タイトル | 順位 | 感想 |
女神の見えざる手 | 4 | ロビイストという馴染みのない職業に対する好奇心もあるが、ジェシカ・チャステイン演じる主人公の変化に共感がもてた。ラストの展開も鮮やか。 |
ジェシカ・チャスティンという女優さんを初めて知ったのは、たぶん『ゼロ・ダーク・サーティ』だったと思います。
とても凛々しく、それでいてどこかに人としての弱さを感じさせる。
魅力的な女優さんだなぁと思います。
本作も、まさジェシカ・チャスティンでしか演じられないような、さまざまな要素を抱え持つ主人公が魅力的でした。
いわゆる「裏方」として、政治のさまざまな局面に関わり、世論を動かしていく。
決して綺麗事だけではない、大人たちの思惑が入り乱れた世界。
コールガールならぬコールボーイを呼んでセックスを「済ませ」、食事もいつも同じところで「済ませる」。
ライバルの一手、二手先を読み、常に合理的に行動する。
そんな優秀なロビイストでも、不測の事態に巻き込まれることはある。
すべてが自分の思い通りになるとは限らない。
そんな当たり前のこと気づいたときに、はたして彼女に救いの手は差し伸べられるのか…
本作は、サスペンスとしてもよくできている映画だと思いました。
まさに手に汗握る展開の中で訪れるクライマックス。
ああ、いい映画を観たなぁという満足感でいっぱいになります。
夫を持たず、子を持たず、チームのメンバーすら疑って生きてきた主人公。
しかし、そんな彼女が時折見せる「ゆらぎ」に、観ているこちらの心も揺さぶられます。
仕事にすべてを捧げてきた彼女は、血も涙もないビジネスパーソンなのか?
機会がありましたら、ぜひご覧になってください。