する。】

 小沢氏に関する報道は、この指針に真っ向から反しているのではないだろうか?菅氏の発言をそのまま伝えるだけでは、識者のコメントについては犯人であるとの印象を与えないように留意しなければならないという点に違反する。少なくとも、菅氏の発言を報道する際には、「小沢氏を犯人視してはならない」ことも合わせて報道しなければならないはずだ。

 御存じのとおり、実際には、社説を含め、ほとんどのテレビ・新聞は、小沢犯人視報道を繰り返している。

 もっとも、政治家の場合には、一般の人と違うという見解もあるだろう。独自の調査で政治家や官僚の問題を発見し、報道する必要があるのは当然であり、その場合には犯人視することになる。

 しかし、具体的な事実について書くこともしないで、犯人視(=ペナルティを課せと迫ること)することはたとえ、対象が政治家であっても許されることではない。

 本件で、小沢辞任を迫る管首相、その発言をそのまま報道するマスメディアは、検察審査会で問題とされた以上の事実を指摘してはいない。

 そうだとするならば、検察審査会で問題とされた事実のみをもって犯人視することが、本件において可能かどうか、ということになるわけだ。

 まず、検察は、この事実については起訴できないという判断をした。

 これに対し、検察審査会は、

【検察審査会の制度は、有罪の可能性があるのに、検察官だけの判断で有罪になる高度の見込みがないと思つて起訴しないのは不当であり、国民は裁判所によってほんとうに無罪なのかそれとも有罪なのかを判断してもらう権利があるという考えに基づくものである。そして、嫌疑不十分として検察官が起訴を躊躇した場合に、いわば国民の責任において、公正な刑事裁判の法廷で黒白をつけようとする制度であると考えられる。】

という理由で起訴すべしと判断したわけだ。

 検察審査会は、黒だという確信的な心証があるわけではなく、【国民の責任において、公正な刑事裁判の法廷で黒白をつけようとする制度】だから起訴してペナルティーを与えるべきかどうかを判断するべきだと言っているわけだ。

 そうであれば、黒白をつける前に、議員を辞職せよ(=ペナルティーを与えよ)と迫るのは、検察審会の決定の趣旨に明らかに反する。決定がいう「国民の責任」には、黒とされるまでは、白だとみなすということも当然、含まれるはずだ。そうでなければ、黒という確信を持っていない者に裁判という負担をかけることはできないはずだ。

 しかも、国民のなかには、小沢氏に投票した有権者も含まれるわけだ。黒だと判断される前に小沢氏に辞職を迫ることは、それら有権者の国政に参加する権利をも侵害する。

 菅氏が小沢氏に進退を迫る発言は、検察審査会の決定の趣旨に反するものであり、むしろ、その点をこそ、マスメディアは問題視するべきだとさえ、思う。

 これに対し、小沢氏は、「僕自身のことは私と国民が裁いてくれる」と発言した。検察審査会の決定(国民の責任において、公正な刑事裁判の法廷で黒白をつける)に即した発言であり、極めて正当な発言だ。

 「国民の責任」を無視して小沢氏に進退を迫る発言をする菅氏、そして、その発言を増幅し、小沢切りを迫るマスメディアの異常さをどれだけの「国民」が理解しているだろうか…。

 起訴されたら事実を争っていても議員辞職しなければならない、そんな国があるだろうか?少なくとも、三権分立という制度を備えた近代的な民主主義国で、そんな国はないはずだ。そのようなことが認められたら、検察や検察を利用した権力が気に入らない政治家を弾圧するために、いくらでも、同じ手法を使えるということになるだろう。

 三権分立という制度を備えた近代的な民主主義国で小沢氏に議員辞職を迫ることは、近代的な民主主義国ではない国で長期間、不当に身柄を拘束すること(たとえば、ネルソン・マンデラ、アウン・サン・スー・チー、金大中、劉暁波の各氏の事例)に匹敵することではないだろうか。

 不逮捕特権が認められている趣旨から考えても、起訴されたら辞職、ということの異常性が理解できるはずだ。

 小沢氏個人の問題を離れても問題は大きい。小沢問題に関する報道を目にした市民は、起訴されたら悪人だという印象を持ってしまう。報道機関がいくら犯人視報道をしないという建前を述べても、まったく効果がない。せめて、小沢問題について、なぜ、犯人視できるのかを説明してくれればいいのだが…。
 
