大工の学校 

築き人(きづきびと)を志す、職業能力開発校の徒然日記
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就職についてのお話

2012年02月15日 | お知らせ
 さてさて、本日は建築科の就職のお話です。

これは、就職に関する僕の考えなので、とくにすべての訓練校の各訓練科が同じような流れで行っているとは異なるのであしからず。(ほとんどの科はカリキュラムの都合上、インターンシップは行なっておりません。)

僕はこちらのような流れを基本に、就職支援を行っております。(クリックで拡大)
                 

職人の求人はあまりハローワークには出ませんからね。


就職先には以下のパターンが考えられます。

1 ブログのタイトルのとおり、「大工」

2 木工、建具、現場管理、営繕、建築営業などの「関連職種」への就職

3 他業種への就職

4 木工などの自営

5 その他(自治体の町長になった人も・・・・)

6 就職しない(これは来ちゃだめです)



面接時に出来うる限りの状況は説明しますが、入校後、本人の意向を聞いたうえで
25歳以下であれば大工さんをメインに就職相談をします。


25歳を超えると、賃金面(どうしても最低賃金からとかが多いので・・・)や伸びしろを考えて、関連職種の就職を視野に入れてもらってます。


35歳を超えると、セーフティネットの割合が強くなり、いい就職先を一年かけて探しましょうということですね。


しかし、若いからといって、誰でもかれでも大工に就職させる気持ちはありません。


先日、BSの番組であった、「たけしアート☆ビート」で宮大工棟梁の小川三夫さんが


若い子が大工になるためには「自分には大工しかないと思ってないとだめなんだよね」とおっしゃっておりました。


「家を建てることが好きで大工しかない」とか「自分は勉強が出来ないから大工しかない」など意味合いは色々ありますが、自分の仕事はこれしかないと覚悟を決める、これで一生 生きていくんだという覚悟がないと、続かないそうです。


本当にそうだと思います。当たり前のことだけど、すごく心に響きました。


それでは、その覚悟はどうすればできるか?こんなはずじゃ無かったとするためにはどうすればよいのか?


一つの答えがインターンシップですね、
これは訓練の一環として、実際の職場を一週間体験してもらい、適性や相性などを感じてもらうことです。



ということで、技能祭の木工作品を作る傍ら、今週は若い訓練生を中心に10名が実際の現場に出ています。職種は大工、木工など様々です。


日田校時代から数え、もうすでに結構な回数を行っているのですが、インターンシップ=就職につながるか?と言えば、40%ぐらいでしょう。



実はインターンシップ後に企業に伺うとほとんどの企業が「卒業後、うちにきてもいいよ」という内定パスはいただけるのです。


では、なぜ40%程度なのか 


1人で何回もインターンシップに出る子もいますが、現実や内情を知り、内定を断る訓練生も結構いるのです。この業界自体の就職を諦めるものもいます。


むしろ、思い切って何も知らない状態で飛び込んだ方が関連職種への就職率はUPすると思います。




僕も転職を何回かした身です、たしかに慎重になる気持ちも解るのですが、一度インターンシップに行けばそれだけ覚悟が違うと思うのです。


だから、就職率よりも定着率をと考えているので、積極的にインターンシップを活用しています。




受け入れ先企業には、正直ご迷惑をお掛けすることが多いとは思っていますが、これも建築業界に優秀な人材を送り込むためと思い厚かましくお願いしています。


先日の大工さんの年齢構成のグラフを見ていただくと、経営者さんも後継者不足の問題は感じているのです。



書類のやり取りや、一人一人受け入れ先に案内し、打ち合わせを行い、必ず作業している姿を見させてもらってます。

いろいろ新しい工法や、大工さんの意見を聴き、古民家の改修の現場など目の肥やしにもなりますしね。


結構な仕事量ですが、これで訓練生の未来が開ければやりがいも増えるというものでしょう。

昨日、今日と、さまざまな現場で働く訓練生を見てきました、実際ハラハラです、だけど皆生き生きと頑張っていました。

やっぱり、実際の現場はいいですね~ (自己否定?)


おしまい。


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