とみしゅう日記

さて、感想です。

『ベクシル』の感想です。
以下、細かい情報は公式サイト(http://www.vexille.jp/)より。

ベクシルとは、主人公である女性兵士の名前。
アメリカの特殊部隊、SWORDに所属しています。
(何の略なんですかね、SWORDって?)
レオンという恋人がいまして、彼はSWORDの隊長です。
このレオンには、かつてマリアという恋人がいました。
彼女は、ストーリー後半で重要な役割を果たします。

主な舞台は日本。
あまりにも精密なアンドロイドを作り上げたため、
世界中から強烈な非難を浴びた日本は、
なんと国連脱退→電子の壁で日本中を包囲するという
“ハイテク鎖国”を実施します。

世界から完全に孤立、とも思われるわけですが、
日本の軍事企業、大和重鋼
(だいわ じゅうこう。大和“重工”ではないみたいです)
が作り出す軍事兵器は各国のニーズが高く、
国交断絶にもかかわらず輸出入は続くという、
実に微妙な関係が10年も続いている…
そのような状況で物語がスタートします。

吹雪の邸宅に集まった各国のVIP。
そこに現れた大和重鋼の総務局長、サイトウ。
さらに、その邸宅を目指して進む、SWORDの輸送機。
激しいアクションが展開されることは必至なわけですが、
詳細はさておき。

鎖国状態の日本に潜入したベクシルと、
マリアが率いるレジスタンスの活躍、
なんかもあったりするわけですが、
そのへんもスクリーンで見ていただくとして。

全体的な感想を書きます。

まず、一番気になったのは、“言葉”の問題。
ベクシル&レオンはアメリカ人。
マリアは日本人という設定です。
(見た目には、大差ないのですが…)

で、ベクシルが日本潜入を果たすわけですが、
どう見ても一般庶民とおぼしき子どもや大人と、
普通に会話をしているんですよ。
日本映画なので、両者とも日本語を話しているわけです。
このあたり、ストーリー上での整合性は特に取られていないようで、
なんらかの翻訳装置を使っているとか、
日本では英語が公用語になったとか、
そういう説明はされていなかったように思います。

このことが、最後までずっと頭に引っかかっていました。
先日観た『トランスフォーマー』では、
興奮したラテン系兵士がスペイン語で仲間に話しかけていて、
「英語で話せ!」と怒鳴られる、
なんていうコメディタッチのシーンがあったのですよ。

言葉の問題というのは、
絶対におそろかそにするべきではないと思うし、
(翻訳&校正という仕事柄、余計に気になる)
その点をなぜか曖昧にしたままストーリーを展開させるというのは、
とても不自然です。

これだけで、20点マイナス。

あと、日本潜入のシーンにも違和感を覚えました。
どう考えたって、“生体反応”を持つ個体数で発覚するはずなんですよね。
まあ、そこで発覚しているからこそ、
あの“3分間”が阻害されたという解釈もできますが、
みすみす入国時に見逃すというのは合理的ではありません。

ゲートの開閉がなぜ自由に行えていたのか、というのも疑問ですね。
大和重鋼が管理下においてしかるべき権限なのに…

ストーリーの大枠は悪くないと思うんです。
(日本が“悪役”になる、というのはありそうでないですか)
ただ、細かいところの詰めが甘いというか、
そういう部分を気にならなくさせるだけの
パワーに欠けているというか、
きれいにまとめようとしすぎているんじゃないかと。

ベクシルが一兵士&一人の女性であり、
特別の力があるわけではない。
そういう意味では、とても現実的な映画なのかもしれません。
でも、僕は「最強兵士」のベクシルが見たかったなぁ。
ちなみに、黒木メイサ(ベクシルの声を担当)の
滑舌の悪さも気になりました。

個人的には、DVDの鑑賞で充分かなと思います。
つまらなくはないけれども、
深い感動や息もつかせぬアクションは期待しないほうがよいかと。
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