 検察審査会のメンバーは、自分たちの決定が、公正な刑事裁判で黒白つける前に、公正な刑事裁判の場以外で利用されることについてどのように感じているのだろうか…。




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ウィキリークス、在日大使館作成の米公電へのアクセス方法について

2011-01-04 08:01:35 | メディア(知るための手段のあり方)
 ついに、ウィキリークスが在日米大使館が作成した公電の公開を開始した。最初の3通は、捕鯨に関するものだということだが、合計5000通あるそうなので、これからどんなものが出てくるのか、お楽しみだ。ただし、アクセス方法が必ずしも知られているわけではないので、ここで解説をしておきたいと思います。面白い情報が出たにもかかわらず、マスメディアが伝えていない、ってことがわかったら、お互いに知らせあいましょう!

 まず、ウィキリークス (WikiLeaks)のサイトは、WikiLeaksと入れて検索すれば、すぐに見つかる→http://213.251.145.96/
 
 ただし、国家からの攻撃などによってダウンすることがあるので、その場合には、Wikileaks Mirrorsで検索すれば、同じ内容が保管された別のサイト(ミラーサイト)を探すことができるので、そちらに入ってください。

 最初のページ(トップページ)では、赤丸で囲んだ「Cablegate: 250,000 US Embassy Diplomatic Cables」をクリックしてください。




 「Secret US Embassy Cables」というページが現れます。



 少し下げていくと、左側に「Browse by origin」という小さなアルファベットの並ぶ四角が出てきます。その四角の中の文字のうち、「T」をクリックしましょう。




 新しい箱が開きます。その上から3つめに「Embassy Tokyo」と出てくるので、それをさらにクリックしてください。




 すると、「Browse by Embassy Tokyo」という頁が現れ、在日大使館が作成した公電を見ることができます。



 現在は、3つだけが公開されています。

 一番左側の「Reference ID」の部分に書かれた番号をクリックすると、それぞれの公電が開かれます。




 さて、学生さん、冬休みの宿題として、翻訳してみませんか?

 さらに、日本を話題にした公電をできるだけ見たいという方は、左側に出る「Browse by tag」の「J」をクリックし、出てきた小窓の「JA」をさらにクリックすると、日本関連の公電が出てきます。

 こちらは、現在、9通で、在日大使館の3通のほか、在英大使館と在中大使館が各2通、米国務省、在韓大使館が各1通となっています。





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割り算をさせない官僚とメディアが日本を不幸に導く~一人ひとりを大切にする年に!

2011-01-03 12:05:36 | メディア(知るための手段のあり方)
 新年号の週刊金曜日の対談でお会いした三橋順子さんが、テレビや新聞が自殺の人数を県別に発表した警察の情報をそのまま生の数字で発表し、どの県が一番自殺が多いとか報道していたことを嘆いていた。「単純な数で比較すれば、東京などの大都市圏が多くなるのは当たり前で、人口比で割る必要がある。実際に割ってみると、地方の方が自殺率は高いことが分かり、対策もそれに応じたものが必要となることが分かるはずだ」という趣旨のことを話されていた。そのときには、生の数字だけで自殺率を報道しないメディアなんてそんなにあるはずもなく、たまたま三橋さんが見たのがそうだったのだろうと、思っていた。

 しかし、昨年末、犯罪統計のニュースで次のようなものが複数のメディアに掲載されていた。犯罪の数を生で比較してもあまり意味がなく、本来、発生率を問題にしなければならないはずだ。それがそうなっていない。三橋さんの言っているとおり、メディアの劣化は甚だしいな~と改めて思った。

【00年から10年連続で街頭犯罪の発生件数が全国最悪だった大阪府が、ワーストワンを返上する見通しになった。警察庁が16日にまとめた今年11月までの犯罪統計によると、東京都が11年ぶりにワーストワンになり、大阪府は2位。ひったくりも今年は千葉県が最悪のペースで、大阪府は35年ぶりの汚名返上を果たせそうな情勢だ。】(http://mainichi.jp/select/jiken/news/20101217ddm012040044000c.html)

 でも、これって、ただのマスメディアの劣化なのだろうか…。よく考えたら、日本では、昔から、官僚が昔から全体での数字を重視した発表をし、それをメディアがそのまま流してきたのではないだろうか?

