さてさて、本日は鉋についてです。
かんなの種類は、たくさんありますが、有名な話では西洋や日本を除くアジア圏などでは、かんなは前に押して掛けますが日本では、ご存じのとおり、手前側に引いて掛けます。
写真は、昨年行った竹中工務店本社での鉋展のパンフレットから引用しました。
さて、生徒さんにも例年のごとく説明するのですが、鉋と言って、すぐに頭に浮かぶものは、「台鉋」と呼ばれるものです。
古来では、下の写真のような槍の形をした槍鉋が使われてきました。
このかんなは宮大工 西岡常一棟梁が現在に蘇らせた道具といわれています。
これで、丸い柱などの表面を削っていたのですね。
最初の写真にあるような台鉋は1000年ほど昔に誕生したといわれています。
製材技術が上がり、角材が使われるようになるにつれて槍鉋ではどうしても効率が上がらないということで生まれたんでしょうね。
さらにそこから、さまざまな鉋が派生していきました。
トリマーやルーター、溝切りカッターなどが主流となり、現在ではほとんど使用されませんが、かんなにも用途によっていろいろな種類があります。
左から、底しゃくり鉋 豆反りかんな 面取りかんな 丸かんな 豆台かんな 際かんな 脇取りかんな
左から 反りかんな 外丸かんな 内丸かんな 台直しかんな 蟻かんな
底しゃくり鉋や際鉋などは、鴨居の溝を掘る時などに使われてきました。
蟻かんななどは、今でも結構木工などで重宝します。
丸かんなは砥石を形に合わせて加工しないといけないので、大変です。
ところで話は戻り、台鉋です。大工の学校では生徒さん用に寸八鉋と呼ばれるものを二丁貸出し、それぞれ台の仕込み、刃の砥ぎなどを調整して、荒かんな、仕上げかんなとして使用しています。
以前からの読者の方はご存じでしょうが、寸八鉋には寸八(54mm)の部分はありません、通常刃の幅は72mm程度でしょうか?
では、なぜ寸八と呼ぶのか?これは柱などを削る時に寸八程度の幅の削り屑が出ますよ、ということです。つまり最低54mmの幅は出るように調整しなければなりません。
鉋は本当に難しい道具です、砥ぎにしろ台の調整にしろ、中途半端にこれでいいかな?ということでは、薄く幅の広い削り屑はでません。
初心者の訓練生の皆さんは、はじめは砥石に刃をあてて、前後にこする程度に思っていたでしょうが、いざ始めてみると砥ぎの奥の深さに感心したようです。
永雄五十太氏著の絵で見る大工道具もの知り辞典によると、鉋の砥ぎの理想は2のように先だけ少し丸刃に砥ぐということです。
これは、最初に図3のように真直ぐに砥ぎあがることを卒業してからの挑戦となります。
最初から、図1のように丸砥ぎではダメなんですよ。
鉋の調整方法については非常に多様なので、次回もう少し詳しく説明しますね。
おしまい。
かんなの種類は、たくさんありますが、有名な話では西洋や日本を除くアジア圏などでは、かんなは前に押して掛けますが日本では、ご存じのとおり、手前側に引いて掛けます。
写真は、昨年行った竹中工務店本社での鉋展のパンフレットから引用しました。
さて、生徒さんにも例年のごとく説明するのですが、鉋と言って、すぐに頭に浮かぶものは、「台鉋」と呼ばれるものです。
古来では、下の写真のような槍の形をした槍鉋が使われてきました。
このかんなは宮大工 西岡常一棟梁が現在に蘇らせた道具といわれています。
これで、丸い柱などの表面を削っていたのですね。
最初の写真にあるような台鉋は1000年ほど昔に誕生したといわれています。
製材技術が上がり、角材が使われるようになるにつれて槍鉋ではどうしても効率が上がらないということで生まれたんでしょうね。
さらにそこから、さまざまな鉋が派生していきました。
トリマーやルーター、溝切りカッターなどが主流となり、現在ではほとんど使用されませんが、かんなにも用途によっていろいろな種類があります。
左から、底しゃくり鉋 豆反りかんな 面取りかんな 丸かんな 豆台かんな 際かんな 脇取りかんな
左から 反りかんな 外丸かんな 内丸かんな 台直しかんな 蟻かんな
底しゃくり鉋や際鉋などは、鴨居の溝を掘る時などに使われてきました。
蟻かんななどは、今でも結構木工などで重宝します。
丸かんなは砥石を形に合わせて加工しないといけないので、大変です。
ところで話は戻り、台鉋です。大工の学校では生徒さん用に寸八鉋と呼ばれるものを二丁貸出し、それぞれ台の仕込み、刃の砥ぎなどを調整して、荒かんな、仕上げかんなとして使用しています。
以前からの読者の方はご存じでしょうが、寸八鉋には寸八(54mm)の部分はありません、通常刃の幅は72mm程度でしょうか?
では、なぜ寸八と呼ぶのか?これは柱などを削る時に寸八程度の幅の削り屑が出ますよ、ということです。つまり最低54mmの幅は出るように調整しなければなりません。
鉋は本当に難しい道具です、砥ぎにしろ台の調整にしろ、中途半端にこれでいいかな?ということでは、薄く幅の広い削り屑はでません。
初心者の訓練生の皆さんは、はじめは砥石に刃をあてて、前後にこする程度に思っていたでしょうが、いざ始めてみると砥ぎの奥の深さに感心したようです。
永雄五十太氏著の絵で見る大工道具もの知り辞典によると、鉋の砥ぎの理想は2のように先だけ少し丸刃に砥ぐということです。
これは、最初に図3のように真直ぐに砥ぎあがることを卒業してからの挑戦となります。
最初から、図1のように丸砥ぎではダメなんですよ。
鉋の調整方法については非常に多様なので、次回もう少し詳しく説明しますね。
おしまい。
というか、直接いいましたが。
これからもよろしくお願いしますね。