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とみしゅう日記

“13階段”

著者:高野和明/講談社文庫

刑期を終え、刑務所から釈放された青年・三上。
飲み屋でのいざこざが元で、傷害致死の罪を犯した彼の心は、いまだ重く沈んでいた。
そんな彼の元を訪れた刑務官・南郷。
死刑囚・樹原の冤罪を晴らすために、弁護士・杉浦から調査を引き受けたのだという。
自分の調査を手伝わないかと持ちかける南郷。
被害者への慰謝料に頭を悩ませていた三上にとって、高額な成功報酬は大きな魅力だった。

こうして二人は、事件の再調査を始める。
頼りとなる手がかりは“階段”。
事故によって事件前後の記憶を失っていた樹原が、唯一思い出したものだ。

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日本の刑法における、もっとも思い刑罰は死刑です。
“13階段”では、南郷の回想を通じて、死刑が執行される過程が綿密に描かれています。
どこまでがフィクションなのか判りませんが、非常に説得力のあるくだりでした。

もし自分の愛する人が殺されたら?
誰しも、殺人者に対する復讐の思いを抱くのではないでしょうか。
もちろん、それは法律上許されない行為です。

自分に代わって復讐を果たしてくれるのが刑法であり、警察である。
そう考えることもできるでしょう。

しかし、たとえば殺人を犯したものが、すべからく死刑になるわけではありません。
傷害致死も強盗殺人も、結果として人の死が発生しているものの、
その懲罰には天地の差があります。

人の命は平等ではない。
それが現実です。

南郷と三上の活躍によって、死刑囚の命は救われたのか?
結論は、実際に小説を読んで確認してみてください。

誰が死に、誰が助かったのか。
何が償われ、何が失われたのか。

人が人を裁くことの難しさ。
真実の奥深さ。
色々な味わいを楽しむことのできる佳作です。

コメント一覧

勿忘草
興味あり
友人に、元刑務官の作家がいます。彼の話を聞くに付け、犯罪者・特に殺人者の処遇に、疑問を持っています。
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