 たとえば、GDP。日本が中国に抜かれて3位になったことが騒がれた。しかし、1人当たりで考えるならば、2009年度は前年から6ランクアップしてようやく、17位に過ぎない(http://ecodb.net/ranking/imf_ngdpdpc.html)。

 日本が経済大国なんていうのは、ある意味、個々の幸せを無視した全体的な考え方に基づく主張に過ぎない。

 我々はこうして、全体でしかものごとをとらえることができず、個々の抱える本質的な問題に目を向けることができなくなっているのではないだろうか?

 自殺率や犯罪率を人口比で見ないということは適切な対策がとれないということだし、経済指標についても、人口比で見ないで、「ジャパンはまだまだ底力がありまっせ」って楽観的な見方をしていても仕方がない。なぜ、ほかの国では1人当たりの経済指標がよいのか、それを検討し、学ぶべくは学ばなければ、取り残されてしまう。

 このある単位を中心にものを見る考え方というのは、最近、ときどき、マスメディアから発信される「働かざる者食うべからず」っていう論調にも似ているように思う。

 一方でサービス残業で1.2倍くらい働かせるっていうことは、それだけ、ほかの人の労働機会を奪っているということになる。残業をさせなければ、数字だけからは失業者は出ないことになるわけだ。

 それを無視して、抽象的に若年層の生活保護需給が増えているのはやる気がないからだ、などという議論をしても仕方がない。

 問題を深く考えることをさせない、本質的な問題を考えさせない、簡単にテレビ・新聞の論調に流されてしまう…。日本の官僚とマスメディアはそういう人を生み出す方向での情報提供をし続けてきたのではないだろうか?意図的ではないとしても…。

 ジャーナリストの皆さん、あなたがいま書こうとしている記事に使われているデータは、意味のあるものになっていますか?…金メダル数だって、ノーベル賞の数だって、人口比でランキングすれば、違う世界が見えてくるのではないでしょうかね~。

 あなたの記事のデータの見せ方が、日本の社会を変えることに繋がるのではないでしょうか?

 そして、我々市民は、マスメディアのデータの見せ方がおかしければ、「そりゃ、おかしい」と指摘していきますよ、ねえ、皆さん。






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日米政府は、辺野古米軍飛行場新設を諦めたもよう~マスメディアは「日米関係が破綻」と書かないのかな?

2011-01-02 12:40:41 | 有事法制関連
 辺野古に米海兵隊の新飛行場を建設する計画がとん挫したようだ。辺野古を巡ってマスメディアは、建設が遅れると日米関係に亀裂が生じると連日のように鳩山たたきを続けたが、あのばか騒ぎはいったい何だったのだろうか?本来であれば、管政権も同様に叩かなければならないのではないか?いつ、マスメディアは、スタンスを変えたのだろうか?そして、それはなぜだろうか?メディアリテラシーの材料としてこんなに適切なものはないのではないだろうか?と皮肉の一つも言いたくなる。

 辺野古の頓挫については、共同通信が

【政府は31日、今春に予定される菅直人首相訪米時に取りまとめる日米同盟深化に関する共同声明で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題を事実上、棚上げする方針を固めた】(http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010123101000254.html)

と直接的に報道したが、その直前、読売新聞(冒頭の画像)が、

【沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題で、政府が同県の基地負担軽減策として、同飛行場でのヘリコプター部隊の一部訓練の県外移転検討に着手したことが分かった。複数の政府関係者が30日、明らかにした。同飛行場のヘリ部隊の訓練移転が実現すれば初めてで、住宅が密集する同飛行場周辺の危険性除去にもつながる】(http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101230-OYT1T00767.htm)

と普天間が継続使用されること(=辺野古が建設されないこと)を前提に報道した。普天間の基地負担軽減という記事の中で、「辺野古」の3文字がまったく出てこないことがそれを裏付けている。辺野古が建設されることが前提ならば、ヘリコプター訓練の県外移転と辺野古新飛行場との関係に触れないではいられないからだ。

