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暗闇から突然激しいオルガンの音が聞こえると同時にそれを演奏している怪人がライトに照らされ、ボートの中で寝ているクリスティーンや怪人の部屋全体も見えるようになる。オルガンの音は20秒弱で終わり、その後、怪人とクリスティーンの中間あたりに置かれた猿の人形付きのオルゴール(プロローグでシャニュイ子爵=ラウルが落札したもの)がメロディーを奏でる(このメロディーは後の第2幕第1場で使われる「マスカレード(仮面舞踏会)」という曲ののメロディー)。
ボートの中で眠っていたクリスティーンが目を覚ます。そして昨夜のことを思い返す。
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"I REMEMBER / STRANGER THAN YOU DREAMT IT"
CHRISTINE:(クリスティーン)
I remember there was mist, swirling mist upon a vast, glassy lake...
霧が大きなガラスのような湖に渦巻くように出ていたのを覚えている
There were candles all around, and on the lake, there was a boat…
ろうそくが辺り一帯に灯っていて湖の上にはボートがあった
And in the boat, there was a man.
ボートの中には男の人がいた
(ここでクリスティーンはオルガンを机代わりにして一心に作曲に取り組んでいる怪人を目にする。そして気づかれないままに怪人に近づく。)
Who was that shape in the shadows? 影の中の姿は誰だったのかしら
Whose is that face in the mask? 仮面の下にあるその顔は誰なのかしら
(そして、とうとう彼女は怪人の仮面を外す。怪人は悲鳴を上げ、手で顔を隠す。)
PHANTOM:(怪人)
Damn you! You little prying Pandora! くそー! 詮索好きのパンドラめ!
You little demon - is this what you wanted to see! お前は悪魔だ -- お前が見たかったものはこれか
(右手で顔を隠しながら怪人は逃げるクリスティーンを追いかけて突き飛ばす。クリスティーンはその場にうつぶせに 倒れる。)
Curse you! You little lying Delilah! 呪ってやる お前は嘘つきのデリラだ
You little viper - now you cannot ever be free! お前は毒蛇でもう自由になることはできない
Damn you... Curse you... くそー! 呪ってやる
(恐ろしさに頭を抱えて立ち上がれないでいるクリスティーンに向かって怪人は罵りの言葉を吐き、彼女からやや離れたところに膝まづく。そして徐々に息が整ってくると、自分のことについて強い語気で話しながらクリスティーンに近づこうとする。)
Stranger than you dreamt it 思っていたよりも醜いだろう
Can you even dare to look or bear to think of me あえて私を見る、あるいは私のことを考えることができるだろうか
This loathsome gargoyle, who burns in hell, 地獄で焼かれた顔の怪物を・・・
But secretly yearns for heaven, secretly... secretly... しかし、密かに天国に憧れているのだ
(クリスティーンは上半身を起こし、顔を怪人の方に少し向けながら聞く。この頃になると怪人の激しい怒りは影を潜め、説得の口調になる。一瞬クリスティーンは怪人に対する哀れみのような表情を見せるが恐ろしさも消せないでいる。怪人はクリスティーンに四つん這いのような格好で近づくがクリスティーンは下半身を引きずったまま後ずさりをする。)
But, Christine. クリスティーン
Fear can turn to love - you'll learn to see, 恐れは愛へと変わることもあるーーお前は分かるだろう
To find the man behind the monster, 怪物の裏側にいる男が、
This repulsive carcass, who seems a beast, 野獣のように見えるおぞましい男が
But secretly dreams of beauty, secretly… secretly… 密かに美しさを夢見ていることを
(上半身を起こしたままでクリスティーンは恐れと同情の入り混じった表情を怪人へと向ける。)
Oh, Christine… No. ああ、クリスティーン。いや、だめだ。
(怪人は自分の思いを告げたことを後悔したのか、思いが届かないと諦めているのか、このように彼女の名を呼んで話を終える。
クリスティーンの表情は恐れから悲しみと哀れみが混在したものへと変わっていて、彼女は身近に落ちていた怪人の仮面を拾い上げ彼に渡す。
怪人は受け取り再びそれで顔を隠すとクリスティーンの手を取り、次のように言いながら彼女を部屋から連れ出す。)
Come, we must return – those two fools who run the theatre will be missing you.
戻らなければならない -- 劇場経営のあの2人のバカがお前を探しているだろうから。
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二人が上手に去る途中で照明がフェードアウトして第6場が終了する。暗い中、短い時間でセットが入れ替えられ第7場へと続く。
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