さてさて、工作法6 今回は「のこぎり」です。
のこぎりは大工道具のなかでは、のみ・ちょうなに比べて、一時代後れて出現したといわれています。
のこぎりが出現する以前は、斧やマサカリで材料を木取り、楔を入れ込んで割って、その後にちょうななどで製材していました。
その名残で、鋸で縦に切ることを「割く」と呼び、横に切ることと区別してきました。
「大工の学校」で生徒に貸与しているのは、最初の写真にある「両引きのこ」です。
大きさによって尺一・尺・九寸・八寸などがあります。
面白いのは、刃の長さではなく、首までの長さで呼ぶことです。
たとえば尺一(330mm)の鋸の刃自体の長さは295mm程度しかありませんので注意が必要です。
のこぎりの各部分の呼び名は下記の通りです。
両引きのこには、先述したように縦に割く「縦挽き」と横に切る「横挽き」の刃がついています。
縦引きは真っ直ぐ、木の繊維を掬い取るような構造に対し、横挽きはカッターのような刃の形をしています。
そして、刃自体それぞれ、交互に振れています、これを「あさり」といいます。
これによって、鋸引きの抵抗を少なくして、うまく鋸が挽けるようになっているのです。
のこぎりも、他の道具同様目的によって、さまざまな種類があります。
刃が薄く、目が細かいので、造作などの細かい作業に向いている「胴付のこ」や、溝を挽くために、葉っぱのような形をした「畦挽き鋸」、円形などを刳り貫く、引き回し鋸などがあります。
最近は鋸が切れなくなったときに、やすりなどで刃を研ぐ、目立てといわれる作業を行うことが少なくなりました。
両刃鋸でもほとんどが、替え刃式になっています。
ちなみに4年ほど前から、「大工の学校」の鋸も替え刃式にかわりました。
そもそも、本打ちの鋸を作る鍛冶屋さんが居なくなっているそうです。
使い捨てる事が当たり前になったなんて、なんだかさびしい時代ですね。
のこの挽き方は墨が体の中心の延長上に来るように構え、墨に対して垂直に尚且つ真っ直ぐに引くことを心がけます。
墨を半分残すように、左手の親指をガイドにし、挽き始めるのです。
その最初の数センチが勝負です、最初は15度程度に寝かせてゆっくり引きながら、少しずつ鋸を起こしていきます。基本の角度は45度ですね。それから上面の墨と、前面の廻し墨の下端墨を結ぶように意識することも大事なポイントです。
体が曲がっていたり、鋸が振れていたりすると、すぐに左右に蛇行した切り口になります。
馴れない時は特に墨を確認しながら、引きましょう。
万が一曲がり癖が出た場合は、鋸の柄の部分を少し捻りながら修正します。
ほぞなどの場合、先端のけんと刃を使い、材料に沿って引くような感じで最後は仕上げます、微妙な感覚と加減が必要なので、これを使って余分な部分まで切り過ぎないようにすれば、合格でしょう。
最後は、材を切り落とさないように軽く支えながら引き込みます。
正直、言葉で上手くなれば、学者はみんな大棟梁です、少しでも微妙な感覚が解ればと思い、記事にしていますが、まぁ実践あるのみですね。
とにかく、これから行う、継手・仕口の仕上がり具合は、鋸引きがかなりのウェイトを占めています。墨を半分残し、切り過ぎることなく思い通りの刻みが出来るまでには、何度も繰り返し鋸引きの練習をして、会得していきましょう。
おしまい
のこぎりは大工道具のなかでは、のみ・ちょうなに比べて、一時代後れて出現したといわれています。
のこぎりが出現する以前は、斧やマサカリで材料を木取り、楔を入れ込んで割って、その後にちょうななどで製材していました。
その名残で、鋸で縦に切ることを「割く」と呼び、横に切ることと区別してきました。
「大工の学校」で生徒に貸与しているのは、最初の写真にある「両引きのこ」です。
大きさによって尺一・尺・九寸・八寸などがあります。
面白いのは、刃の長さではなく、首までの長さで呼ぶことです。
たとえば尺一(330mm)の鋸の刃自体の長さは295mm程度しかありませんので注意が必要です。
のこぎりの各部分の呼び名は下記の通りです。
両引きのこには、先述したように縦に割く「縦挽き」と横に切る「横挽き」の刃がついています。
縦引きは真っ直ぐ、木の繊維を掬い取るような構造に対し、横挽きはカッターのような刃の形をしています。
そして、刃自体それぞれ、交互に振れています、これを「あさり」といいます。
これによって、鋸引きの抵抗を少なくして、うまく鋸が挽けるようになっているのです。
のこぎりも、他の道具同様目的によって、さまざまな種類があります。
刃が薄く、目が細かいので、造作などの細かい作業に向いている「胴付のこ」や、溝を挽くために、葉っぱのような形をした「畦挽き鋸」、円形などを刳り貫く、引き回し鋸などがあります。
最近は鋸が切れなくなったときに、やすりなどで刃を研ぐ、目立てといわれる作業を行うことが少なくなりました。
両刃鋸でもほとんどが、替え刃式になっています。
ちなみに4年ほど前から、「大工の学校」の鋸も替え刃式にかわりました。
そもそも、本打ちの鋸を作る鍛冶屋さんが居なくなっているそうです。
使い捨てる事が当たり前になったなんて、なんだかさびしい時代ですね。
のこの挽き方は墨が体の中心の延長上に来るように構え、墨に対して垂直に尚且つ真っ直ぐに引くことを心がけます。
墨を半分残すように、左手の親指をガイドにし、挽き始めるのです。
その最初の数センチが勝負です、最初は15度程度に寝かせてゆっくり引きながら、少しずつ鋸を起こしていきます。基本の角度は45度ですね。それから上面の墨と、前面の廻し墨の下端墨を結ぶように意識することも大事なポイントです。
体が曲がっていたり、鋸が振れていたりすると、すぐに左右に蛇行した切り口になります。
馴れない時は特に墨を確認しながら、引きましょう。
万が一曲がり癖が出た場合は、鋸の柄の部分を少し捻りながら修正します。
ほぞなどの場合、先端のけんと刃を使い、材料に沿って引くような感じで最後は仕上げます、微妙な感覚と加減が必要なので、これを使って余分な部分まで切り過ぎないようにすれば、合格でしょう。
最後は、材を切り落とさないように軽く支えながら引き込みます。
正直、言葉で上手くなれば、学者はみんな大棟梁です、少しでも微妙な感覚が解ればと思い、記事にしていますが、まぁ実践あるのみですね。
とにかく、これから行う、継手・仕口の仕上がり具合は、鋸引きがかなりのウェイトを占めています。墨を半分残し、切り過ぎることなく思い通りの刻みが出来るまでには、何度も繰り返し鋸引きの練習をして、会得していきましょう。
おしまい
ノコギリは大工の・・・なんなのぉ~
下書き地点で、世界中に流れちゃいました。
よかったら、もう一度コメントおねがいしま~す。
最後に出した両刃の目立が悪く、どんなに補正切りしても流れるんですよね~
腕が悪くなったのかと、本気で凹みましたよ~
ごめんなさいでした。
目立屋さんって、ホント消えゆく職業なんでしょうね~
うちでも実習に取り入れてたみたいだけど、辞めちゃいましたし…
伝統技術伝承科にでも、科名を代えて、保護してもらおうかな~