 したがって、辺野古断念は、おそらく間違いないのだろう。

 そして、辺野古断念の主な理由は、上記共同通信が

【2010年12月の首相と前原誠司外相の沖縄訪問を踏まえ、日米合意に基づく同県名護市辺野古崎地区への移設に短期間で県民の理解を得るのは困難と判断】

と伝えたとおりなのだろう。

 他方で、共同は、

【米側が普天間問題の長期化を懸念し難色を示す可能性もある】

と付け加えてはいるが、読売新聞が12月30日の一面トップで、辺野古を断念したことを前提とした記事を書いたことからも明らかなように、おそらく米国は、この辺野古断念を受け入れているのだろう。日米関係の悪化をどの新聞よりも危惧していた読売新聞が自ら米国の意に真っ向から反するような記事を書くはずもないからだ。

 私見を裏付けるのは、朝日新聞の12月21日の記事(http://www.asahi.com/politics/update/1221/TKY201012210219.html)と1月1日の記事(http://www.asahi.com/politics/update/1231/TKY201012310292.html)だ。

 前者の記事は、沖縄海兵隊のグアム移転(一部は沖縄に残る)のためのグアム基地新設に関する日本側負担のうち、上下水道などのインフラ整備の出融資の枠組みについて合意したことを伝えるもので、次のような内容となっている

【当初は、日本政府から利子付きの融資を受けたJBICが事業者に融資する案が検討されていた。だが、これでは事業者への貸出金利が高くなり、米軍や島民の使用料収入だけでは事業者が返済できなくなる恐れもあり、日米間の協議は難航していた。
 そこで菅内閣は、日本政府からJBICに大規模な出資を行い、利子付きで貸す部分を少なくし、JBICによる低利の貸し出しを可能にする。JBICへの出資金は事業終了後に返還される予定。12年度予算以降の出資金の額は今後改めて検討し、融資部分から発生する金利は米軍が負担する。】

 簡単にいえば、日本の税金を無利子で米基地建設に出資してあげますよ、という太っ腹ぶりを示すものだ。なぜ、ここで新たな貢物をする必要があるのか?辺野古基地建設というプレゼントができなくなってしまう代わりだと考えると辻褄があう。

 後者の記事は、

 【沖縄県の米軍嘉手納基地に所属するF15戦闘機の訓練の一部について、米領グアムに移転することで日米両政府が合意したことが防衛省への取材で分かった。騒音被害の軽減のために2007年春から、嘉手納基地から国内の自衛隊基地へ振り分けてきたF15の訓練移転先に国外を加える構想だ。在日米軍の訓練の分散移転が進む中で、国外移転は初めて】

 というものだ。

 普天間基地を閉鎖するというのが、沖縄の負担軽減のシンボルとなっており、それ自体が海兵隊のグアム移転とパッケージにまでなっていた。したがって、普天間基地閉鎖が延期されれば、「グアム移転への日本負担なんてとんでもない。減額しろ~」という声が上がるのは必至だ。

 そこで、事前に、嘉手納の負担軽減も盛り込むことで、「嘉手納の騒音の一部をグアムに持っていくことになりました。日本が負担するインフラ整備はグアムの空軍基地維持にも役立つものです。ですから、これまで以上の負担を税金から支払ってもいいでしょう」ということになるわけだ。

 以上のように考えれば、それぞれの記事がつながってくる。

 米側が辺野古にこだわっているとしたら、嘉手納で妥協なんかしてくるはずもないしね…。かれらの交渉テクニックからして、類似問題で不満が残っている場合に譲歩をすることは考えられない。常に交渉経過を記録し、次の交渉に向けて準備をしている彼らにとって、嘉手納での譲歩はそんな簡単なことではないはずだ。

 え、それでは、普天間の負担が残ってしまうから、沖縄の市民が許さないのではないか?ですって…。

 いい質問です。実際に、グアムに海兵隊が移転すれば、沖縄に残る部隊はごくわずかとなり、普天間が事実上ほとんど使用されない状態となるでしょう。そうなれば、沖縄の市民の普天間への反対運動も鎮火する、とこう読んでいるわけでしょう。

 そう考える理由は、「再編実施のための日米のロードマップ」において、海兵隊のグアム移転と辺野古新設がパッケージになっていることです。(http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/g_aso/ubl_06/2plus2_map.html)

 もし、海兵隊グアム移転後も普天間が盛んに使用されるならば、パッケージにする必要はないわけです。海兵隊グアム移転が実現したら、普天間がほとんど使用されず、辺野古を新設する必要がないことがばれてしまうために、パッケージにしたとしか考えられないわけです。

 もちろん、印象としては、先に述べたように、海兵隊のグアム移転のための日本側負担をさせやすくするために、パッケージにしたともいえます。しかし、普天間の機能をグアムに持っていくというプランであれば、その印象通りですが、実際には、普天間機能は辺野古に持っていくというのがロードマップなのですから、普天間の廃止・辺野古新設は、沖縄にとって負担軽減にはなっていないため、パッケージにされる意味がないわけです。

 しかし、なぜ、米軍は、せっかく、日本政府から獲得した辺野古の新施設を諦めることをこの時期に決意したのだろうか?

