タイトル | 順位 | 感想 |
パターソン | 3 | 当たり前のように繰り返される日常が、でも少しずつ形は違っていて、ささやかな「一期一会」がどこかで起こっている。アダム・ドライバーの演技が本当に素晴らしい。 |
今年のベスト1〜3までは、これまでの映画人生の中でもトップクラスに大好きな作品ばかりです。
本作の監督は、ジム・ジャームッシュ。
その名前はもちろん知っていたのですが、これまで作品を観たことはありませんでした。
しかも主演はアダム・ドライバー。
スター・ウォーズ新シリーズのカイロ・レン役に抜擢され、その後も数々の話題作に出演。
本作を含め、去年日本で公開された作品は全部で4作。
まさに、乗りに乗っている俳優さんです。
パターソンとは、主人公の名前であり、彼が住んでいる街の名前でもあります。
ガールフレンド&犬と同居し、バスの運転手として働き、合間を見てはノートに詩を綴り、夜は犬を散歩させながら馴染みのバーで酒を飲む。
ありふれた毎日。同じように流れていく時間。
しかし、実際には「まったく同じ1日」など存在はしません。
起きる時間もちょっとずつ違うし、ちょっとだけエキセントリックなガールフレンドが壁紙を変えることもある。
馴染みの客ばかり集まるバーにだって、皆がびっくりするような事件が起きることだってある。
喜怒哀楽、その感情の按配は毎日違うのです。
そんな当たり前のことに気づいたとき、世界はいつもとちょっとだけ違う姿を見せてくれます。
どこにでもありそうな街。でも、そこにしかない街。
アダム・ドライバーのちょっとだけ困ったような表情が、とてもチャーミングです。
美しい、本当に美しい映画。
ジム・ジャームッシュ、おそるべしです。