 やはり、知事選の結果、沖縄の民意が明確となったのが大きいだろう。

 なぜ、今か。
 それは、この問題を日本政府にかかえさせておくと、あらゆる政権が辺野古新基地を実現できず、マスコミのいう日米関係の深刻な亀裂が生じる恐れがあることを理由に政権を投げ出さざるをえなくなるからではないだろうか。



 なんだか、眠くなってきた…。ジャパンハンドらーたちの会話が聞こえてくるような気がする…。

 「いやぁ、自民党は壊滅的な状態になるかと思ったが、民主党が自民党の過去の反国民的な政策についてばらしたりしなかったから、なんとか壊滅は免れた。でも、こんなに早く、自民党に政権の目が出てくるとはね~」

 「ほんと。官僚がうまく、民主党閣僚をだましてくれたからね。それに、日本のマスメディアもうまくやってくれたね。本当におれたち米国政府のために記事を書いてくれているんじゃないか、って思うよね(シニカルな笑)」

 「朝日の新年の社説読んだかい。民主党に対して、公約(マニフェスト)を白紙にしろって言っている。それって、民主党を舐めているってことだけど、民主党に投票した有権者を馬鹿にしているってことだよね」

 「まぁ、あれだけ支持を失った自民党が何にも反省しないままで、支持率が回復したのは、マスメディアの貢献だから、有権者をばかにするのも当たり前だね。なんでもできるってことだ」

 「しかし、これで、自民党政権に戻ったら、マスメディアと政権の蜜月関係はさらに深くなるんだろうな」

 「そうなれば、我が国が資源を巡って戦争をするときに、日本の自衛隊も参加させることが実現するのではないか?」

 「そうだね、ショー・ザ・フラッグ、ブーツ・オン・ザ・グラウンド、の次は、Shed your blood(あなたも血を流せ)ってところかな」

 「そこまで露骨でいいのか(大爆笑)」

 「ただ、あまり行き過ぎて、軍拡が進むのも危険ではあるね」

 「そういうときには、行き過ぎた政治家をマスメディアを使って叩けばいいんじゃないか」

 「そうだな。マスメディアの痛いところはわれわれが押さえているんだから」(=シニカルな笑いの理由)

 …あ、嫌な初夢見ちまった。

 いずれにせよ、沖縄の皆さんの粘りがこの結果を生んだのではないだろうか。無駄な税金をグアムにつぎ込まされる日本の納税者が一番の敗者だ(そういう意味では沖縄の人も含む)。米国政府は、グアム移転費用を日本に負担させたので勝者。

 日本の政府は、日本の納税者に損をさせたという意味では本来責任が大きいはずだが、約束をした時の自民党政権は、いまは、野に下っており、痛くも痒くもない。民主党政権にいやなところを全てやらせた後で、政権に復帰することができれば、すばらしい勝利。そういう意味で、自民党は勝者、民主党政権は敗者だ。

 この構図を市民が共有し、問題が自民党政権にあったことを認識して投票することができれば、勝者と敗者が入れ替わることもあるのでしょうが…。

 …そういう夢を、ミ・タ・イ・ナ。デモ、ミンシュトウガ、ベイコクニ、ミツギモノヲ、ササゲルヨウナ、テイタラクブリデハ…。

 いったい、どこに投票すればいいんだろう?

 

■メディアリテラシーとしての設問■
「読売新聞12月30日一面トップの記事で、辺野古の3文字がまったく使われていない理由を考えてみよう」

「辺野古を断念との記事が明確書かれる際、日米関係の破綻という論調を避けるためには、どのような書き方をすればいいか、自分が新聞の主筆や主幹になったつもりで考えてみよう」







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